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超絶美形の橋渡し
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ライブ会場を後にした俺達は少し遅めの昼食のため駅前のファーストフード店に入った。
「三種のチーズバーガーセット、ポテトとジュースはLサイズで。ジュースは……ん~、レモンソーダ。あと~、真四角チョコパイ。以上で!」
「……随分頼むな」
「ライブ終わったからもうダイエットも終わり! 次のライブ決まるまではある程度好きな物食べるよ~」
常にサラダしか食べていないような子ではなかったのか……簡単に折れてしまいそうな足もファッションには合っていて魅力的だったが、やはり肉感をそそる身体の方が手を出しやすい。少し太って欲しいな。
「あー……フィッシュバーガーセットで。ポテトとジュースはSサイズ。ジュースは……ぁー……ジンジャーエール」
「みっつん控えめだね」
「そうか? 席どこにする?」
「ん~……あそこ!」
窓際の席に座り、出来たてのバーガーとポテトを楽しみながら、ライブの感想を幸せそうに語るハルを眺めて幸せになる。
「も~超可愛かったぁ! カミア最高ぉ~! 両手で手握ってくれてぇ……もう、俺一生手洗わない! あ、そうだみっつん、サインしてもらった? 俺はしてもらったぁ~! 見て見て初春くんへって書いてある~! 家宝~!」
「サインしてもらったよ、ほら」
「や~ん俺の名前二回もカミアが書いてくれた~! ちょっとズルいことしちゃったなぁ~」
CDを返し、二つのサインを眺めるハルを眺めて楽しむ。カミアは確かに可愛かったけれど、やはり俺には遠くのアイドルより近くの彼氏だな。
「そういえばみっつんカミアナンパするとかイカれたこと言ってたけど、どうだった?」
「イカれたって……まぁ、うん……ナンパはダメだったよ」
「あっはは! だよね~」
カンナのために彼と連絡を取り合えるようにしたかっただけで、カミアを口説くつもりはない。現役アイドルだし可愛いし、そりゃ口説けるものなら口説きたい。でも流石に芸能人は無理だろう。
「……ごめん、ちょっとトイレ」
「いってら~」
個室に入り、ズボンを下ろすことなく便座に腰を下ろす。友達が増えたよというメッセージアプリの通知をタップし、ごくりと喉を鳴らした。
「カミア……! マジか……」
アイコンはウサギのイラスト、奇しくもぷぅ太の写真を使っているカンナとアイコンがよく似ている。流石は双子と言うべきだろうか。
(えーっと、カンナたそのアカウントを教えればいいんでしょうか……っと、そういやカンナたその写真送るから信用しろとか言いましたなわたくし)
写真フォルダを漁り、カンナの写真がヌードのものばかりなのに焦りを覚える。数年ぶりに見る弟の写真が全裸のものなんて、それも男に撮られたものだなんて、アイドル活動どころか日常生活に支障をきたすのではないだろうか。
「…………あった!」
服を着ている写真を見つけた。ホッと胸を撫で下ろして送信すると、すぐに返信があった。
『これ本当にカンナですか?』
『もう少し顔が見えているものないんですか?』
疑われているようだ。カンナの写真なのにと悔しく思いつつも、そりゃ鼻と口しか見えていないメカクレヘアじゃ数年間写真すら見ていない兄弟かどうか分からないよなと納得もする。
『こういう髪型なんだよ』
『カンナのアカウント教えるから』
カンナのアカウントIDをコピペし、送信。カンナにもカミアにアカウントを教えたというメッセージを送ったが、今はスマホの近くに居ないのか既読すらつかなかった。
あまり長くトイレに篭っている訳にもいかないので、ひとまずハルの元へ戻った。
昼食の後、また電車に揺られてハルの家へ。
「サイン入りCD飾るとこもう決めてあるんだ~、グッズ予定より買っちゃったからまた飾り方考えないとかな~」
「……このぬいぐるみ結構似てるんだな」
「ね~! 実物の方が可愛かったけど!」
趣味の物を庭に埋めた俺からすればカミアのグッズが散見されるハルの部屋はとても羨ましい。しかし、中学時代のトラウマからなのか自分の趣味を晒す気にはとてもなれない。
「……じゃあ、俺そろそろ帰るよ」
「うん! ほんっとありがとね~? ライブも昨日も楽しかった、今度はみっつんの家泊まってみたいな~」
「俺はいつでもいいよ」
「マジぃ? えへへ、じゃあ母さんに相談しとく。ばいばーい!」
ハルとはまだピュアな付き合いを続けていくつもりだし、明日は月曜日だ。まだ夕方にもなっていないけれど、筋トレもあるし早めに帰ることにした。
「お……? 電話?」
自宅最寄り駅で降りたちょうどその時、電話がかかってきた。ホームのベンチに腰を下ろしてスマホを取り出すと、ホーム画面にはカンナの名前が表示されていた。
「もしもし、カンナ? どうしたんだ?」
『もしもし、みぃくんっ……? カミア、カミアからっ……メッセージ来たっ』
「本当か? よかった……信用してくれたんだな」
渡したバーコードを素直に読み込んでくれたり、送ったIDをすぐに踏んでくれたり、現役アイドルにしては不用心な気もする。
『二度と、話せな、と……思ってたっ……みぃくんっ、ありがと! 本当にっ、ありがとう!』
「……どういたしまして。カミアの握手会に行くなんて、ハルが居なきゃありえなかったからさ、功績の半分くらいはハルのもんだぞ」
『うんっ、げつ、よ……お礼、言う』
突然礼だけ言われて戸惑うハルの顔が今から楽しみだ。
「……本当によかったな。兄弟仲良くな」
『うんっ、うん……あり、がと……みぃくんっ、みーくん、だいすき……!』
