自称不感症の援交少年の陥落

ムーン

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穢れの伝染という妄想

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裸になったキョウヤが再び俺に覆い被さる。彼はベッドに肘をついて俺を眺め、頭を撫でて愛でている。

「キョウヤさん……好き、キスしていい?」

キョウヤの首に左腕を絡ませてねだると彼は紳士的な微笑みを浮かべ、俺の唇を塞いだ。口内に侵入した彼の舌は丁寧に俺の舌を愛撫し、俺の呼吸を熱く荒く変えさせた。

「んっ……んっ、ふ……んんっ……」

俺は両手をキョウヤの股間に向かわせ、半勃ちの陰茎を握った。幼い頃から父に英才教育を受け、たくさんの男から金と精を搾ってきた俺の手コキにキョウヤはどれだけ紳士面を保っていられるだろう。

「んっ……はぁ、はぁ……キョウヤさん、抱いて、早くぅ……お金一円も要らないから、俺もうキョウヤさんのものだからぁ……」

両手でキョウヤの陰茎を扱きながら大きく開脚し、淫らに媚びる。

「こらこらレイン、よしなさい。そんなふうにされてはすぐに出てしまうよ。ちゃんと君のをほぐさせておくれ」

ビンと勃って物欲しそうに涎を垂らす陰茎、こねられる快感を覚えてぷくっと膨らんだ会陰、雄の象徴を受け入れなれた貪欲な後孔、キョウヤはその全てを指の腹で優しく撫でる。

「あっ、は……ぁああぁーっ……!」

焦れったさが高まるのはもちろん、キョウヤの幼子や小動物を愛でるような手つきで気持ちよくなってしまうのに背徳感を覚える。

「……すまないね、レイン。今日はローションを温めるのを忘れてしまったんだ」

「なしでも冷たいままでもいいからっ、早くほぐして抱いてよぉっ!」

「使わなければ君のナカが傷付いてしまうし、冷たいままでは君はお腹を壊してしまうよ。それはよくない。だからねレイン、代用品を使いたいんだ。君のここをほぐすのが私の指でなくても君は構わないかな?」

トントンと後孔の縁を叩かれる。中指の腹に後孔が吸い付く暇もない素早く軽い動きに焦れた俺は、キョウヤの指にほぐされたいと願いつつも頷いた。

「……それじゃあレイン、今から私が言うおねだりの言葉を使ってお尻をほぐして欲しいってお願いしてくれるかな?」

耳元で囁かれたのはキョウヤにはさせたくないプレイだった。

「そ、そんなのダメ! 絶対やだ!」

「おやおや……されたこと、ないかな?」

「あるけどっ、でも、アレは汚いおっさんだったから……キョウヤさんはダメ! そんな汚いの、ダメ……んっ、ぁ、やだっ、それずるいっ!」

「大人はずるいものだよ。ほら、早くおねだりしておくれ、いつまでたっても始められないよ」

キョウヤの乾いた指が臍の中に入り、あまり外気に触れないそこをくにくにと弄り回す。俺は情けなく喘いで焦れるしかなく、堪え性のない俺はおねだりを言うからもう焦らさないでくれとすぐに懇願し始めてしまった。

「ふふふ……虐めてごめんよ、レイン。じゃあ言ってくれるかな?」

「ぅ……」

上体を起こしたキョウヤに見えやすいよう、大きく開脚した上で尻肉を自らの手で掴み、後孔を拡げた。

「キョウヤさん……お願い、キョウヤさんの舌で俺のお尻ほじくって、ほぐしてっ……俺の穴を柔らかく使いやすくしてくださいっ!」

「……よし、いいよ。完璧だ。可愛かったよレイン、すぐにしてあげる。足を持ってくれるかな?」

「足……こう?」

「そうそう、ありがとうね、えらいよ」

膝の裏に腕を通して開脚を支えるとキョウヤは俺を褒め、俺の後孔を両手で拡げて顔を近付けた。

「ぅうぅ……キョウヤさんがクンニなんてダメなのにぃっ、そんな汚いとこ舐めるのキョウヤさんは絶対しちゃダメなのにっ……」

灰色の瞳が瞼の奥に隠されて、高い鼻が会陰に触れる。今まで俺の股ぐらに顔を押し付けて陰茎や後孔を舐めしゃぶってきた何十人もの醜い男達の顔が記憶の棚から消えていく。

「んっ……ぁ……? 今のっ、キョウヤさんの舌ぁ……?」

空っぽになっても売春の匂いが残る記憶の棚にキョウヤの情報が詰め込まれていく。後孔の皺に唾液を流すようにぬるぬると俺の後孔を舐める。

「あ、ぁ……! にゅるにゅるしてっ、ひ……やだっ、だめ、だめ……」

後孔が勝手にキョウヤの舌に吸い付いてしまう。優しいキョウヤはそれに応えて俺のナカに舌を進ませる。

「ひぁっ! ぁ、あっ! あぁあっ……! んにゃあっ!? すっ、吸うのやだぁっ!」

一旦舌を抜いたキョウヤは俺の後孔にぴったりと唇を吸い付かせ、ちゅうぅっと音を立てた。俺は男だから女と違って愛液なんて垂らさないはずなのに、それを啜られているような気分になった。

「だめぇっ……! 汚いのっ、そこ汚いからっ、やだ、やだぁっ! キョウヤさんがそこ舐めんのやっぱ嫌ぁっ!」

家に寄らなければ、子犬を名乗った不審な男に父のことを聞かれなければ、俺は舌と唇での愛撫を大人しく受けていたかもしれない。
でも、思い出してしまった。父に犯された日々を。散々中出しされた穴だということを。

