冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
620 / 2,351

穂張流のお詫び

しおりを挟む
しまった。サンはまだ初心者なのに、腹にでもかけてやろうと思っていたのに、快楽に耐え切れず口内射精をしてしまった。

「んっ、くぅ……」

サンは両手で口を押さえて嘔吐き、咳き込みながらも決して俺の精液を零さず、咳き込みが落ち込むと咀嚼し始めた。かと思えば──

「……ぅええ、まっず」

──手を受け皿として口からどろどろと精液と唾液が混じった白濁液を吐き出した。

「まっじいぃ……口洗いたい」

「ご、ごめん……我慢出来なくて出しちゃって。洗面所こっち。掴まって」

射精の余韻に浸る暇もない。サンを洗面所に案内し、彼がうがいと手洗いを済ませるのを隣で待った。

「ふぅ……さっき言ってたことだけどね、味見はしたかったから出すタイミングは結構よかったんだよね。あんまり不味くて吐いちゃったけど」

「そっか、ごめんね不味くて。チョコあるから口直しにどう?」

「くれる? ありがと」

母がちびちび食べている徳用チョコを一口サンに与えた。多分バレないだろう。

「ん……控えめな甘さと風味のバランスがいいね、いいチョコだ」

「口直しになった?」

「うん。すっきりしたし、アンタにもらったアイディア早く形にしたい。もう帰るよ」

俺はまだまだ満足出来ていないのだが、無理に付き合わせては嫌われてしまうかもしれない。サンはまだ正式に俺の彼氏になると言ってくれた訳ではないことを忘れず、機嫌を取らなければ。

「着てきた服着る? アレなら俺の服貸すけど……」

「帰ったらすぐ着替えるし、自分の着るよ」

落ちている服を拾って渡してやり、着替えるサンをじっと眺める。いくら勘がよくても視線には気付かないだろう、他の彼氏達は俺の視姦に照れてしまうから、時々空気になって彼氏を眺めたい俺としてはサンの盲目はある意味ありがたくも──

「……こっち見てる?」

──勘良過ぎない? 本当に見えてないの?

「えっ、な、なんで?」

「動いてる気配しなかったから」

「……美人が目の前で着替えてたら息を殺して見ちゃうじゃん!」

「ふぅん……? 見たいなら別にいくらでも見ていいから、気配消すのはやめて欲しいね。そこに居るって分かってても消えたみたいでなんか……うん、常にボクに居場所教えてて」

タイトなタートルネックからすぽんっと頭を出し、髪を後から服の中から引っ張り出す。

「つ、常に……?」

パン、パン、と手拍子を始めるとサンはくすくすと笑いながら両手を広げて俺の方に倒れ込んできた。

(おわっ……! かわゆいですが重たいんですからこれはキツいでそ!)

まだちゃんと服を着ていない俺の首に腕を回し、頬に頬を擦り付ける。挟まった髪がくしゃくしゃになっていく。サンがこれほど髪に無頓着なのに長く伸ばしてしかもこんなにも美しいということは、この髪は兄弟が育てたものなのかもしれない。

「アンタ天然ってヤツ? 可愛い。そういう意味じゃないって。さっきみたいに息も殺して気配消すのはやめてって話、普通にしてたら位置分かるから」

「そ、そっか……ごめん、なんか……」

「可愛かったし面白かったってば。それとね、アンタに見られるのは平気だからこっそりしなくていいよ。アンタはボクが綺麗だって見てるだけだろ? それならいい、むしろ見てて」

「……ありがとう。次からはちゃんと言うし、地球に対する月みたいな感じでサンを360度からぐるぐる眺める……」

「やっぱ可愛くて面白いねアンタ、次はアトリエに呼ぶつもりだから多少汚れるの覚悟してね」

油絵具を使うと言っていたな。洗いやすい服か安いジャージを着ていこうかな。

「あ、それと、ボクにメール送ってくれる時は出来ればひらがなで頼める? 自動読み上げ機能って意外とバカで音訓めちゃくちゃなんだよね。まぁ間違えられても分かるからいいっちゃいいんだけど、読み間違われちゃ雰囲気出ないよね? アンタはボクが好きなんだから、メールでも雰囲気出してくれるもんね」

