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楽しい服選び
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部屋着として使う予定の半袖半ズボンの服も、外出用に使う長袖長ズボンの服も、どちらもダボッとしたシルエットのものをセイカは選んだ。タイトな服は片手では着にくいらしい。
「なんか緩いのばっかにしちゃった……」
「着心地が一番だよ」
「全部結構オシャレな気するしな。お前の古今無双服に比べたら全部イイ」
古今無双Tシャツはシュカからの誕生日プレゼントだ、あまりからかわないで欲しい。俺もすごいセンスしてるなぁとは思ったから何も言わないけど。
「部屋着二セットと、外用三セット……これだけでいいか?」
「うん」
「帽子とかは?」
「いい」
「じゃあ靴下と下着だな。あっちの棚かなー……?」
車椅子を押していく。腕だけで方向転換させるのには思っていたよりも力を使う、今日は腕立て伏せの回数を減らしてもいいかもしれない。
「靴下は左右の概念がないのがいい、お前の二倍使えてお得」
義足をぷらぷらと揺らしながらの要望を聞き、二枚ともほぼ同じ形をした靴下をカゴに入れる。
「下着はどうする?」
「……鳴雷が、見たいやつ……脱がしたくなるやつ?」
「ンッ……! 死因、キュン死」
立ったまま目を閉じて俯き、雑な死んだフリをする。
「…………死因、後追い」
目を開けるとセイカは俺の真似をしていた。
「んふふっ……」
「生き返ったみたいだな」
「セイカもな」
「鳴雷が生き返りゃそりゃ生き返るだろ」
冗談抜きで、本当に、セイカは俺が死んだら後を追って死んでしまうんだろうな。
「ノってみたけどさ、まずなんで死んだんだ?」
「え? キュン死……ときめくと胸がキュンってするじゃん? アレで死んだ」
「……ときめくとこあった?」
「俺の見たい、脱がしやすい下着選んでとかもうっ……! もう! ンァア!」
「お前痩せない方がよかったと思う。バカっぽいヤツがテストの点悪くても印象変わらないけど、優等生っぽいヤツがテストの点悪かったら印象も悪くなる……ってのが起きてる」
キモオタデブスがキモいのは当然だが、超絶美形の奇行はドン引きされる。感覚的には理解出来る。
「……まぁ、その落差でふるい落としてくれた方が、お前に群がるの減るからいいけど」
「もう彼氏増やさないように気を付けるから……ぁ、でも、後一人だけ口説けそうな人が居てさ……いい?」
「…………俺に文句言う権利ないし」
目に見えて不機嫌になったセイカの膝に乗っているカゴに下着を入れた。
「鳴雷の趣味はこういうのなんだな」
黒や灰色のトランクス数枚を眺め、挑発的に俺を見上げる。
「Tバックとかジョックストラップとかも欲しいんだけど、ここには置いてないみたいなんだよなー……帰ったら通販で買うよ」
「な、何それ……なんか、えっちなヤツ?」
「脱がずにおせっせ出来るヤツぅ!」
「……鳴雷が言うなら何でも履くし、着るし、どんなプレイでもするけどさぁ」
俺への罪悪感や家に置いてもらっている恩返しに、なんて理由だけでないのならば、俺への愛情から俺に尽くしたがってくれているのなら、セイカが健康体になったら緊縛を交渉してみよう。
「そろそろレジ行こうか、他に要るものあるか?」
「ない……はず」
「よっし、行こう」
レジを通して袋に詰めてもらった衣類を車椅子の持ち手に下げる。
「話戻すけど、どんなプレイでもいいんだな?」
「うん……」
「償いとか、恩返しとかじゃなくて、俺が好きだから俺の好きなことしてやりたいって思ってくれてるんだよな?」