「嫌……」

何十人何百人の男に身体を売ったことなんてもうどうでもいい、俺の顔を見る前からキョウヤはそんなこと承知の上だろう。でも父は違う、キョウヤは俺と父の関係を知らない。

「嫌だっ、やだぁっ! お願いやめてっ、やめてよキョウヤさんっ!」

近親相姦なんて最大の禁忌を犯している俺の穴は、陰茎での蹂躙は許されても口唇での愛撫なんてしてはいけない。排泄孔だからというさっきまでの俺の主張とは違う理由で汚いから。

「いやっ、ぁ、あっ……ゃあんっ、んゃ……」

キョウヤは嫌がる俺を宥めようとしているのか尻を揉んだり太腿を撫でたりしてくれる。落ち着くはずのキョウヤの愛撫なのに父の影がチラついた、父に触れられた場所にキョウヤが触れるとキョウヤが穢れてしまう気がした。

「嫌っ……だってばぁっ!」

キョウヤがようやく離れてくれた。違う、俺が彼の肩を蹴ってしまった。力はほとんど入っていなかったから痛みはあまりなかっただろう、しかし拒絶の意思は伝わった。

「ぁ……」

「ごめんね、そんなに嫌だったなんて思わなくて……指でしようか」

俺は咄嗟に後孔を両手で覆って足を閉じた。

「…………気にしなくていいよ、レイン。わざとじゃないんだろう? 痛くはなかった、本当だよ。私は大丈夫、君を好きな気持ちはこれっぽっちも減っていない」

蹴ってしまったことを気にしているのだろうと思われている。その通りだ、でもそれだけじゃない。

「ごめんなさいキョウヤさん……」

「いいんだよ、そういうこともあるさ」

「…………今までの話、全部なかったことにして」

「……今まで、とは?」

ゆっくりとキョウヤから離れ、立ち上がる。するとキョウヤもベッドを降りて俺の進行方向に立ち塞がった。

「レイン、ちゃんと説明しなさい。今の言葉の意味と意図、言った理由も全てね」

「……同棲の話、キョウヤさんのとこで会計士になるって話、俺がキョウヤさんのものだって話、全部なかったことにして。他人に戻りたい」

「…………どうしてだい?」

扉に向かおうとするも、やはりキョウヤにはばまれる。

「……君はまだ若い。君が私くらいの歳になるまで私は生きていられないと思う。だから君が私のものになるというのは、私もあまりよくないことだと思う。でも、君は私をとても好んでくれている……私と一緒に居られないなら死ぬとまで言ってくれた。私も君を愛している。どうして他人に戻りたいなんて言うんだい?」

真剣な灰色の瞳には悲しみが滲んでいる。

「冷静になって考えられただけならいい、同じだけの時を過ごせる人を探したいならそれでいい。私は大人しく身を引く……老いた私が君を引き留めようとは思わないよ。でも、君が今急に正気に戻ったとは思えないんだ」

「………………なんでキョウヤさんは俺がキョウヤさん好きなこと気の迷いだっていつまでも思ってんの? 同じだけの時って何、同い年だって明日急に事故とかで死ぬかもしんないじゃん! 歳なんか理由にしてっ、俺の気持ち軽く扱わないでよ!」

「……嬉しいよレイン。ごめんね、老人は不安なんだよ。君が去ってしまうのを歳のせいにしたいんだ、自分の魅力不足だとしてもね」

「キョウヤさん魅力あるよっ、足りすぎだもん……まだ老人なんかじゃないし」

「そんなことを言ってくれるのに、どうして他人に戻りたいなんて言ったんだい?」

父の話はしたくない、キョウヤには俺を抱いた楽しい記憶だけ持っていて欲しい、彼の思い出まで穢したくない。

「…………汚くて面倒臭い俺なんて、キョウヤさんに愛して欲しくない。俺になんか触らないでっ、俺なんて舐めないでよっ、キョウヤさん綺麗なんだから、カッコいいんだから、俺なんかダメなんだよぉ!」

「レイン……レイン待ちなさい!」

隙を突いて扉に走る。ドアノブを握り、ここで逃げたら本当にキョウヤの元を去ることになるのかと少し戸惑う。父のことなんて隠し通せばいいだけだと、あんな父のせいでようやく掴めそうな幸せを捨てることはないと、思ってしまう。
でも俺は俺に残った父の残滓でキョウヤを穢すことに耐えられない、ドアノブを捻って扉を引く──

「……そんな理由では逃がしてあげないよ、レイン」

──バンッ! とキョウヤの手が扉を押さえる。内開きの扉はそれだけで開かなくなる。すぐ後ろにキョウヤの気配を感じる、振り返らずにいるとずぷんっ……とキョウヤの指が三本、後孔に挿入された。

「昨日したばかりだからまだ緩いね」

キョウヤ自身の唾液にまみれた指が俺の穴を容赦なく犯す。ぐちゅぐちゅと音を立て、前立腺を激しく責め立てる。

「ぅあっ、あっ! あぁあっ!? ぁひっ! ひ、ぃっ……!」

「さぁ……素直になろうね」

ドアノブを握った手に力が入らない。足がガクガクと震える。

「イっぐぅうっ!」

本気の愛撫に負けて床に膝をつく。しかし、その程度では終わらない。キョウヤは崩れ落ちた俺の両手首を掴み、痙攣する後孔に陰茎をねじ込んだ。
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