冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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チャイムが響く中で

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怒らせた、いや、怒ったのなら殴りかかってくるだろうから、悲しませてしまったのだろう。その張本人にいきなり抱き締められても不愉快かと、まずは肩を抱いて様子を見た。

「…………チャイム鳴りましたよ」

「鳴ったな」

体育座りをしているシュカはメガネを額まで押し上げて目に腕を押し付けている。泣かせてしまったのだろうかと内心オロオロしていると、シュカは目を拭うような仕草をしてから顔を上げ、メガネを元の位置に戻した。

「……すいません、手間かけて」

「いいよ、そういうとこも可愛い」

「…………別にあなたと昼休みにヤれなくなって拗ねた訳じゃないです。枯れメガネ呼ばわりは普通にムカつくだけですし、時雨さんの方が可愛くて抱きたくなるってのは……まぁ、分かりますし」

「カンナを抱いていいのは俺だけだぞ」

「分かってますよ」

シュカはじろっと俺を睨み、呆れたように深いため息をついた。

「……あなたに責任はありません。自分の可愛げのなさに嫌気が差しただけです、ずっとそうですけど…………私だって、時雨さんみたいな可愛いセリフ言ってみたい……」

「……!? 是非言ってくれ! 今なら俺以外誰も聞いてないから! さぁ、かま~ん!」

「カモンって発音しないのムカつきますね……」

「かっわいっいせっりふ、かっわいっいせっりふっ」

今度は俺から目を逸らしながら「なんでこんなヤツ」とか言いながらため息をついた。またからかってしまったと反省して黙ると、シャツをくいっと引っ張られた。

「み、水月……」

「ん?」

「…………水月、いえ、みぃ……くん……を、その……見ていたら、腹がっ……ぁ、おなか、が……痛…………おなかがっ、ぎゅうって……なって、水月のちんぽが欲しく……ぁ、これ可愛くない…………えっと……」

耳まで真っ赤にしながら『可愛いセリフ』を考えていたシュカは再び顔を腕で隠してしまった。

「……そもそも私がみぃくんとかおなかとか言っても可愛くない……気持ち悪いだけでしたね」

「な、何言ってんだよ! めちゃくちゃ可愛かったよ……自分で似合わないって思いながらも無理して言ってる感が最高だった! 可愛いこと言いたいってもうそれ自体が可愛いんだよ、健気なんだよぉ! シュカ……最高っ!」

ボーイッシュ美少女がフリフリドレスを着せられる展開にも似た栄養素が得られた。普段の姿が一番だけれど、たまには似合わない何かに憧れる姿も見せて欲しいものなのだ。

「…………奇特な人」

「なぁシュカぁ、お腹ぎゅうってなってるのはホントなのか? 俺のが欲しいのはセリフの中だけでの話か?」

素直になれない自分に悩み、可愛く振る舞ってみたいと願うシュカの内面的な可愛らしさは俺の陰茎を屹立させるには十分過ぎた。

「授業サボってヤる気ですか? クラス委員長のくせに不良ですねぇ」

「言い訳は俺が考えるから……このままじゃ教室に戻れないよ」

「……私もです」

非効率にも関わらず俺達は互いのベルトを外し合った。膝立ちになって互いのスラックスを下ろしながら唇だけではむはむと噛み合って気分を高めた。

「ん……床硬いから騎乗位でいいよな?」

「……それじゃあなたが背中を痛めてしまいます」

「シュカが痛めないなら俺の身体はどうでもいいよ」

「あなたはいつもそう……よくないですよ、立ってしましょう」

俺を床に蹴り転がして跨ってきていた頃とは随分な違いだ。こういう変化がたまらなく愛おしい。

「そういえば水月、ローション持ってます?」

「……鞄になら。シュカは?」

「私も鞄に……二人とも教室ですか」

俺とシュカは互いの顔を数秒間見つめ合った。

「…………舐めていいか?」

「は?」

「シュカのお尻舐めていいか?」

短気とはいえ冷静な顔をしていることが多いからか、シュカの驚いた顔は幼く見えて可愛らしい。

「……直接ですか? 唾液だけ指に絡めたりしてローション代わりにすればいいじゃないですか」

「チャンスを逃したくないんだよ! シュカは一人で準備してばっかりだし、させてくれてもローション使わされるし……俺は直接舐めたいんだ」

「そんないいもんでもないと思いますけどね……別にいいですけど、それやったら私もうあなたとキスしませんよ」

自分の尻なのにと言ってしまいたいが、立場を置き換えて考えてみれば無遠慮に「キスもしたい」と喚く気は失せる。

「分かった。でもセックス終わった後にうがいとかしたらキスしていいよな?」

「……ちゃんと歯磨き粉使って歯磨きして、洗顔フォームとかで唇洗ってくれるならいいですよ」

「一回家帰らないと無理じゃん……うぅぅ、クソ……分かった、仕方ないな」

「そんなに舐めたいんですか?」

「美少年の身体は余さず舐め回したい」

シュカは首を傾げながらも立ち上がって俺を見下ろし、室内履きを脱いだ左足を俺の肩に乗せた。

「どうぞお舐めになってください」

「俺の舌はそんなに伸びないよ。踏まれるのはいい気分だけど」

「……あなた結構Mですよね。よくそれで天正さんの気持ちが分からないとか言えたもんですよ」

俺はたまに罵られたり踏まれたりしたいだけで、リュウは痛いのが好きなだけなのだから、MはMでも種類と深さが違う。

「俺はエンジョイ勢なんだよ。ほら、足下ろして……んー、後ろ向いてもらおうかな」

通常の立ちバックのように壁に手をついて尻を突き出してもらった。立ちバックと違うのは俺が膝立ちでいることくらいだ。

「はぁ……たまんないなぁこの引き締まった尻。リュウは水着パツパツしてたけど、シュカはお尻余裕あったんじゃないか?」

一目で鍛えていると分かる小ぶりな尻に頬擦りをし、軽く開かれた股の匂いを嗅ぎ、微かに残る塩素の匂いに夏を感じた。

「普通に着てましたよ……」

「本当か? もう勃たないように勃たないようにって意識して見てなかったからさぁ……改めて勃ってもいい環境で見たいなぁ」

「……放課後か休日にでも水着プレイしようとか、そういう話ですか?」

「いいなそれ、お風呂に水張ろうか。俺も水着着ようかな」

他の彼氏達に比べれば脂肪は少ないが、それでも尻なのでシュカの尻にも脂肪はある。プールの冷たさをまだ覚えているそこは頬を当てるとひんやりと冷たく、心地いい。

「いつまでもこうしてスリスリしてたいけど、そろそろ舐めるよ。ん、おいし……」

「……っ、う……この変態っ」

尻肉を掴んで割れ目を開き、後孔に舌を押し付ける。慣れた穴はちゅうっと俺の舌に吸い付いてきて、キスでもしているような気分にさせてくれた。
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