「プレッシャーかけるなぁ……分かったよ」

ひらがなで文章を作る方が雰囲気が崩れると思うのだが、見えないからいいのか……俺側の雰囲気はどうしようもないな。

「悪いね、じゃあお願い。またね~」

「家の前に停まってるんだろ? 送ってくよ」

玄関に立て掛けてあった白杖を手に取り、サンは暴力的なまでの陽射しの下へ出ていく。家の前には真っ黒い高級車が停まっており、中ではヒトがノートパソコンを叩いていた。

「兄貴~」

サンは車を杖の頭でガンガン叩く。

「……っ!? それやめてくださいって前にも言いましたよねサンっ! 車に傷が……!」

慌てて降りてきたヒトはサンが叩いた位置を手で恐る恐るなぞっている。艶消しの黒色の美しい車体に傷は付いていたのだろうか?

「…………修理代、あなたの稼ぎから取りますからね」

「車代も八割ボクが出したじゃん」

「あなたが車を欲しがったんでしょう」

「ボクが欲しかったのは乗り心地が良くて遠出できる乗り物、半分以下の金で済んだところをアンタがこのクソダサ高い車を欲しがった」

「私が運転するのですから私の趣味に合わせていただいていいでしょう、見えてないくせにダサいとか言わないでいただきたい。それと、私は車を叩いたり蹴ったりぺたぺた触るのをやめて欲しいと言っているだけなんです、それくらい気を付けていただいてもいいでしょう?」

「水月! ダサいよねこの車」

「えっ」

正直な感想は「ヤクザが乗ってそう」なのだが、それは流石に言えない。

「い、いやぁ……カッコイイと思いますよ。威圧感あって」

「センスないね。フタ兄貴も言ってたよ、地味でダサいって」

「フタの理想はデコトラですよ?」

「別の嫌さがあるなぁ」

「もうお話は済んだのですか? なら乗ってください。帰りましょう……あ、鳴雷さん、こちらをお納めください。フタの件はどうかこれでお許しを……」

ヒトは俺に封筒を押し付け、サンを乗せるため後部座席の扉を開けた。

「え……こ、こんなの受け取れないです」

「足りませんか?」

「そ、そうじゃなくて……」

「物足りなければまた後日ご連絡ください。今日のところは失礼します。では」

「えっちょ、あっ」

サンが座ったのを確認するとヒトは後部座席の扉を閉め、さっさと運転席に戻ってしまった。住宅地に似合わない厳つい車が走り去り、俺の手元には封筒が残った。

(えぇぇ……これお金ですよな。今度会った時に返しますか……いやこれでチャラとしてシュカたまに何か……)

返すにしろ受け取るにしろ金額を確認しておくか……と封筒の中身を取り出す。中身は予想に反して紙幣ではなく一枚の写真だった。

「ひっ……!?」

椅子に縛られ目隠しをされ、血みどろになるまで殴られた痛々しい男が──フタという名らしいあの刺青男が写されていた。
しおりを挟む
感想 549

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

脱落モブ男が人気アイドルに愛されるわけがない

綿毛ぽぽ
BL
 アイドルを夢見るも、デビューできずオーディション番組に出演しても脱落ばかりの地味男、亀谷日翔はついに夢を諦めた。そしてひょんなことから事務所にあるカフェで働き始めると、かつて出演していた番組のデビューメンバーと再会する。テレビでも引っ張りだこで相変わらずビジュアルが強い二人は何故か俺に対して距離が近い。 ━━━━━━━━━━━ 現役人気アイドル×脱落モブ男 表紙はくま様からお借りしました https://www.pixiv.net/artworks/84182395

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。

竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。 男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。 家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。 前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。 前世の記憶チートで優秀なことも。 だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。 愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。

処理中です...