冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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鍋を食べる前に

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鍋の材料を買い、リュウの家に戻った。リュウの両親は襖を外して和室を二つ繋げて広い部屋にし、親戚が集まる時に使うという机や座布団などの準備をしてくれた。

「年に一回使うかどうかっちゅうもんやけど、ヒビは入っとらんし……まぁいけるやろ。これ使い」

「ありがとうございます」

リュウの祖父は土鍋を三つ出してくれた。十人で一つの鍋を囲むのは厳しいと思っていたが、ちゃんと考えがあったようで一安心だ。

「…………あの?」

リュウの祖父はじぃっと俺を見つめている。まさかサキヒコが見つかったのか? と身構える。

「セン、ちょっと」

「ん? 何ぃ、じーじぃ。ヒレ酒やったら自分で作ってや」

「ちゃう。あの子……来た時はただ神さんに気に入られたんか思とったけど、加護の減りが早過ぎるわ。なんか憑かれとるんちゃうか」

「えぇ……? ゃ、ないと思うで。人多いとこ行ったからちゃうか? 影響受けやすいタチってだけや思うで」

「…………せやったらええけど」

リュウと二、三言葉を交わし、彼の祖父は座椅子の元へ戻って行った。

「だ、大丈夫……だよな? サキヒコくん祓われないよな?」

「しー…………まぁ、ぽんと祓ってまうような力はないから、祓われそうなったらサキヒコくんには逃げてもろたらええ思うけど」

緊張感のある夜になりそうだ。

「……水月、ちょお俺ん部屋来てくれる?」

「え、いや、晩飯の準備手伝わないと……」

「ええから来てぇな」

真剣な眼差しに俺は観光に出発する前にリュウにディルドを仕込んだことを思い返し、あの件かと内心ほくそ笑んだ。食材を切り、鍋が煮えるまでにはそこそこ時間がある。一発くらいなら出来るかもしれない。

「あぁ、分かったから引っ張るなよ」

リュウに手を引かれて歩きながら、俺は血が下半身へ集まっていくのを感じた。リュウは観光に出発する前に俺達が致した、俺達の荷物が置いてある部屋ではなく、別の空き部屋へ俺を通した。

「空き部屋多いなぁこの家」

「昔は使とったらしいけど、今はもう親戚の集まりん時に雑魚寝するだけの部屋やね」

ふぅんと生返事をする俺の前でリュウは押し入れを開け、四つん這いになって中を探った。中は埃っぽいようで咳き込みが何度か聞こえたが、俺の目はふりふりと揺れるリュウの尻に釘付けで、彼に気遣いの言葉をかける余裕などなかった。

「けほ、けほっ……ぅー、埃っぽいわぁ……この辺にあった思うんやけど……どこ行ったんやろ…………ひゃんっ!?」

薄いデニムに微かに浮かんだディルドの影。それをぐっと押し込むと甲高い声が押し入れの中で響いた。ディルドは確かジョックストラップを逆にしたようなベルトで固定していたはずだ、アレを外さなければ抜くことは出来ない。今の俺に出来る遊びはディルドを押したり、小突いて振動を与えたりすることだけ……いや、もう一つある。

「な、何すん……んゃんっ!」

パン! と尻を叩いてやった。薄手とはいえデニムを履いているから少し強めに叩いた。痛くはなかっただろうかと気になって押し入れを覗き込んだ。

「はぁ……はぁ……何すんのぉ」

押し入れから出てきたリュウは真っ赤な顔をしていた。その手には裁縫箱らしき物と布がある。

「尻揺れてたから誘ってんのかと思って」

「えぇ? へへっ……せやなぁ、入れっぱなしでみんなと一緒に晩飯なんか食われへんもん……」

「……別に用事あったみたいだな、縫い物するのか? 俺そこそこ出来るぞ、手芸」

「ほな手伝ってもらおかなぁ」

なんて言いながらリュウは布を二つ折りにし、全長三十センチほどの人型に切った。

「これ縫い合わせて」

「おぉ……何縫い? 巻きかがり? 縁かがり?」

「一番はよ出来るんで頼むわ」

「じゃあ並縫いでやるけど……変になっても文句言うなよ?」

「中身出んかったら不格好でもええよ」

そう言われると丁寧に作りたくなる天邪鬼さが顔を出す。俺は出来る限り丁寧に、それでいて素早く並縫いを施し人型の縁を縫い合わせた。

「綿とか入れるよな? ひっくり返してからか?」

完全には縫い合わせず、五センチほど残してリュウに渡した。リュウは綿を少し詰めると俺に爪切りを渡した。

「爪切ってちょうだい。髪も何本か抜いて」

「……呪い?」

「身代わり人形。神さんの加護は明日なったら消えるから、また……取り憑かれとる悪影響が出る。こん人形をワンクッションにして、そん悪影響ちょい軽すんねん。それもあんま長持ちせんから頻繁に作らなあかんけど」

サキヒコと付き合っていくのは大変だ。滝行でもすれば俺に力が付いたりしないだろうか、なんて考えながら爪を……爪……爪、ない。

「……なぁリュウ、爪ないんだけど」

「え? ないてこたない…………深爪やなぁ。水月これでなんかの包装とか開けれるん?」

「たまに不便。でも、可愛い男の子達の柔肌やナカに傷を付ける訳にはいかないだろ?」

「童貞臭いのぉ」

「なんでだよ!」

「いやぁ……童貞の非童貞アピールっぽいなぁ思て」

今後一生童貞であることが確定しているリュウに、経験人数の多い俺が童貞臭いと言われるなんて、我慢ならない。シュカならともかく。

「……俺に童貞って言ったことは後で後悔させるとして、足の爪でもいいかな。小指の爪ならもうちょい削れる気がする」

「足も深爪やなぁ……血は出んようにしぃや」

「大丈夫大丈夫…………よし、めっちゃちっちゃい欠片だけどこれでいい?」

「……髪多めにもらうわ」

「痛だだっ! い、一箇所から抜くなよ! 部分ハゲになるだろ!」

爪の欠片と髪を数本入れたというだけで、何の変哲もない人形が途端に気味悪く見えてきた。

「ほんでマジックで顔描いてぇ」

「へのへのもへじじゃん……」

「水月って胴体に書いて、完成や」

「…………これで完成? 俺の身代わりが? 何かイマイチ信用出来ないけど」

作りの単純さと見た目のちゃっちさは俺の不信感を煽る。しかし、代々神主の家系に生まれたリュウが作ったのだから……いやこれ神主とか神社生まれとかあんまり関係ないだろ。分かんないけど。

「完成完成。しばらく大丈夫や。ほら水月、はよせな鍋出来てまう。抱いてぇな水月ぃ」

人形の作り方の気味悪さと完成した人形のしょぼさは俺をすっかり萎えさせていたが、しなを作ったリュウに抱きつかれるとすぐに屹立した。
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