冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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お父さんにご挨拶 (水月+カンナ・ハル・リュウ・シュカ・セイカ・カサネ・歌見・スイ・レイ)

カンナの父親と話していると、背後から勢いよく抱きつかれた。ハルだ。

「みっつ~ん! なんで先行っちゃ、あっ、わ……こんにちはぁ~」

「あぁ、こんにちは」

「あ、しぐのおとん。こんにちは~」

ハルとリュウが父親に挨拶をし、父親は笑顔で応える。俺の時と反応が違うなぁ。

「時雨さんの……? こんにちは」

「……こんにちは」

「ちゃっす」

走ってきたのだろうハルとリュウに少し遅れてシュカが合流、車椅子に乗ったセイカとそれを押すカサネも合流。賑やかになってきたな。

「……みんなお友達か? カンナ」

「ぅんっ……とも、ち……」

 嬉しそうに微笑んだカンナは俺の手を離し、シュカの手を握って二歩父親に近付いた。

「とり、くん。ふく、いんちょ……やさ、し……くて、つよ……いの」

「……いつも、お世話になっております」

「あ、あぁ……いや、こちらこそ。確かに……強そうだな、ははは」

会話に手間取る二人を置いて、カンナはセイカとカサネの元へ。カンナの意図を察したシュカは後ろへ下がり、その空いたスペースにセイカとカサネが移る。

「せー、くん……すご、く……かし、こい。くー、さん……せん、ぱい。いぬ、おとなし……」

カンナのひとこと紹介、味わい深いな。彼にとって一番印象深いことなのか、父親に紹介するべき美点と思っているのか、気になるところだ。

「あぁ、どうも……君は先輩なのか」

「あ、はい。二年す」

会話、続かないなぁ。カンナは俺の腕に戻ってきちゃったし。

「お……? 居た居た、水月~!」

「えっ先輩!? ホントに来たんですか……?」

気まずい沈黙を打ち破り、手を振りながら俺に近付いてきたのは歌見。首元まで詰まった露出度低めのタンクトップに薄手の上着を羽織り、アッシュグレーの髪に陽光をキラキラ反射させ、眩しく爽やかな笑顔を浮かべている。

「スイちゃんも居まーす」

そんな歌見の背後からひょこっと顔を出す、長い黒髪の美青年。男性的な服装に反してどこか乙女らしいはしゃぎ方をしながら俺に抱きついた。

「俺も居るっす! 出遅れた……! もう抱きつくとこないっすぅ」

同じように歌見の背後から飛び出したレイは悔しそうに俺の周りを回り、空いていた背中にそっとひっついた。いつものパーカーを着てフードまで被って、見ているだけで暑苦しい。

「レイ、スイさんまで……どうやって入ったんです? 俺招待状渡してませんよね」

生徒には一人一枚、招待状が配布される。家族を体育祭に呼ぶ場合はその招待状を渡さなければならないのだ、複数人招待客が居る場合は各自必要枚数分コピーするように言われていた。職員室のコピー機の使用はいつでも自由なので、ほとんどの生徒がそこを使っただろう。俺はコピー機を使用せず母に一枚渡しただけだった。

「ナナちゃんがくれたわ?」

「俺もっす」

「俺は天正にもらった」

「とりりんとハルのんもろて歌見の兄さんに三枚まとめて渡してん、見に行きたいのに水月がくれへんて言うとったから」

「恥ずかしいから渡さなかったのに……」

「え~、あのダンスすっごいカッコよかったから、生で見られてすっごい嬉しかったよアタっ……俺ぇ」

「二人三脚の時めっちゃ舌打ちしてたっす」

「ちょっバラさないでよ」

相変わらず嫉妬深いな。だが、霊障を起こす程の嫉妬ではなかったようでよかった。

「……楽しそうなところすまない、君達もカンナの友達か?」

「へ? えぇと……」

「カンナのお父さんです、先輩」

歌見の耳元でボソッと囁く。歌見は途端に畏まり、慌てて頭を下げた。

「すみません紹介が遅れて! 俺は、えぇと」

「俺のバイト先の先輩です」

「へぇ、OBなのか?」

「十二薔薇のですか? いえいえいえ、そんな、こんな学校通えませんよ俺みたいな凡人には……」

「……どうしよ、アタシ……何? 何って言えばいいかな……! どうしよナルちゃん」

俺の首に回していた腕は下ろしたが密着はそのままに、スイは焦っている。霊能力者としての力を求められ俺と知り合ったことはもちろん、探偵という仕事すら説明が難しい。

(アニメやゲームでは探偵ほど信頼ある職業はないのですが。探偵ですと言えばありとあらゆる会場のパスとなり事件現場にも入れる……色んな職業がありますが現実とフィクションの乖離が最も激しいのは探偵かもしれませんな、現実の探偵は不倫相手と猫を探す不安定な職業でそ)

オロオロという擬態語が似合うスイを眺めながら、探偵についてボーッと考えている俺の背後からレイが飛び出す。

「はじめまして! 俺はレイっす、鳴雷先輩のバイト先の後輩っす! スイさんも同じバイトの人なんす、今日は三人とも暇だったんで体育祭ひやかしに行ってやろーって、ノリで来たんす」

「お、おぉ……そうなのか」

「時雨さんとはちょいちょい顔合わせしてるっすけど、俺達は鳴雷先輩と同じバイトしてるってだけなんで、まぁ友達ってほどじゃ? ないっすかね?」

「……?」

カンナは首を傾げている。

「……そうだよな。でも、はは……顔が広くなったなぁカンナ。今日は水月くん達とゆっくり帰ってくるのかな? お父さんはスーパー寄ろうと思ってるんだが、お父さんと一緒に帰ってくれるか?」

カンナは差し出された手から目を逸らし、首を横に振った。

「ゔ……そ、そうか。気を付けて帰るんだぞ」

カンナと話すため少し背を曲げていた父親は、身体を伸ばし腰を軽く叩いてから俺をキッと睨んだ。

「必ずカンナを無事に返せよ鳴雷水月……! じゃあ、また今度」

緩く手を振り、去っていく。

「はぁ……緊張したぁー。あの人なんか俺を敵視してるよ……」

「恋人だって言ってあるのか?」

「ぅ、ん」

「なら仕方ないっすねぇ。可愛い息子を誑かした男っすし……あっ、勝手に同じバイトにしちゃったっすけどよかったっすかね」

「あ、うん。ありがたかったぁ~……すごいねレイちゃん、咄嗟の作文力激高!」

咄嗟に嘘をつく能力は探偵にこそ必要なのでは? ほら、某有名探偵も「ぼくトイレー」ってしょっちゅう嘘ついてるじゃん。

「自分がバイトしてる訳でもないとこのバイト仲間が友達ってのも変かなーって、友達じゃないとか言っちゃったっすけど……き、傷付いてないっすよね? カンナ先輩っ」

「ぅん……」

「歳下の子に友達友達言うのもちょっとなぁって感じだから、俺としては友達って程でも……ない? っていうのはちょうどいいニュアンスだったぞ」

「……うた、さ……ぼく、とも、ち……や?」

「やじゃないやじゃない全然嫌じゃないぞ! 友達だな友達、つい予防線張っちゃったよズルい大人になっちゃったなぁ俺も」

カンナのいたいけさに焦る彼氏の姿、イイ。シュカがよく見せてくれるけれど、歌見のも可愛い。カンナには是非もっと彼氏達を困らせてみて欲しい。
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