冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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バカだけどバカじゃないちょっとバカなハーレム主 (水月+レイ)

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俺は彼氏達の間で共通認識になるほど頭が悪かったのか。自覚はあったつもりだが、そこそこの難関校に通っているので自惚れもあった。言ってもそこまでじゃないだろう、そう考えていた。だがさも常識かのように「お前はバカだ」と複数人から言われると話は変わる。バカだって言われてるけど実は賢いと見せかけて本当にバカだった、というわけだ。

「十二薔薇って偏差値七十手前なんだけど……」

「すごいっすよね、校舎綺麗だし通ってる生徒さん達もみんな上品な感じで。体育祭とか学園祭とかあるんすよね、俺行きたいっす、色んな角度から校舎見てみたいっす! 学園モノの背景とか描く参考になりそうっすよね」

「うん、そう……十二薔薇の生徒はみんな上品で賢いんだ。だから……?」

「……?」

「だから、俺も……?」

「…………あっ、もしかしてバカっぽいって言ったの気にしてるんすか? すいませんっす、本気でせんぱいがバカだと思ってる訳じゃないんすよ。ただ説明がわやわやしてたから、つい」

「……つまり、俺は?」

「へ……? あっ、賢いっす! せんぱいは賢いっすよ、天才っす! 頭が良くなきゃ十何人もハーレムに入れれないっすよ」

「…………ふふん、だよな」

どうにかレイから「賢い」の言葉を引き出せたぞ。これで「バカっぽい」発言は無効だよな、本気じゃないって言ってるし。リュウは明日学校でみっちり問い詰めて、アホではないと言わせてやろう。

「せんぱい、リュウせんぱいなんすけど」

「ん、あぁ、そういや電話代わってもらっちゃってたな」

「はい。まず、リュウせんぱいは今日、コンちゃんの本体を作るために来た? らしいっす。本体京都にあるんで、気軽にセーブ出来ないとか……こっちにあったら色々便利とか……コンちゃんにとってちゃんと管理されて信仰されてる石像はサーバーみたいなもんらしいっすね」

その辺りは俺もよく分かっていないし、霊能力がなければ感覚的な理解は一生不可能なのだと思う。

「で、空っぽのただの石像を、中身を入れる作業……スマホのバックアップをパソコンで取るみたいな作業を、リュウせんぱいはやったらしいんす。舞ったとか言ってたっすね。ちっちゃい頃、実家にバイトに来てたおねーさん達に混じって踊ってたらしいんす」

「実家にバイト? リュウの実家って神社だよな」

「巫女さんっすね」

「……巫女ってバイトなの!? えっなんか、なんかあの、代々巫女ですみたいな家があるんじゃ……? っていうかリュウの家系で女の人は巫女に、男は神主に的な感じじゃ?」

「イベントで舞ったり、お守りとか売ってくれてる巫女さんはだいたいバイトっすよ……常識っすよせんぱい」

「んな募集見たことないぞ?」

「せんぱい男なんすから当然っしょ」

自分に関係のない広告だとかは見ていても見えていないもの、というのは納得出来る。しかし巫女の募集なんて興味深いものがあれば俺の目は惹かれるはずだ。

「とにかく、バイト巫女さんの練習に参加してた幼少期の記憶を頼りに、どうにか舞ったらしいんす。衣装はコンちゃんが出したとか言ってたっすよ、服自由に変えれるとか羨ましいっすねぇ、やっぱりモデルとして雇いたいっす。現実には存在しないような服とか描かなきゃいけないこと多いんで」

「巫女服ダンシングリュウ見たかったなぁ……」

「舞う、ってダンシングって感じのじゃないと思うっすけど。巫女服かどうかも微妙っすし、神主さんみたいなカッコかもしんないっすよ?」

「いや俺は脇出し巫女服だと思う」

「脇出し巫女服なんてないんすよ」

「俺はそうは思わないッッッ!」

「もぉ~、頑固な変態なんすから……続き話すっすよ? 舞ってコンちゃんのバックアップ作業を手伝ったリュウせんぱいは、すぐ帰ったらしいっす。一晩くらいはそっとしといた方がいいそうっすよ、スマホもパソコンもバックアップ取ってる時は弄らないようにするもんすよね」

「あー……確かに。そっか、分かった。ありがとうなレイ」

「いえいえ」

頭を撫でてやるとレイは心底嬉しそうな緩んだ笑顔を見せる。これが歳上なんだよなぁと机の上に置かれたままの缶をチラと見る。

「……そろそろ風呂入るか」

「お背中お流しするっす!」

「あぁ、胸とかお腹で全身洗ってくれよ」

「せんぱいのえっちぃ~、ふふふ……」

レイの腰を抱いて脱衣所に向かい、服を脱がし合う。相変わらず不健康そうで貧相な身体だ。

「細いなぁ、ちゃんと食べてるか?」

「最近はちゃんと食べてるっすよ、せんぱいが口うるさくメッセ送ってくるっすから」

「心配になるもんこの身体の薄さは」

食にあまり興味がないらしいレイは脂肪も筋肉も少ない。しかし生来骨太なので、余計に骨が浮いて見える。

「いつ見ても不安な肉付き……」

「俺は健康っすよ。せんぱい、俺の身体嫌なんすか?」

「まさか! 最高だよ」

「へへ……」

絡み合いながら浴室へとなだれ込む。唇を重ねたまま頭からシャワーを浴びる。濡れてへたった髪を笑い合い、前髪をかき上げ合う。

「せんぱい、せんぱいの頭俺が洗っていいっすか?」

「頭までやってくれるのか? もちろんいいよ、その代わりレイの髪は俺に洗わせてくれ」

「はーい。じゃ、せんぱい、座って欲しいっす」

「俺が先でいいのか? ありがとな」

鼻歌でも歌い出しそうなほど上機嫌にシャンプーを手に取るレイを横目で見て幸せを感じる。

「せんぱい、目は瞑ってないと痛いっすよ」

「……あぁ、愛してるよ、レイ」

「へっ? ぁ……お、俺も、愛してるっす」

レイは戸惑いながらも同じ言葉を返してくれた。満足して目を閉じると「不意打ちずるいっす」「胸苦しいっすよ」と愛らしい愚痴が聞こえてきた。
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