「……うん、鳴雷……好き。償いたいし、恩返しもしたいけど、一番はやっぱり……鳴雷が好きだから、鳴雷に喜んで欲しいんだと思う」
「ありがとう。覚悟しとけよ? 俺は結構変態だぞ」
乳首はもちろん尿道も開発してやろう、ゼリー排泄を後孔だけでなく尿道からもしてもらおう。コスプレもたくさんしてもらおう。イメプも頼もう。それから、それから……
「あんまりハードル上げるなよ、拍子抜けしちゃったら気まずいだろ」
「絶句させてみせるよ」
「そんなにヤバい変態プレイなんか出来ないだろ? お前優しいんだからさぁ。殴ったり首絞めたりで悦ぶタイプじゃないじゃん」
「そんなことしないよ!?」
「ほら見ろ」
首絞めは上手くやればとても気持ちいいと聞くし、口を塞いだり喉を腕で軽く圧迫する程度なら経験もある。しかし、叩くならSMで済んでも殴ったらアウトだろう。
「なんでそんなバイオレンスな基準………………されたのか? 売春させられたって話してくれたよなっ、まさかその相手にそんなことされたのか!?」
「え……? う、うん……」
「……っ!」
「な、何? そういうもんじゃないの? 鳴雷は優しいから優しくしてくれるだけで……俺買ったヤツの半分以上は俺殴ったりしたけど」
買春親父共への怨嗟を呟いたってどうにもならない。俺は全ての負の感情を抑え込み、無言で車椅子の前に回り、セイカを抱き締めた。
「……俺を、俺を、基本にしてくれ。セックスがどういうものかなんて、普通の感覚なんてセイカには要らない……俺だ、俺が、基本。セイカの…………セイカ、ごめんな? 俺……浮気者のくせに独占欲強いんだ、束縛もかなりすると思う……セイカ、セイカの全部が……俺だといいなぁ」
「…………そんなふうに言わなくても、俺は鳴雷のだよ」
アキと仲がいいことにすら腹が立つ時があると言ったらセイカはどんな反応をするだろう?
「他の彼氏にはここまで独占欲湧かないのに……」
どうしてセイカだけ、と自分でも疑問に思っていることが思わず口に出た。
「…………ごめん、今のはその、言うつもりなくて……忘れてくれ」
身体を起こそうとするとセイカにシャツをきゅっと掴まれた。意図していないだろう上目遣いに仕留められ、場所を忘れて唇を重ねた。
「なんか緩いのばっかにしちゃった……」
「着心地が一番だよ」
「全部結構オシャレな気するしな。お前の古今無双服に比べたら全部イイ」
古今無双Tシャツはシュカからの誕生日プレゼントだ、あまりからかわないで欲しい。俺もすごいセンスしてるなぁとは思ったから何も言わないけど。
「部屋着二セットと、外用三セット……これだけでいいか?」
「うん」
「帽子とかは?」
「いい」
「じゃあ靴下と下着だな。あっちの棚かなー……?」
車椅子を押していく。腕だけで方向転換させるのには思っていたよりも力を使う、今日は腕立て伏せの回数を減らしてもいいかもしれない。
「靴下は左右の概念がないのがいい、お前の二倍使えてお得」
義足をぷらぷらと揺らしながらの要望を聞き、二枚ともほぼ同じ形をした靴下をカゴに入れる。
「下着はどうする?」
「……鳴雷が、見たいやつ……脱がしたくなるやつ?」
「ンッ……! 死因、キュン死」
立ったまま目を閉じて俯き、雑な死んだフリをする。
「…………死因、後追い」
目を開けるとセイカは俺の真似をしていた。
「んふふっ……」
「生き返ったみたいだな」
「セイカもな」
「鳴雷が生き返りゃそりゃ生き返るだろ」
冗談抜きで、本当に、セイカは俺が死んだら後を追って死んでしまうんだろうな。
「ノってみたけどさ、まずなんで死んだんだ?」
「え? キュン死……ときめくと胸がキュンってするじゃん? アレで死んだ」
「……ときめくとこあった?」
「俺の見たい、脱がしやすい下着選んでとかもうっ……! もう! ンァア!」
