冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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優しくしてね

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ファスナーを下ろし、下着をズラす。半勃ちとも呼べない、あえて言うなら二分勃ち程度のハルの陰茎に上を向かせて布という防具兼拘束具から解放してやった。

「……っ、うぅ……!」

社内での性器露出はハルにとっては今までにないインモラルな行為だろう。顔が真っ赤だ。

「ふにふに……でも硬くなり始めてるな。何で興奮した? 太腿撫でられて? 初体験の話されて? それとも……車の中で露出させられて?」

ハルはぎゅっと口を結んだまま声すら発さない。

「少し大きくなってきたな……もしかして興奮してるのか? 運転手さんに見られるかもって? 俺達をネザメ坊ちゃんのいい友人として快く別荘まで運んでくれるあの人は……車内で露出して興奮してるハルを見たらなんて思うんだろうな」

「……っ、い、意地悪言わないでよっ、俺……そういうのヤダ!」

陰茎を緩く扱いていた俺の手を払い、ハルは下着の位置を戻してホットパンツのファスナーを上げてしまった。

「ハ、ハル……」

そっぽを向かれてしまった。失敗だ、いいシチュエーションだったからって言葉責めをするなんて……ハルは別にMでも露出魔でもないのに。

「ごめんな、ハル……しばらく俺の顔も見たくないか? ちょっと離れておくから……」

三列目のシートの数は三つ。俺は真ん中に座っていた。端に寄ればハルとの隙間がシート一つ分出来上がる。そう考えてシートベルトを外そうとすると、ハルに手を掴まれた。彼はこちらを向いて静かに首を横に振っている。

「…………ありがとう。あんなこと言っちゃった俺を許してくれるのか?」

「別に……そんな、許すとかじゃないよ。ああいうの好きなヤツも居るんでしょ、りゅーとか? まぁ意地悪言われてキュンとしちゃう気持ちは分からなくもないけど~……俺が好きなのは、りゅーの期待に応えるために意地悪考えるのに必死になってるみっつん。いつも一生懸命で、優しくて、俺に興奮してるくせに頑張って我慢して、辛くなったら俺に甘える、可愛いみっつんが好き」

「……そっか。ごめんな、他の子用のつい使っちゃって」

「ううん、俺がこういうの積極的にしてなかったから俺用のしっかりしてないんだよね? りゅーのんとかすっごいガッチリしてるもんね~……羨ましい」

「いやアイツは趣味が特殊だから対応しっかりしてるだけだぞ、ガッチリしてるのなんかアイツくらいだ」

「そうなの? ふーん……あのね、俺ね、意地悪なのはヤダ。乙ゲーとかでも俺様系より優男系攻略しちゃうタイプなんだ、俺。優しくして欲しいな……」

脳内メモにしっかりとハルの好みを記しながら頷く。

「っていうかさ、俺様系幼馴染とかに俺の女感出されまくった後に、優しい同級生とかに会ったらそっちにコロッと行っちゃうの当たり前じゃない? 姉ちゃん達には乙女心分かってないとか言われたけどさ~」

「乙女心は俺全く分からないからなぁ、ハルが分かってるかなんて判断つかないよ……っていうかハル、乙女ゲームやるんだな」

「姉ちゃんが持っててさ~、何個か一緒にやったんだ~」

ならハルとのデートや接し方は乙女ゲームを参考にした方がいいのかな。しかし、あの三人の姉と並んでゲームをしているハルを想像すると美人四姉妹という言葉が浮かんでしまうな。

「えっちなのはなくてさ~……こっそり持ってたのかもしんないけど~……」

「まぁ、そりゃ隠すよな。エロ系の趣味のは家族には知られたくないだろ」

母に漫画のちょいエロ胸きゅんシーンについて熱弁する俺や、俺にマグロ女は嫌いだと愚痴る母が異常なのだ。

「だからぁ~……みっつんが教えてね?」

きゅっと俺の手を握ったハルは恐る恐る俺の手を引っ張って太腿に乗せ、再びホットパンツのファスナーを下ろすと俺の手を下着の中に導いた。

「……恥ずかしいから、出しちゃヤダ。このまま中で……お願い」

吐息だけで紡いだような微かな声。震える指で触れた陰茎の感触に、ゴクリと生唾を飲んだ。キスがしたい、でもバックミラーで見られた時に不審がられないよう、前列のシートに隠れない肩から上辺りはあまり動かせない。見つめ合うのが関の山だ。

「水月……」

普段の妙なあだ名でも、明るい声色でもなく、淑やかに俺の名を呼んだ。

「……っ、ん……」

柔らかさの残る陰茎を優しく掴み、軽く揉む。半勃ちと呼べるまでになったら扱き始める。

「ふっ……ぅ、ん……んんっ……」

ハルは前の席に額をくっつけるようにして身体を丸めた。覗き込むと蕩けた赤い顔があり、これは運転手に見せる訳にはいかないなとハルの判断を心の中で評価した。

「……ハル」

酔ってしまったハルを介抱している、そんな演技をしつつもう片方の手もハルの足の間へ向かわせた。下着の中に両手とも入れるとウエストゴムが伸びてしまいそうなので、ホットパンツと下着の隙間に手をねじ込んで下着越しに陰嚢を揉み、会陰を押した。

「……っ!? ぅ、うぅぅっ……み、つきぃっ……」

「気持ちいい?」

見上げたハルの瞳には涙が溜まっており、キラキラと光を反射して美しく輝いた。

「きも、ちぃっ……イっちゃう、もぉ出ちゃうぅ……!」

俺は咄嗟に身体を折り曲げてハルの股ぐらに頭を押し込み、陰茎を扱いていた手で下着をズラして亀頭を咥え、放たれた精液を口で受け止めた。

(……見えてませんよな? 思いっきりシートの影ですし)

味わいたかったがすぐに飲み干し、口周りを拭ってから顔を上げた。落とした物を拾ったとか、その程度の動きに見せられたはずだ。

「みつきぃ……」

運転手の目ばかり気にしていてはいけない。ハッとしてハルの方を向く。

「……すっごくよかった。ちょっと休憩させてね」

疲れたような、満足そうな、そんな微笑み。手コキをしながらちょっと陰嚢と会陰をマッサージしてやっただけで、この反応……セックスをする体力はあるのだろうか。
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