冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
2,178 / 2,387

ずっと出来ずにうずうずと (水月+セイカ・クンネ・荒凪・リュウ・シュカ)

朝起きてすぐ、歌見にメッセージを送る。内容はセイカのためにバリカンを近々貸して欲しいというもの。

「よし……」

スマホを机に置き、朝支度を始める。ある程度終わったらセイカを起こして世話を焼く。

「着替えくらい自分で……あれ? 俺、足どこ置いたっけ」

「確かアキの部屋だな、取ってくるよ」

「ごめん……」

「違うだろセイカ、こういう時は謝るんじゃない」

「……ありがとう?」

「そ。ちょっと待っててな」

アキの部屋に急ぐ。ベッドに人影はなく、セイカの義足は壁に立てかけられていた。

「ミツキ! おはよう!」

机の上、ぴょんぴょんと跳びながら大きく手を振る小さな姿。

「おはようクンネ」

軽く撫で、プールへ向かう。身体を乾かしている最中の荒凪が手を振る。手を振り返し、見回すとアキを見つけた。デッキチェアに横たわり、タオルで目隠しをしている。

(整い中ですかな?)

アキは早朝に目を覚ますと朝食の前にサウナに入ることがある。多分それだ。

「荒凪くん、アキ寝ちゃってたら起こしてあげてね」

「きゅ!」

元気な返事に手を振り、義足を持ってセイカの元へ急ぐ。自室に戻ると床に座り込みシャツを着ている最中のセイカが「あっ」という顔をした。

「セイカ! またベッド転がり落ちたな!? 待ってろって言っただろ」

「着替えくらいしとこうと思って……そ、それに、そんな……落ちたとかじゃない、降りたんだよ。どこも打ってない」

「本当か?」

「足なくても降りるくらい出来る……」

「……ならいいよ。ごめんな大声出して。ほら義足、靴下も」

「ありがと」

義足を履いたセイカと共にダイニングへ。アキと荒凪は既に席に着いており、二人とも笑顔で俺とセイカに挨拶してくれた。可愛い。

「みつき、今日も学校?」

「土日以外は毎日学校だよ」

「きゅ~……」

もう分かっていることだろうに、荒凪は不満げだ。



体育祭の翌日は大抵、反省文を書かされる。課題として昨日出ていてもおかしくなかった、というのは中学時代までの経験則だ。

「感想とか反省とか作文書かされるかな?」

「どうだろ……俺何書けばいいんだよ」

そんな話をしながら駅に着いた。ホームでリュウを探しているとスマホが鳴った、歌見からの返信だ。

「お……セイカ、歌見パイセン今日バリカン持ってきてくれるって」

「え、今日?」

「近々貸してって言ったんだけど、今日すぐみたいだ。さっぱりするなぁ」

「うん……なんか悪いなぁ」

「そう思うなら刈りたて触らせてやれよ、ジョリジョリ触るの嫌いな人間はあんまり居ないぞ」

「礼になるのかそれ……ぁ、鳴雷、あっち、天正」

セイカが指差した先、そろそろと歩くリュウが居た。手を振ってみるとこちらに気付いたようで、ゆっくりとこちらに歩いてきた。

「リュウ、おはよう。今日は随分辛気臭いな。どうした?」

「水月ぃ……」

「……ほ、本当にどうしたんだ? 大丈夫か? どっか痛いか?」

「水月、水月忘れてへんやんなぁ」

「何を?」

「……俺のちんこ消したん」

その言い回しに一瞬戸惑ったが、すぐに貞操帯の件だと理解する。少し前からリュウに着けさせている貞操帯は、ただ陰茎の使用を制限するだけの貞操帯ではなく、陰茎を内側へ押し込んで股間をつるんとさせてしまうフラット貞操帯と呼ばれるものだ。

「忘れるわけ……ゃ、そんなの覚えてる訳ないだろ? 何のことだ?」

「へへっ……水月のいけず。貞操帯着けたやん、俺に……あれからもう俺シコられへんどころか、ムスコの姿見てもないねんで? 朝勃ちも出来んで毎朝切なぁてしゃあないねん」

「あぁ、アレな……勃ったら痛かったりするか?」

「んー……押し込まれ過ぎとるからか、そこまでやね。せやけどあるもんがない違和感すごいで。あと、むずむず? うずうず? するなぁ……最低でも二日にいっぺんは抜いとったのに、出来へんから……へへっ」

「そうか。自分で出来ないのは可哀想だな、いくらお前でも。後でやり方教えてやるよ、お前のために休み時間使ってやること感謝しろよ?」

蔑むよう意識してリュウを見下ろす。ちゃんと見下せているだろうか、答えはリュウの反応にある。

「んへへ……ありがとうございますぅ」

リュウは心底嬉しそうに顔を蕩けさせている。俺はちゃんとSらしい態度が取れているようだ。



彼氏達と合流しながら登校。シュカの手には単語帳があった、中間テストのことを思い出して憂鬱になってきた。

「体育祭あったんだから中間テストなしにして欲しい……期末だけでいいじゃん二学期は、なぁ?」

「無茶言いよる」

「どうせ冬休みもデートだの何だの遊びに行きたがるんだから、赤点取らないように頑張れよ」

車椅子の上、振り向いたセイカが俺を見上げる。

「助けてセイカ様ぁ……」

「真面目にやるなら勉強付き合うくらいいくらでもしてやるよ」

「天使……! 真面目に聞くよぉ絶対セクハラしない!」

「どうだか……」

信用出来ないとジト目で語りつつも、セイカはどこか楽しそうな笑顔を浮かべていた。
感想 564

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。