「お前痩せない方がよかったと思う。バカっぽいヤツがテストの点悪くても印象変わらないけど、優等生っぽいヤツがテストの点悪かったら印象も悪くなる……ってのが起きてる」
キモオタデブスがキモいのは当然だが、超絶美形の奇行はドン引きされる。感覚的には理解出来る。
「……まぁ、その落差でふるい落としてくれた方が、お前に群がるの減るからいいけど」
「もう彼氏増やさないように気を付けるから……ぁ、でも、後一人だけ口説けそうな人が居てさ……いい?」
「…………俺に文句言う権利ないし」
目に見えて不機嫌になったセイカの膝に乗っているカゴに下着を入れた。
「鳴雷の趣味はこういうのなんだな」
黒や灰色のトランクス数枚を眺め、挑発的に俺を見上げる。
「Tバックとかジョックストラップとかも欲しいんだけど、ここには置いてないみたいなんだよなー……帰ったら通販で買うよ」
「な、何それ……なんか、えっちなヤツ?」
「脱がずにおせっせ出来るヤツぅ!」
「……鳴雷が言うなら何でも履くし、着るし、どんなプレイでもするけどさぁ」
俺への罪悪感や家に置いてもらっている恩返しに、なんて理由だけでないのならば、俺への愛情から俺に尽くしたがってくれているのなら、セイカが健康体になったら緊縛を交渉してみよう。
「そろそろレジ行こうか、他に要るものあるか?」
「ない……はず」
「よっし、行こう」
レジを通して袋に詰めてもらった衣類を車椅子の持ち手に下げる。
「話戻すけど、どんなプレイでもいいんだな?」
「うん……」
「償いとか、恩返しとかじゃなくて、俺が好きだから俺の好きなことしてやりたいって思ってくれてるんだよな?」
「……うん、鳴雷……好き。償いたいし、恩返しもしたいけど、一番はやっぱり……鳴雷が好きだから、鳴雷に喜んで欲しいんだと思う」
「ありがとう。覚悟しとけよ? 俺は結構変態だぞ」
乳首はもちろん尿道も開発してやろう、ゼリー排泄を後孔だけでなく尿道からもしてもらおう。コスプレもたくさんしてもらおう。イメプも頼もう。それから、それから……
「あんまりハードル上げるなよ、拍子抜けしちゃったら気まずいだろ」
「絶句させてみせるよ」
「そんなにヤバい変態プレイなんか出来ないだろ? お前優しいんだからさぁ。殴ったり首絞めたりで悦ぶタイプじゃないじゃん」
「そんなことしないよ!?」
「ほら見ろ」
首絞めは上手くやればとても気持ちいいと聞くし、口を塞いだり喉を腕で軽く圧迫する程度なら経験もある。しかし、叩くならSMで済んでも殴ったらアウトだろう。
「なんでそんなバイオレンスな基準………………されたのか? 売春させられたって話してくれたよなっ、まさかその相手にそんなことされたのか!?」
「え……? う、うん……」
「……っ!」
「な、何? そういうもんじゃないの? 鳴雷は優しいから優しくしてくれるだけで……俺買ったヤツの半分以上は俺殴ったりしたけど」
買春親父共への怨嗟を呟いたってどうにもならない。俺は全ての負の感情を抑え込み、無言で車椅子の前に回り、セイカを抱き締めた。
「……俺を、俺を、基本にしてくれ。セックスがどういうものかなんて、普通の感覚なんてセイカには要らない……俺だ、俺が、基本。セイカの…………セイカ、ごめんな? 俺……浮気者のくせに独占欲強いんだ、束縛もかなりすると思う……セイカ、セイカの全部が……俺だといいなぁ」
「…………そんなふうに言わなくても、俺は鳴雷のだよ」
アキと仲がいいことにすら腹が立つ時があると言ったらセイカはどんな反応をするだろう?
「他の彼氏にはここまで独占欲湧かないのに……」
どうしてセイカだけ、と自分でも疑問に思っていることが思わず口に出た。
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