冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
1,409 / 2,313

前戯には互いを

しおりを挟む
ヒトは結構、弟思いの兄なのかもしれない。フタに暴力を振るっていた件はやっぱり許せないけれど、奔放な弟二人に振り回される姿や世話に疲れた顔、今回のような一面を見ると、彼の兄としての顔に希望を抱いてしまう。

「弟のことを思うって素敵なことだと思います。ねぇ……ヒトさん、全然恥ずかしいことじゃないんです、誇っていいんですよ。目開けてください」

ヒトはぎゅっと目を閉じたまま何も言わなくなってしまった。

「……んっ、ゔ……んんんっ……水月っ、水月ぃっ、むり、イっちゃう、これっ、出ちゃうぅっ!」

ぐいぐいと手を引っ張られてそう言われては、ヒトへの尋問は中断せざるを得ない。俺はヒトから手と目線を離し、ベッドに押し付けられたサンの頭を抱き締めた。

「んっ……くっ…………ぅううっ! ふっ……はぁ…………はぁ、水月ぃ……へへへ」

絶頂と同時にリモコンを操作してローターのスイッチを切った。サンは優しい余韻に浸り、にへ~っとした笑顔を俺に見せてくれた。

「ねぇ水月ぃ、玩具止めたってことはさ……! 抱いてくれるんだよね? 今ここで!」

「身体的には出来そうだけど……いいの?」

「……? いいのって何さ」

シュカは逆レイプだったが、リュウは野外SMという理想の初体験を叶えてやったし、ハルも海の見える別荘でという夢のような初体験をさせてやった。

「初めてならもっとこう……なんか、欲しくないの? 雰囲気っていうか、なんか……大丈夫?」

「なんか……?」

「だってさ、今日ここに来たのはサンの予定じゃないでしょ? ヒトさんとのデートに割り込む形で……ヒトさんの前で初体験なんて、あんまりいい思い出にならなさそうだけど……いいの?」

「あぁ、そういうの気にしてるの? 女々しいなぁ水月は、可愛い可愛い。いいよ全然、ヤれたらOK」

ニコニコと愛らしい笑みを浮かべているサンからは嘘は感じ取れない。

「女の子じゃないんだから破瓜なんてそれっぽいものもないし、セックス自体は初めてじゃない。部屋の内装や窓からの風景なんてボクには関係ない。どこでもいいよ」

「……後悔しない? 初体験なんて、一度きりだし絵の題材としても貴重なものだろ? いい感じのデートの後じゃなくていい?」

「くどいよ水月。古来より迫ってきた女を無下にして女に恥をかかせるのはダメな男の特徴とされてきたんだ、知らない?」

「ぅ……サ、サンは女の子じゃないし……」

「性行為に必要なのは雄と雌じゃない、生きた穴と生きた棒だ。ボクは穴側、つまり恥をかかせちゃダメな方、水月はボクに誘われたら受けなきゃいけない。据え膳食わぬは男の恥ってね、あぁいや、棒の恥? ふふ」

サンはベッドの上で膝立ちになるとローターを引き抜いて「んっ」と艶やかな声を漏らし、次にタートルネックシャツを脱ぎ捨てて見事な刺青の入った身体を見せつけた。

「場所はここ、時は今、ボクを抱けよ水月」

三つ編みの可愛さも、倶利伽羅龍の刺青の恐ろしさも、関係ない。この圧倒されるような雰囲気はサン自身が放っているものだ。

「……う、うん。サンがいいなら俺はいいんだっ、全然……その、サン本当にいいのかなーって気になっただけで俺は最初っからもうすっごい乗り気!」

「あっはははは……なっさけなくって可愛いねぇ水月は」

無邪気な笑い声が胸に突き刺さる。

「な、情けない……かな」

「一言一句が情けないね。すごく可愛いよ」

「ぅー……カッコイイ彼氏でありたかった。セックスではリードするよ。追加のローションとゴム取ってくるね……」

先程絶頂した際に放った精液が溜まったゴムをサンから受け取り、ベッドを降りる。持参したビニール袋に使用済みゴムを入れ、新しいゴムとローションボトルを持ってベッドに戻った。

「ヒトさん、しばらくお相手出来ませんから……ローターで遊んでいてくれますか? 乳首も弄ってくださいね、俺が触ってあげたらイけるくらい敏感になって欲しいです」

ヒトに彼の後孔に入っているローターのリモコンを握らせながら、耳元でそう囁く。

「これっ、その……ちんっ……ぅぅ…………せ、性器、を……無理矢理裏から勃たされて、そのまま出させようとされてるみたいで……」

「気持ちいいでしょう?」

「き、きもち、いぃ……です、けど」

「気持ちいいですねぇ。気持ちいい気持ちいい……ほら乳首も弄って。きゅーって……はい、気持ちいいですね。ヒトさん我慢がお得意でしたね、カタルシスが欲しいとか……今からあなたの目の前で弟さんを抱きますよ。悔しかったりムラムラしたりすると思います。ちゃんと後で戻ると約束しますので、たっぷり焦れててくださいね」

「…………我慢、して……大好きなあなたと、サンの行為を見て……自分を慰めたら、褒めてくれますか? 私を……褒めて、くれますか?」

「もちろん」

「ぁ……我慢、しますっ……胸も、敏感にしておきますから……」

ヒトの準備は終わった。俺は道具を持ってサンの方へと戻る。サンは不機嫌そうな顔で俺を待っていた。

「……ボクとのセックス兄貴との前戯扱いしないで欲しいんだけど~」

「あれ……そう思っちゃった? ごめんねサン。でもほら、聞いて。ヒトさん……ちょっと喘いでる。これからセックス始めたら、ヒトさんのオカズがハッキリ俺達になるんだよ」

「…………だからぁ、兄貴に消費されるとかめっちゃ嫌、って言ってるんだけど」

「ヒトさんの目の前でするって言ったのはサンじゃないか。ねぇ、サン? サンは俺とシてるのに、ヒトさんは一人で俺達見ながらシてるの、優越感ない? 見せつけてやろうよ、気持ちよさそうじゃない? ねぇ……サンはヒトさんの前戯なんじゃなくて、ヒトさんがサンの前戯なんだよ、どう?」

「……いいねぇ、それ」

ノってくれたようだ。今更ヘソを曲げてセックスが中止になったら行き場、いや、イキ場を失った俺の陰茎がどうなることか。互いが互いの前戯であるというのは、この兄弟達には上手い落とし所であるらしい。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話

ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

処理中です...