冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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冷やし中華食べました

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歌見に連れて行かれた店で、歌見の勧めた冷やし中華を注文。少し待つ。

「アキくんの調子どうだ?」

「もう包帯外して過ごしてますな、傷跡も目立たなくなってきたので安心でそ」

「そっか、よかったなぁ……あの後、木芽からメッセージで軽く話は聞いたんだけどな、アキくんの容態は分からなかったから心配だったんだよ」

「お知らせせず申し訳ありません」

「いやいや……しかし、木芽が元カレ呼んだってのは本当なのか?」

「はい、癪ですがおかげで助かりましたぞ。アキきゅんの安全な移送、並びに解決可能なより強い方の召喚が出来ましたからな」

「マジ話か……いい選択だったみたいだが、今カレの弟のトラブルに元カレ呼び出すとはなぁ」

それは俺も思った、と深く頷く。

「まぁとにかく、アキくんの怪我が大したものじゃなくてよかったよ。目から血出てた時は本当にもう、失明するんじゃないかって怖かったからな……」

「ええ、本当……アキきゅんが元気になってよかったでそ」

今日、アキはノヴェムを預かる約束をしていた。念の為駅まで迎えに行くことにしたみたいだとセイカが話してくれたけれど、無事に会えただろうか。

「……ちょっと電話いいですかな?」

ノヴェムの通う小学校が今日は午前のうちに終わって、俺やセイカよりも早く帰ることはネイに見せてもらった時間割で確認済みだ。アキは既にノヴェムと居るはずだ。

「あぁ、いいぞ。冷やし中華まだ来ないし……」

アキに電話をかけながら、セイカのスマホに仕込んだ監視アプリを起動させる。GPSを確認……ハルの家の近くに居るようだ、ハルオススメの店とやらだろう。

「……セイカ結構動画見てるな」

「ん?」

「あぁ、いえ、アキきゅんなかなか出ないので、かけつつ別のアプリ見てるんでそ。セイカ様、ママ上にスマホ買っていただきまして……そのセイカ様のスマホを監視出来るスグレモノアプリなのですよ」

「…………ストーカー御用達のヤツじゃないのか、それ」

「さぁ」

「さぁってお前なぁ……そういうの、お前のスマホの情報も漏れるんだぞ、気を付けろよ」

「その辺はわたくし割と強めなので大丈夫でそ、ちゃんと確認しました。わたくしのスマホは安全でそ、いいアプリですよ」

今日は歌見の呆れ顔がよく見られるいい日だな。いや、歌見はいつもこんな感じだっけ?

「セイカは知ってるのか? そんなことしてるの」

「まさか。言わないでくだされよ」

「……嘘つきは嫌いだぞ。まぁ俺への嘘じゃなけりゃ別にいいけど」

「ド、ドキっとしますなぁ……パイセンが嘘ダメだから正直に監視アプリのこと言ったんでそ。わー、セイカ様の写真ファイルアキきゅんと公次ばっか」

「コージ? 新しい彼氏か?」

「セイカ様に作ってあげたハムぐるみでそ、名前付けて可愛がってます」

「あざといな」

アキへの電話が繋がらない。何かあったのか? アキのスマホにも監視アプリを入れておくべきだったかな、でもアキはスマホ触らせてくれないしパスワードを覗く隙も与えてくれないし、敏感だから寝てる間に指紋認証させようとしても起きるだろうし、入れられるチャンスがないんだよなぁ。

「動画って?」

「おや、外道なアプリで手に入れた情報をお知りになりたいと?」

「俺は別に正義漢じゃない、俺がお前に嘘つかれるのが嫌なだけだ。好奇心のままにストーカー野郎に質問したりもするさ」

「ストーカー野郎て……正式に付き合ってるのに。動画ですな、えっと……ありゃ意外、ゲーム実況見てまそ」

「マジで意外だな! 勉強系かと……あっ、ありがとうございますー……」

二人前の冷やし中華が届けられた。歌見と共に店員に軽く礼を言い、冷やし中華を前に割り箸を割る。

「ん、うま……意外だな、勉強系かと思ってたよ」

「わたくしもでそ。本当に美味しいですな……アキきゅんは動物動画とエロ動画ばっかり見てるので、その流れかとも思ったんですが」

「ゲーム実況なぁ……知らないジャンルだな、俺自分でやる派だし……上手い人のプレイ動画ならたまに見るけどな、参考にしようと思って。意味分かんない上手さだからならないけど」

「わたくしも大会の放送とかならたまに見ますが、ただの実況となると全然……」

「まぁ、人の趣味にとやかく言う趣味はないけど」

「わたくしはありますぞ。ゲーム見たいならわたくしに言えばやって見せてあげますのに……これは立派な浮気でそ!」

「どこがだ、バカ。ほっといてやれ」

「わたくしもゲーム人並み以上にするのに別の男のゲームしてるとこ見るなんて浮気でそ! このチャンネル主男だっけ……男だわ、浮気でそ!」

「女だったら?」

「浮気でそ」

「うわもうお前、お前もう……セイカに対して特に独占欲強くないか? なんなんだ」

「んなことありませんぞ、みんな平等に嫉妬しまっそ。パイセンの先輩と二人きりで勉強してる件とかもアレもう浮気だと思ってまそ」

歌見は深いため息をつくが、冷やし中華を頬張ると口角を僅かに上げる。

「美味そうに食いやがって……浮気でそ、わたくしだって料理出来まそ! 今度もっと美味い冷やし中華作ってやりますからな!」

「店で言うなそういうこと! ったく……」

「……まぁ今のは冗談二割ですが」

「冗談の割合思ったより少ない、怖い」

「勉強の件はどうかと思いますぞ。あの方、レインさんでしたっけ? なかなか美人かつセクシーでしたし」

「お前なぁ、その顔見せといて今更他のヤツを美人と思えると思ってんのか?」

それは俺が歌見にとって最高の美人だということだろうか。それはとても嬉しい、表情が緩んでしまう。

「ぬへへへ……いや、浮気相手ってだいたい本命よりブスじゃないですか」

「いや先輩ブス呼び出来るような顔じゃないだろ……かなり美人だぞ、お前ほどじゃないけど」

「美人だと思ってるんじゃないですかぁ!」

「あぁもうお前どう答えりゃいいんだ面倒臭いなぁ!」

こんな喧嘩みたいな会話をする気じゃなかったのに、ついつい声を荒らげてしまった。本気で浮気を疑っている訳ではない、こんなの全部冗談だ。

「ふぅ…………へへ、すいませんな。本気で言ってる訳じゃありゃーせんぞ。パイセンが浮気なんてしないのは分かっておりますからな」

「当たり前だ。もしもの話だが、俺が浮気したらどうする?」

「わたくしナシでは生きていけない身体にしてやりまそ」

「へぇ? じゃあ打つ手なしってことか。もうなってるからな」

「…………」

「自分で振っといて赤くなるなよ……」

歌見の顔もじんわりと赤くなっていく。せっかく冷やし中華を食べているのに、二人揃って顔が熱くなってしまった。
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