今になって思えば、倍率の高い抽選にハルと二人で受かったのはカンナとカミアの橋渡しになるための必然だったのかもしれないな……と運命論に目覚めてみた。
「三種のチーズバーガーセット、ポテトとジュースはLサイズで。ジュースは……ん~、レモンソーダ。あと~、真四角チョコパイ。以上で!」
「……随分頼むな」
「ライブ終わったからもうダイエットも終わり! 次のライブ決まるまではある程度好きな物食べるよ~」
常にサラダしか食べていないような子ではなかったのか……簡単に折れてしまいそうな足もファッションには合っていて魅力的だったが、やはり肉感をそそる身体の方が手を出しやすい。少し太って欲しいな。
「あー……フィッシュバーガーセットで。ポテトとジュースはSサイズ。ジュースは……ぁー……ジンジャーエール」
「みっつん控えめだね」
「そうか? 席どこにする?」
「ん~……あそこ!」
窓際の席に座り、出来たてのバーガーとポテトを楽しみながら、ライブの感想を幸せそうに語るハルを眺めて幸せになる。
「も~超可愛かったぁ! カミア最高ぉ~! 両手で手握ってくれてぇ……もう、俺一生手洗わない! あ、そうだみっつん、サインしてもらった? 俺はしてもらったぁ~! 見て見て初春くんへって書いてある~! 家宝~!」
「サインしてもらったよ、ほら」
「や~ん俺の名前二回もカミアが書いてくれた~! ちょっとズルいことしちゃったなぁ~」
CDを返し、二つのサインを眺めるハルを眺めて楽しむ。カミアは確かに可愛かったけれど、やはり俺には遠くのアイドルより近くの彼氏だな。
「そういえばみっつんカミアナンパするとかイカれたこと言ってたけど、どうだった?」
「イカれたって……まぁ、うん……ナンパはダメだったよ」
「あっはは! だよね~」
カンナのために彼と連絡を取り合えるようにしたかっただけで、カミアを口説くつもりはない。現役アイドルだし可愛いし、そりゃ口説けるものなら口説きたい。でも流石に芸能人は無理だろう。
「……ごめん、ちょっとトイレ」
「いってら~」
個室に入り、ズボンを下ろすことなく便座に腰を下ろす。友達が増えたよというメッセージアプリの通知をタップし、ごくりと喉を鳴らした。
「カミア……! マジか……」
アイコンはウサギのイラスト、奇しくもぷぅ太の写真を使っているカンナとアイコンがよく似ている。流石は双子と言うべきだろうか。
(えーっと、カンナたそのアカウントを教えればいいんでしょうか……っと、そういやカンナたその写真送るから信用しろとか言いましたなわたくし)
写真フォルダを漁り、カンナの写真がヌードのものばかりなのに焦りを覚える。数年ぶりに見る弟の写真が全裸のものなんて、それも男に撮られたものだなんて、アイドル活動どころか日常生活に支障をきたすのではないだろうか。
「…………あった!」
服を着ている写真を見つけた。ホッと胸を撫で下ろして送信すると、すぐに返信があった。
『これ本当にカンナですか?』
『もう少し顔が見えているものないんですか?』
疑われているようだ。カンナの写真なのにと悔しく思いつつも、そりゃ鼻と口しか見えていないメカクレヘアじゃ数年間写真すら見ていない兄弟かどうか分からないよなと納得もする。
『こういう髪型なんだよ』
『カンナのアカウント教えるから』
カンナのアカウントIDをコピペし、送信。カンナにもカミアにアカウントを教えたというメッセージを送ったが、今はスマホの近くに居ないのか既読すらつかなかった。
あまり長くトイレに篭っている訳にもいかないので、ひとまずハルの元へ戻った。
昼食の後、また電車に揺られてハルの家へ。
「サイン入りCD飾るとこもう決めてあるんだ~、グッズ予定より買っちゃったからまた飾り方考えないとかな~」
「……このぬいぐるみ結構似てるんだな」
「ね~! 実物の方が可愛かったけど!」
趣味の物を庭に埋めた俺からすればカミアのグッズが散見されるハルの部屋はとても羨ましい。しかし、中学時代のトラウマからなのか自分の趣味を晒す気にはとてもなれない。
「……じゃあ、俺そろそろ帰るよ」
「うん! ほんっとありがとね~? ライブも昨日も楽しかった、今度はみっつんの家泊まってみたいな~」
「俺はいつでもいいよ」
「マジぃ? えへへ、じゃあ母さんに相談しとく。ばいばーい!」
ハルとはまだピュアな付き合いを続けていくつもりだし、明日は月曜日だ。まだ夕方にもなっていないけれど、筋トレもあるし早めに帰ることにした。
「お……? 電話?」
自宅最寄り駅で降りたちょうどその時、電話がかかってきた。ホームのベンチに腰を下ろしてスマホを取り出すと、ホーム画面にはカンナの名前が表示されていた。
「もしもし、カンナ? どうしたんだ?」
『もしもし、みぃくんっ……? カミア、カミアからっ……メッセージ来たっ』
「本当か? よかった……信用してくれたんだな」
渡したバーコードを素直に読み込んでくれたり、送ったIDをすぐに踏んでくれたり、現役アイドルにしては不用心な気もする。
『二度と、話せな、と……思ってたっ……みぃくんっ、ありがと! 本当にっ、ありがとう!』
「……どういたしまして。カミアの握手会に行くなんて、ハルが居なきゃありえなかったからさ、功績の半分くらいはハルのもんだぞ」
『うんっ、げつ、よ……お礼、言う』
突然礼だけ言われて戸惑うハルの顔が今から楽しみだ。
「……本当によかったな。兄弟仲良くな」
『うんっ、うん……あり、がと……みぃくんっ、みーくん、だいすき……!』
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