冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
1,476 / 2,311

安寧のため (水月+ネイ・ノヴェム・ミタマ・サキヒコ)

しおりを挟む
至って普通に夕飯の時間は過ぎていった。昨日の今日だと言うのに母は何も変わらずノヴェムに食事を与え、義母は相変わらずノヴェムを少し嫌い、アキとセイカは美味しい食事に夢中になっているようだった。

「おにーちゃ、あそぶ」

食事を終え、皿洗いも終えるとノヴェムはそう言って俺の手を引いた。これもまたいつも通りだ。

「…………」

楽しい日常を壊したのはインターホンの音だ。ネイがノヴェムを迎えに来たのだろう。会って何をするか、何を話すか、緊張感が高まる。

「おにーちゃ」

「……あぁ、お父さん迎えに来たかな。行こうか」

眠そうに目を擦っているノヴェムを抱き上げ、一人で玄関へ向かう。覗き窓から外を確認し、呼吸を整える。

「こんばんは」

扉を開け、まずは挨拶。

「こんばんは、水月くん。ノヴェムを迎えに来ました」

「ええ……もう眠そうなので、早く寝かせてあげてください」

「はい、いつもありがとうございます」

ネイの様子はいつもと何も変わらない。昨日のことはなかったことにでもするつもりか? 俺はどう対応すべきなんだ、俺もいつも通りで居るべきか?

「…………」

「では、さようなら水月くん」

軽く頭を下げてネイは去っていく。玄関扉を閉めて数秒後、俺は扉を開けて走った。

「ネイさんっ!」

「水月くん……どうされました?」

驚いた様子で振り返ったネイはすぐに温和な笑顔を見せた。彼の優しげで儚げな雰囲気は嘘と演技を知った今も変わらない、俺の胸を締め付ける。

「ネイさん……公安って、本当ですか」

「……! 分かっちゃいました? ヒントは与えましたがアレだけで……将来有望ですね」

「聞いたんですよ、母さんから……母さんは会社の人から」

「そうですか……やはりそこ経由でバレたんですね。指示通り若神子製薬にはノータッチで居るべきでした、何か情報が得られるかとセイカくんに仕掛けたのですが見破られたようで……冷静に考えるとセイカくんが有益な情報を聞ける位置に居させてもらえるとは思えない。酷い失敗でした、若神子と聞いて慌ててしまった……」

ネイは深いため息をついている。本当に落ち込んでいるようだ。

「いつもこうです、大事なところで上手くいかない……失敗ばかりしている気がします」

「……どうして俺のこと調べてたんですか?」

ネイはじっと俺を見つめ、また深いため息をついた。相当落ち込んでいるようだ……所属がバレたのが効いているらしい。

「あなたを調べてた訳じゃありませんよ。元極道の穂張組……現、裏社会の猟犬共。彼らを通し、日本神秘の会の情報が手に入らないかと狙っていたんです」

「……すいません、一個ずつ用語の説明聞いてもいいですか?」

「ノヴェムを寝かしつけてからなら。この後、お風呂に入れなければならないので……あなたも今からシャワーでも浴びてから私の家に来ていただけますか? あなたのところに居る、人外連中と一緒に」

固唾を飲み、頷く。俺は一度家に帰って普段通りに寝支度を整え、今日は一人で寝るとセイカとアキに伝え、こっそりと家を出た。

「ワシが人でないと知っておるんじゃな」

「しばらく前から会話などを盗み聞きする機械が仕掛けられていたそうですから……」

ミタマとサキヒコと共に、ネイの家のインターホンを鳴らした。ほどなくしてバスローブ姿のネイに出迎えられる。

「どうぞ上がってください」

「は、はい……」

バスローブから覗く生足、胸の谷間から視線を逸らし、熱い頬を手の甲で冷ましながらネイの後に続いた。

「どこまで話したか……どこまで話すべきか、迷いますね」

「俺としては全部教えて欲しいんですけど」

通された先はリビングだ。三人でみっちりとソファに座り、オットマンに腰掛けたネイと向かい合う。

「そういう訳にもいきません、機密……は、まぁ、いいか……あなたに知らせることであなたに危険が及ぶこともある……ですが私の所属を知ってしまい、穂張と若神子に顔が利くあなたには、是非協力してもらいたい」

「……! ネイさんが……公安、なら、別に悪いことじゃないんですよね、そういうの……悪い人を捕まえるために、俺が手に入れられる情報が必要ってことで」

「ええ。協力してくだされば受験や就職、出世が有利になります。身の危険は……可能な限り排除しますので、メリットの方が大きいかと」

「…………俺を、利用したいから……好きとか言ったんですよね」

「……ごめんなさい」

「認めるんですね……ショックだなぁ、俺結構本気だったのに…………今は、いいです。えっと……まず、猟犬? とか言うのは何です?」

「若神子の秘書は自分が目を付けた自分の命令だけを聞く各分野のスペシャリストを揃え、穂張組として裏社会で暴れている。しかしその暴れ方は案外と公然にとって有益ですから……連中の頭、あの秘書の苗字、犬鳴塚から犬を取って、裏社会の猟犬……ま、あだ名ですね。我々が勝手に付けました」

「へぇー……じゃあ、その後のなんか……日本? 何とかってのは」

「私が調べている組織の名前ですね。ここから先は少々刺激が強い話になるかと……よろしいですか?」

サキヒコとミタマと顔を見合わせ、頷いた。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

処理中です...