冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
2,265 / 2,387

ピニャータが着くまでの暇潰し (水月+リュウ・ネザメ・サン・ヒト・ハル・ミフユ)

ピニャータ。お菓子やおもちゃの詰まったくす玉で、パーティの主役が叩き割って中身を出すというもの。

(天井から吊るすもんだと思いますが……わたくしがやってるゲームではそうですし)

天井を見上げる。セレブの邸宅というのは一般住宅より天井が高い作りになっているものだ。広間ならそれはもう、床から天井までは三~四階程度の高さがある。

「改めて……天井、高いな」

「こない高う作る意味あれへんやろうになぁ。キリンさんでも招待するつもりなんやろか」

独り言のつもりだった呟きにリュウが返事をしてくれた。

「……天井どうやって掃除するんだろ」

「天井なんか掃除せぇへんやろ」

「ぇ……お前神社の子じゃないのかよ、やるだろ年末に」

年末頃になるとニュースで煤払いの様子が流れ、天井の埃を落とす姿が見られる。その話をするとリュウは「ぁー……」と低い声を漏らした。

「めちゃくちゃ長いホウキとかあるのかな、クソデカ脚立かな」

「さぁ……どないですのん紅葉はん」

「僕は掃除はしないから分からないけれど、シャンデリアは下ろせるそうだよ」

「へぇ…………俺心中するならシャンデリアって決めてるんだけど、どう思う?」

「そんな一瞬で死にそうなん嫌や」

「ど、どういうことだい? 水月くん……何の話なんだい」

ネザメを困惑させてしまった。俺はただ、落下するシャンデリアに抱き合ったまま潰されるのはドラマチックでちょっとオシャレだと思っているだけなのに。

「あ、いや、別に死にたいとかじゃないんでそんな気にしないでください」

「水月はボクに絞め殺されてくれるんじゃなかったの~?」

机に肘をついて、もう片方の手で拗ねたようにグラスを揺らす。顔は俺の方を向いているが、白っぽい瞳は俺を捉えられてはいない。微妙に合わない目線はいつも、サンが盲目ということを思い出させてくれる。

「あー……俺単品ならサンに、心中ならシャンデリアってことで」

「死ぬんやったらその前に俺殺してな、水月。そらもうぐっちょぐちょのめっちゃくちゃに……ベテラン刑事が吐くくらいの現場作ってな!」

「俺お前殺した後サンに殺されるかシャンデリア心中するかするの? 一生ネットで語り継がれる事件になりそう」

「アングラ系チャンネルのオモチャじゃん」

「……あのさぁ~! 今日しぐの誕生日パーティなんだけど!? 黙って聞いてりゃ何! シャンデリアに潰されるだの絞め殺すだのぐちゃぐちゃだの! ゴアいっての!」

「ご、ごめん……」

「……すまん。つい」

「ごめんね~……カンナちゃんどこだっけ、あっちかな……?」

サンは歌見に向かって手を振っている。

「この話題始めたのみっつんってのが最悪! 理想の死に方……まぁ、あるかもしんないけどさ~、俺らみんなみっつん大好きで、みっつん死ぬとか、やだから……そんな話やめてよ、ホントに」

「……ごめんな。そんな、深刻なのじゃなくて、超軽い……実現する気なんて欠片もない感じだったんだけど……ホントごめん。カンナも、ごめんな」

カンナは小さく首を横に振った。

「え、欠片もないん? 俺割と本気やねんけど」

「逮捕されたくねぇよ俺」

「私に任せてください鳴雷さん、死体が見つからなければ逮捕されることはありません」

「おっ……流石ヤーさんは違いますわ。なんや溶かしたり埋めたりしてくれはるんやろか。はぁあ……死体も見つかれへんやなんて、弔ってもらえんと捨てられるなんてっ……そんな哀しいことあったあかんやん、絶対あったあかんことやのにぃ……ぁあっ……!」

何を妄想しているのか、リュウは自分を抱き締めてクネクネと悶えている。カンナは微笑んでリュウを眺め、ハルは呆れて睨むのすらやめた。

「……お前たまにそれ言うけどさぁ、俺お前とはこのまま恋人として生きていきたいぞ? 悪いんだけど俺加虐欲そんなないんだよ、ちょっと叩くとか縛るとか……プレイレベルなら付き合ってやれるけど、血が出るようなのは本当に無理だ。分かった上で妄想してるだけなら、話に付き合ってはやるけど……分かってるんだよな?」

「…………分かっとるよ。水月はそんなことしてくれへん。ただの妄想や、せやけど本気やで。俺かて水月と離れたない、死にたない、一生一緒にラブラブSMして老衰しぃたいわ。それが出来へんのやったら水月に殺して欲しいねん。俺に飽きたやとか、愛想尽きたやとか、なんか……付き合ってられへんくなるんやったら、水月の関心が薄れる前に水月にトドメ刺して欲しい。最後にとびきりのプレイしぃたいねん」

「……そっか。俺から飽きることはないよ、絶対。大丈夫だリュウ、お前は一生俺のモノ。ずっと大切に弄んで、壊さないよう慎重に虐めてやるよ」

「水月ぃ……へへっ。好っきゃで水月ぃ、だーい好き。好き……好きぃ……」

リュウは席を立ってわざわざ俺に抱きつきに来た。蕩けた声でうわ言のように愛を呟く彼の背に腕を回し、後頭部を軽く撫でる。

「は、ぁあっ……水月ぃ」

「頭撫でただけで感じるなよ」

「みしゅきぃ……」

「ったく。こっち向け、ほら、こっち」

リュウの顎を掴んでキスしやすい位置に身勝手に彼の頭を動かし、唇を重ねる。片手で頭を抱いて逃がさないよう捕らえたら、もう片方の手でリュウの腰をトントンと叩く。叩く度にリュウは甘い吐息を漏らし、俺と絡めた舌を震わせ、一際強く叩いてやった際には全身を大きく跳ねさせた。

「んっ、ぐぅっ……! ふっ……ふ、ぅ……水月、水月ぃ……」

「……ん?」

「………………紅葉はんすいません、トイレってどこにあるんでしたっけ」

「……出て、右だよ」

「おおきに……」

よろよろと広間を出ていったリュウと入れ替わりでミフユが戻ってきた。

「……天正一年生はどうしたのだ? 体調が悪そうに見えたが」

ちょっと深めのキスをしていたら絶頂させてしまったみたいです、と即座に答えられるほどの胆力は俺にはなく、咄嗟に出たのはヘヘッという情けない愛想笑いだけだった。
感想 563

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!