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買い出しだョ
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全員集合! だな、壮観だ。人気アイドルで他の彼氏達にも俺の彼氏になったことは言えていないカミアはこの先も俺とカンナ以外に会うことはないだろうから、この六人が今集められる彼氏全員だ。
(六人……六人ですか、我ながら恐ろしいですな)
ダイニングにあるテーブルには四脚の椅子がセットになっている。二人暮らしの家としてはそれもおかしいのだが、当然六人の彼氏プラス俺の七人ではキャパオーバーだ。
「じゃあ改めて……俺は歌見 七夜、本屋でバイトしてる大学生だ。歳は十九、今年の七月で二十歳になる。趣味は筋トレと漫画、よろしくな」
「先輩、包帯取れたんですね」
「ん? あぁ、もう治った。昨日からバイクでの配達も俺の仕事に戻ったぞ。そうだ、配達はずっと木芽に代わってもらってたな、ありがとう」
「……自分バイク乗れるん? 免許取れたん? 確か十六からやったやんアレ」
笑顔で「どういたしましてっす」とでも言おうとしていただろうに、リュウに年齢を指摘されたレイは目を見開き、光のない虚ろな瞳で歌見を睨んだ。
「私、中学の頃バイクで通学してましたよ?」
「無免許やろがい。このめんを自分みたいな犯罪者と一緒にすんなや。仕事やったらちゃんと免許確認されるわ」
「あー……早生まれなんすよ、俺」
「そーなん。ほな自分のが先輩やん」
「そうっすねー……でも、まぁ……せんぱいの彼氏歴では俺が後輩っす!」
二十三のくせにと思いつつも声には出さず、高校生の中にすっかり溶け込んでいるレイを信じられないものを見る目で見ている歌見を眺め、笑う。
「おま……ぃや、君は本屋で見かけたことがあるな」
「あ、はぁい。いっぺん本買いに行ったことありますわ、天正 竜潜いいます。よろしゅう」
「……鳥待 首夏です」
「ハルでーす。よろしくナナさん」
自己紹介の流れが進んで慌てたカンナは課題であるワークノートを持ち、裏表紙に書いた自分の名前を見せた。
「……何だ? 勉強教えて欲しいのか?」
「自己紹介してるんですよ、名前読んであげてください」
「あぁ、えっと、時雨……神無? って読むのか。カッコイイ名前だな」
「時雨は一度は憧れますよね~」
ワークノートを両手でぎゅっと抱きかかえたカンナは歌見が名前を読むとすぐに俺の後ろに隠れた。
「カンナ、先輩優しい人だから大丈夫だぞ」
「……その子、話せないのか?」
「声は出ますけど、苦手みたいです」
「お、今度こそおかんちゃうか」
玄関の方から物音がする。案外と繊細なのかリュウが一番に気が付いた。歌見の時と同じように、今回は歌見も加わって、ぞろぞろと出迎えに向かった。
「おかえりなさい」
「……た、ただいま」
七人バラバラの声に母は目を丸くした。
「いっぱい連れてきたわねー……新顔居るかしら? レイちゃんはよく来るわね、リュウくんとシュカくんも前に来て……あ、先輩ね、ナナくんだっけ。えっと……あ、君と君はじめましてね」
「はじめましておかーさん、ハルでーす」
「……ん、なっ…………です」
「明るいのと暗いのの可愛い系ね」
「暗いのって母さん……」
母が仕事帰りにスーパー買ってきたのだろう荷物を受け取り、キッチンに運ぶ。部屋着に着替えた母がダイニングへ来るまでに俺の彼氏達は勉強道具を片付けた。
「アンタ達ご飯食べてくの?」
「よろしいんですか?」
シュカがご飯というワードに反応して素早く振り返った。まるで犬だ。
「私は別にいいわよ、帰るか食べるか自分で決めなさい。今日は肉じゃがの予定だったんだけど……こんなに居ると煮込むの大変ね。鉄板出して肉でも焼く?」
「さんせー! 俺豚がいい!」
「肉言うたら牛やろ」
「ひつ、じ……おいし、よ?」
「もちろん八人で焼肉する準備なんてしてないから、買い出しはアンタ達で行ってきてね。好きなの買ってきなさい。とりあえず一万渡しておくから、超えた分は自腹でお願いね」
「ありがとーございますぅー! おかーさん太っ腹ぁ~。みっつん行こ行こっ」
母から受け取った札を財布に入れているとハルが腕に抱きついてきた。反対側の腕にはレイが抱きつき、鞄に入れていたのだろう財布を探して出遅れたカンナは立ち尽くしていた。
「親御さんに連絡入れなくていいのか?」
「あ、そだね。メッセ送っとく」
「もしもしおかん、今日飯いらんわ。ほな!」
「すいません、帰りが遅くなるので夜もお願いします。食事と入浴などを……はい、お願いします」
一人暮らしらしいレイは俺の腕に抱きついたまま、ハルとカンナはメッセージアプリで、リュウとシュカは電話をかけた。
「……歌見先輩、妹さんに電話はいいんですか?」
「あぁ、アイツなら腕が治った日に力づくで実家に届けた。一人暮らしを満喫中だ」
「へー……じゃあ家に行っても大丈夫なんですね?」
「……今までとは別の理由で隣近所から文句を言われそうだな」
メッセージを打ち終えたらしいハルに腕を引っ張られ、歩き出す。三度ぞろぞろと玄関へ向かい、順番待ちで靴を履く。
