冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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アイドルの髪を手入れ (水月+カミア)

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カミアが周囲の人間にカミアだとバレないようにして欲しい、そうミタマに願おうと思い付いたのが今日でよかった。遊園地デート中もセックス中もこの頭だったらカミアはきっと嫌だろうし、俺もどこかのタイミングで笑っていたかもしれない。

「髪の戻し方、調べたら出てくるかなぁ……」

カミアは片手でスマホを弄りながら髪に手櫛をかけつつ、俺に続いてエレベーターに乗り込んだ。

「いつもくるくる巻いてる髪が伸びちゃってるのか? で、何故か重力に負けずに立ってるからこの有様か……」

「絡まってるからペタってならないのかも」

「単に毛量がえげつないから重力に逆らってるだけ感もあるけど」

「こんなこと今までなったことないのに、なんでよりにもよってみぃくんの前で……スタイリストさんに頼りきりで、僕の腕が落ちたのかなぁ」

いいえ、俺がミタマに頼んだせいです。とは言えない。

「あっそうだ、コモンドール調べようと思ってたんだ。今の僕に似てるんならお兄ちゃんにも似てるかもだし、あんまり高くなければ一体くらい買いたいかも。アンティークドールって高いイメージある……あれ?」

「あっ」

「…………ねぇみぃくん、コモンドールって調べてもお人形出てこないよ」

「……俺は、人形とか言ってないし」

「訂正しなかったんだから言ったようなものだよ……ねぇみぃくん、このワンちゃん可愛いね?」

カミアが俺に向けたスマホに表示されているのは、コモンドール……毛の長い大型犬、いわゆるモップ犬だ。メカクレなのが可愛いからなのか、視界を開いてはいけない理由でもあるのか、目元が出るようにカットした写真はあまり見かけない。

「か、可愛いだろ?」

「可愛いよ? 可愛いけどさ……犬に似てるって言われても嬉しくなぁい!」

「普段のカミアはプードルみたいで可愛いよ」

「プードル? そ、そうかな……えへへ」

カミアはほんのりと頬を赤らめて笑った。同じ犬でも似ていると言われて嬉しい犬とそうでない犬が居るらしい。

「なんでプードルはよくてコモンドールはダメなんだよ」

「……デカいし」

「プードルもデカいよ。っていうか犬はデカければデカいほど可愛くないか?」

「スタンダードの話はしてないし、犬はそうでも人間はデカくても可愛くない!」

「分かった分かった、言い直すよ。えー……シュバルツナーゼみたいで可愛いよ」

カミアはすぐにスマホで検索した。あまり動物には詳しくないみたいだ。

「……羊じゃん!」

「可愛いだろ?」

「可愛いけどぉ……犬も羊も可愛いけどぉ!」

「分かった分かった、動物に似てるって言うのはやめる。言い直すよ、カンナに似てて可愛い」

実際、目元が隠れた姿はカンナによく似ている。まぁ双子なんだから当然だけれど。

「お兄ちゃんに……?」

「あぁ」

パーマを当てるのを大失敗したカンナって感じだ、実際の彼はカツラだからパーマを当てたりなんてしないだろうけど。

「お兄ちゃんに似てるなら……ゃ、お兄ちゃんこんなヨレヨレの髪してないよ」

「目元隠れてるから似てるよ」

「雑~……まぁいいや、みぃくん見た時に笑わなかったし本当に可愛いって思ってくれてるんだよね? 褒め方出てこないから変になっちゃってるだけで……みぃくんが可愛いって思ってくれてるなら、別にいいや」

目元はよく見えないけれど、その笑顔の愛らしさは口元だけで十分伝わってくる。

「……カミア」

口付けようと彼の肩に手を置いて背を丸め、彼の顎の下にそっと手を添える。

「みぃくん……あっ」

ポーン、と電子音が響く。エレベーターが一階に着いたのだ、俺は慌ててカミアから手を離し、先にエレベーターから出た。

「はぁ……」

「落ち込まないでみぃくん、その……あ、後でねっ?」

「…………カミアぁ」

今は抱きつくことも出来ないのに、そんな可愛い仕草……あぁ、胸が苦しい。



カミアは昨日とは違った目立ち方をしていたけれど、カミアだとバレることなく楽しく食事が出来た。部屋に帰ってすぐ、約束のキスも出来た。

「んっ…………ふふ、みぃくん……大好き」

唾液の橋を切って、赤らんだ顔で微笑む。そんなカミアに俺も微笑み返した。

「そろそろ出る準備しなきゃだね」

「そう……だな。名残惜しいけど。頭どうする?」

「新幹線でゆっくり直そうと思ってるけど……」

「水ないとキツくないか? そういうのって濡らして乾かすのが基本だろ?」

「んー……絡まってるのほどけば直るかなって思ってたんだけど、無理かな?」

「トリートメントとか試してみよう、まだ時間あるだろ?」

「でも、みぃくんとの時間減っちゃう……」

「俺がやってあげる。話もしながらにしよう、それならいいだろ?」

「……うん!」

「よし、先に洗面所行っててくれ。すぐ行くよ」

俺との時間を優先しようとしてくれていた健気なカミアを見送り、彼に聞こえないよう小さな声で呟く。

「……コンちゃん、さっきのお願いまだ効いてる? 効いてたらキャンセルでお願い。誰にも気付かれずに食事出来たの最高だったよ、ありがとう。でももう帰るから、もういいよ」

返事はなく、涼やかな鈴の音だけが頭の真後ろで響いた。後ろは、壁なのに。

「お待たせカミア、濡らしてみたか?」

「うん、ざっと……」

「トリートメント試してみようか」

絡まった髪にトリートメントを塗り込んでいく。最初は手櫛で、途中からは浴室で使う用のコームを持ち、絡まった髪をほどいていった。

「意外と髪抜けないね、みぃくん上手いんだ」

多分ミタマのおかげだと思う。

「そんなことないよ。カミアの髪質がいいんだ、きっと。触ってても気持ちいいし」

「……ほんと? ありがと」

髪全体の指通りがよくなったらトリートメントを流し、絞ってタオルを被せて水気を取っていく。

「人に頭洗われるのって気持ちいいね」

「よくやってるんじゃないのか? 美容院とか一般人より行くだろ」

「そうかも? でも、よく知らない人と好きな人じゃやっぱり違うよ」

「専門家でも?」

「うん、みぃくんの手大好き」

嬉しいことを言ってくれる。その心地良さが最後まで続くよう、ドライヤーの使い方にも気を遣わないとな。早く乾くようにと近付け過ぎては熱いし髪が焦げる、時折冷風に変えたりもして丁寧に扱うのだ。
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