冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
1,657 / 2,313

子供は寝る時間 (水月+ネイ・ノヴェム・ハル・リュウ・カンナ・アキ・セイカ・レイ・荒凪)

しおりを挟む
素直じゃなかったり急に大人しくなったりするセイカから猫を連想したりしつつ、夜店を回って祭りを楽しむ。ノヴェムが動くところをここ十分くらい見ていないけれど、寝たのかな。

「ネイさん、ノヴェムくん寝てます? 代わりますよ、腕痛いでしょう」

「助かります」

「よいしょ……わ、寝てると重い」

眠ってしまったノヴェムを受け取り、ぷるぷると腕を揺らすネイの様子を観察する。フタの殴打を全て受け切った腕で八歳児を抱いていたのだ、相当辛かっただろう。

「水月くん? どうしたんです、そんな情熱的な目で見つめられたら照れてしまいますよ」

「そんなつもりは……手、大丈夫かなって」

「ノヴェムの抱っこを代わってもらえて随分楽になりましたよ」

表情はいつも通り、未亡人の色気たっぷりの穏やかな笑顔。声色も普段と同じで、痛みを堪えている様子はない。

「あれ、みっつんがノヴェムくん抱っこしてるの?」

「ハル、あぁ、ずっと抱っこしてちゃ辛いかと思って」

「優しいお隣さんで嬉しいデス。んーっ……ふぅ……久しぶりの伸び気持ちいですね」

ネイが手を組んで腕を伸ばすと、指や肘、肩などありとあらゆる関節からパキパキと音が鳴った。ネイにとっても予想以上だったのだろう、少し照れくさそうにしている。

「ねっねっ、ノヴェムくん俺に抱っこさせてくれない? 起きてる間は嫌がられちゃったけど、今ならイケる……!」

「大丈夫か? 結構重いぞ?」

「大丈夫だって」

眠っているノヴェムを起こさないように気を付けつつ、ハルに彼を渡す。慎重な受け渡しによってノヴェムは呼吸を乱すことすらなかったが、ハルの細腕ではやはり不安だ。

「……落とすなよ?」

「落とさないよ、俺みっつんが思ってるほど非力じゃないって」

「ええのぅ……はーちゃん、次ワシ抱っこしたい」

「ほな次俺~。しぐも抱っこさせてもらい、してみぃたいんやろ?」

「ぅん……だっこ、したい」

ミタマがノヴェムを抱っこしたがるのは予想通りだったが、カンナまで順番に加わったのは意外だったな。何故かカンナは子供が苦手なものと思い込んでいた。

「お兄ちゃん達にモテモテ嬉しいデスね、ノヴェム」

ハルの腕の中で眠るノヴェムの頭をネイが撫でる。父親なのだから自然な行動なのに、今ノヴェムを抱いているのがハルだから、夫ポジションをネイに取られた気がしてモヤモヤする。

「お祭りの最後には花火あるらしいから、それまで寝だめしないとだねノヴェムくん」

俺の彼氏と擬似家族ごっこをしていいのは俺だけのはずだ。そんな気持ちの悪い思考の元意味もなくノヴェムに話しかけ、髪を撫で、彼の眠りを浅くする。

「んぅ……」

「寝とるんやからそない話しかけたったアカンわ。起きてまうで」

「こういう時は縦揺れがいいんだっけ~? よしよし……こうかなぁ……?」

ノヴェムを起こしかけてしまい慌てて一歩下がる。向かいを見ればネイも同じように一歩下がっていた。何とも情けない男達だ。

「はぁ…………ん? ごめん、ちょっと電話」

彼氏達から一歩離れてスマホを取り出す。画面にはヒトの名前が表示されていた。彼氏達から更に一歩離れ、スマホを耳に当てる。

「もしもし……」

『もしもし、鳴雷さん? 今少々お時間よろしいでしょうか』

「はい、大丈夫です」

『よかった。私今から休憩時間でして……』

「あ、やっと! じゃあお祭りデート出来るんですね、どこで待ち合わせします?」

『今どちらに?』

「お面屋さんの前です」

『分かりました、すぐに行きますのでその辺りに居てください』

通話が切られた。サンやフタが居る時には滅多に聞けない上機嫌な声色だった、俺と居る時にだけ使われる声と言ってもいい。この世の様々に不満を持つ彼の唯一の癒しが俺……まだ付き合い始めて日が浅い方なのに彼氏の中でも屈指の俺への依存度を誇るヒトは、いつも俺に強い優越感を覚えさせてくれる。

「クマのお面あるな……セイカ、つけるか?」

「え、いや、いらない」

「可愛い~、いいじゃんお面。セットでパグのお面も売ってるから買っとこ、先輩につけてやる」

購入したクマのお面を強引にセイカに装着。顔を完全に隠してしまうのではなく、頭の斜め上に乗せるようにつけるのがこだわりポイントだ。

「いらないって言ったのに……」

《お、いいじゃんスェカーチカ。俺も欲しい。兄貴なんか選んでくれよ》

「鳴雷、秋風も欲しいって」

「何がいい?」

「鳴雷に選んで欲しいみたいだけど……」

「おっ、嬉しいなぁ。んー……アキ、猫好きだっけ? はちわれ柄とキョンシーどっちがいいかなぁ」

「何その二択」

「キョンシーにしよう」

「よく分かんない方が選ばれたぞ秋風、自分で選んだ方がよかったんじゃないか?」

アキにもお面をつけてやった。自分から欲しいと言い出しただけあって嬉しそうにしている。金魚のオモチャは欲しがらないのにお面は欲しがるとは、相変わらずよく分からない子だな。

「荒凪くんにはチュパカブラ買ってあげたからね~」

「ちゅぴゃ、かぷ……?」

「カンナはやっぱりウサギか?」

「カツ、ラ……変、なっちゃ……から、いい」

「そうか……じゃあハル、何か」

「髪型崩れちゃうからいいや~」

シュカと歌見は視線を向けただけで無言で首を横に振った。この二人はこういうの恥ずかしがるタイプだよな、想定の範囲内だ。

「リュウ」

「いらんわ、恥ずい」

「えぇ~、ノってくれるタイプだと思ったのになぁ。ネイさんはどうです? ラッコとか」

「可愛いですけど、大人はお面恥ずかしデスよ」

案外みんな抵抗があるものなんだなぁ。

「レイはゆめかわ似合うからユニコーンでどうだ?」

「せんぱいが選んでくれたヤツなら何でもつけるっす! せんぱいは何にするんすか?」

「俺バイコーンにしようかな」

「オソロ感あっていいっすね!」

「レイはノリいいし可愛いしもう最高だな」

「えへへ……あ、ノヴェムくんには選んであげないんすか?」

「お面とかお祭り終わったらもう……アレだし、もう寝ちゃったんなら……うん。知らない間につけられてても、なんか、なぁ?」

「そういうとこ冷静になるんすね」

興奮しやすい自覚があるからこそ、冷静さも失わないタイプでありたいと常日頃から思っている。だからレイのその評価は嬉しい。

「ふふ、だろ?」

「別に褒めてはないんすけど……あれ? せんぱい、あのおっきいの……あっ、ヒトさんっすね、びっくりしたぁ……フタさんの方かと一瞬思っちゃったっす」

ヒトが合流するまでの時間潰しのつもりでお面を物色していたのだが、案外熱中してしまってレイが先にヒトを見つけた。少しの敗北感を心の深くに隠し、ヒトに向かって大きく手を振った。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話

ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

処理中です...