(赤ちゃんの泣き声の次は喘ぎ声か、逆だろ! なんてクレームがお隣さんから来るんですな。ふほほ……キスハメが最適解ですかな? 楽しみでそ~)
歌見の背中を見ながら肉欲にまみれた妄想をしつつ、彼氏六人と共に夕焼けに燃える街に繰り出した。
(六人……六人ですか、我ながら恐ろしいですな)
ダイニングにあるテーブルには四脚の椅子がセットになっている。二人暮らしの家としてはそれもおかしいのだが、当然六人の彼氏プラス俺の七人ではキャパオーバーだ。
「じゃあ改めて……俺は歌見 七夜、本屋でバイトしてる大学生だ。歳は十九、今年の七月で二十歳になる。趣味は筋トレと漫画、よろしくな」
「先輩、包帯取れたんですね」
「ん? あぁ、もう治った。昨日からバイクでの配達も俺の仕事に戻ったぞ。そうだ、配達はずっと木芽に代わってもらってたな、ありがとう」
「……自分バイク乗れるん? 免許取れたん? 確か十六からやったやんアレ」
笑顔で「どういたしましてっす」とでも言おうとしていただろうに、リュウに年齢を指摘されたレイは目を見開き、光のない虚ろな瞳で歌見を睨んだ。
「私、中学の頃バイクで通学してましたよ?」
「無免許やろがい。このめんを自分みたいな犯罪者と一緒にすんなや。仕事やったらちゃんと免許確認されるわ」
「あー……早生まれなんすよ、俺」
「そーなん。ほな自分のが先輩やん」
「そうっすねー……でも、まぁ……せんぱいの彼氏歴では俺が後輩っす!」
二十三のくせにと思いつつも声には出さず、高校生の中にすっかり溶け込んでいるレイを信じられないものを見る目で見ている歌見を眺め、笑う。
「おま……ぃや、君は本屋で見かけたことがあるな」
「あ、はぁい。いっぺん本買いに行ったことありますわ、天正 竜潜いいます。よろしゅう」
「……鳥待 首夏です」
「ハルでーす。よろしくナナさん」
自己紹介の流れが進んで慌てたカンナは課題であるワークノートを持ち、裏表紙に書いた自分の名前を見せた。
「……何だ? 勉強教えて欲しいのか?」
「自己紹介してるんですよ、名前読んであげてください」
「あぁ、えっと、時雨……神無? って読むのか。カッコイイ名前だな」
「時雨は一度は憧れますよね~」
ワークノートを両手でぎゅっと抱きかかえたカンナは歌見が名前を読むとすぐに俺の後ろに隠れた。
「カンナ、先輩優しい人だから大丈夫だぞ」
「……その子、話せないのか?」
「声は出ますけど、苦手みたいです」
「お、今度こそおかんちゃうか」
玄関の方から物音がする。案外と繊細なのかリュウが一番に気が付いた。歌見の時と同じように、今回は歌見も加わって、ぞろぞろと出迎えに向かった。
「おかえりなさい」
「……た、ただいま」
七人バラバラの声に母は目を丸くした。
「いっぱい連れてきたわねー……新顔居るかしら? レイちゃんはよく来るわね、リュウくんとシュカくんも前に来て……あ、先輩ね、ナナくんだっけ。えっと……あ、君と君はじめましてね」
「はじめましておかーさん、ハルでーす」
「……ん、なっ…………です」
「明るいのと暗いのの可愛い系ね」
「暗いのって母さん……」
母が仕事帰りにスーパー買ってきたのだろう荷物を受け取り、キッチンに運ぶ。部屋着に着替えた母がダイニングへ来るまでに俺の彼氏達は勉強道具を片付けた。
「アンタ達ご飯食べてくの?」
「よろしいんですか?」
シュカがご飯というワードに反応して素早く振り返った。まるで犬だ。
「私は別にいいわよ、帰るか食べるか自分で決めなさい。今日は肉じゃがの予定だったんだけど……こんなに居ると煮込むの大変ね。鉄板出して肉でも焼く?」
「さんせー! 俺豚がいい!」
「肉言うたら牛やろ」
「ひつ、じ……おいし、よ?」
「もちろん八人で焼肉する準備なんてしてないから、買い出しはアンタ達で行ってきてね。好きなの買ってきなさい。とりあえず一万渡しておくから、超えた分は自腹でお願いね」
「ありがとーございますぅー! おかーさん太っ腹ぁ~。みっつん行こ行こっ」
母から受け取った札を財布に入れているとハルが腕に抱きついてきた。反対側の腕にはレイが抱きつき、鞄に入れていたのだろう財布を探して出遅れたカンナは立ち尽くしていた。
「親御さんに連絡入れなくていいのか?」
「あ、そだね。メッセ送っとく」
「もしもしおかん、今日飯いらんわ。ほな!」
「すいません、帰りが遅くなるので夜もお願いします。食事と入浴などを……はい、お願いします」
一人暮らしらしいレイは俺の腕に抱きついたまま、ハルとカンナはメッセージアプリで、リュウとシュカは電話をかけた。
「……歌見先輩、妹さんに電話はいいんですか?」
「あぁ、アイツなら腕が治った日に力づくで実家に届けた。一人暮らしを満喫中だ」
「へー……じゃあ家に行っても大丈夫なんですね?」
「……今までとは別の理由で隣近所から文句を言われそうだな」
メッセージを打ち終えたらしいハルに腕を引っ張られ、歩き出す。三度ぞろぞろと玄関へ向かい、順番待ちで靴を履く。
(赤ちゃんの泣き声の次は喘ぎ声か、逆だろ! なんてクレームがお隣さんから来るんですな。ふほほ……キスハメが最適解ですかな? 楽しみでそ~)
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