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ダンスの難易度 (水月+カンナ・リュウ・シュカ・ハル・セイカ)
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ダンスの練習は今日も上手くいかなかった。俺はやはりリズム感が鈍いらしい。
「ふぅ……」
体育館を後にして、日陰から出る寸前のところで立ち止まる。
「水月っ? 体調が悪いんですか?」
「え? いや……ダンスでちょっと疲れただけだよ、上手く出来なかったしちょっとヘコんでるのもあるかな」
「大丈夫なんですね?」
「あぁ……随分過保護になったな、シュカ。まぁ嬉しいけどさ、ちょっと恥ずかしいよ」
はにかんで見せてもシュカは不安げに眉尻を下げたままにしている、彼のこんな表情は激レアだ。堪能したいけれど、申し訳なくもある。
「……もうすぐ本番なのに、ちっとも上手くならないでさぁ……ごめんな? みんな。足引っ張っちゃって」
「全然全然! そんなことないって、そりゃみっつんは股下五kmな上に超絶イケメンだから目立つけどぉ、ダンスの下手っぴさは断然りゅーが上だから!」
「水月励ますんに俺下げる必要ないやろ!?」
「下げてるとかじゃないよ、事実だもん」
「ちょっとダンス上手いからて偉そうにしくさってほんま俺の得意なもんの時覚えとけやカスぅ」
「おーすごい早口、滑舌いいんだね~りゅー」
喧嘩はやめろと二人の間に身体をねじ込む。ハルは俺の呆れと怒りが僅かに混じった表情に見惚れ、リュウは俺の広い背中にそっと寄り添って何やら感じ入っている。仲裁は上手くいったようだ。
「みー、くん……ご、め……なさっ……」
二人が静かになるとカンナがそろそろと俺の傍へやってきた。
「カンナ、何を謝るんだよ」
「ぼくっ……が、むず、かし…………の、作っちゃっ……か、ら」
「いやいやいやいいんだよそんなの、やり甲斐あるって。なぁ」
うん! と大きく頷きながら元気に返事をしたのはハルだけだ。シュカとリュウは揃って目を逸らした。
「……おいお前ら」
「他のグループのんもっと覚えやすそうやし簡単そうやねんもん……」
「簡単なのでも難しいのでも成績変わりませんし」
「せやったら、なぁ?」
「……簡単な方が楽でいいです」
素直なヤツらめ。そんなの俺だって同じ気持ちだ、けど俺がそう言ってしまったらカンナの立つ瀬がないじゃないか。俺は言えない本音を気楽に言いやがって。
「ご、め……なさいっ……」
今にも泣き出しそうな声で謝りながらカンナが頭を下げる。
「ぁ……ちょっと、言い過ぎですよ。他のとこの方がいいとか……泣いちゃったじゃないですか」
「どっちかっちゅーたら成績変わらんから簡単な方がええの方が酷いやろが……!」
「しぐしぐの振り付けレベル高いし可愛いじゃ~ん! こんなダンスそこらのダンス部でも作れないよ!? すっごいラッキーっていうか名誉っていうかぁ! 分かんないかなぁ~」
「そうそう、男子高校生の創作ダンスなんかダサくなりがちなのにカンナのは本格的でカッコイイよ」
「アンタらダンスとか分かんないとか言ってしぐしぐにぜ~んぶ任せたくせに、今更文句とか悪質だっての!」
「俺ら今まで別に文句言うてへんかったやんけ! 強いて言うならみたいな話や今更不満あるわけやないわ!」
「別に踊れますしね、あのくらい。水月と天正さんがド下手くそなだけで、私は特に困ってません。百マス計算、足し算と掛け算どっちやる? みたいな話ですよ、幼い子供には段違いの難易度でもこの歳になれば難易度に差などありません」
「誰が幼子や! 俺そこまで下手やあれへんやろ! 水月よりずっとマシや!」
俺、そんなに酷いのか。
「喧嘩するなよ……踊れるんだからいいだろ、難しくても下手でも。カッコイイし楽しそうじゃん……俺も踊ってみたかったよ」
ヒートアップし始めていた三人は、セイカの仲裁であっという間に沈静化した。
「手足はついてるうちに存分に使えよ、面倒臭がったりせずにさ」
「いや……別に、面倒臭がっとるわけやあれへんねんけど……」
「だからそんな……本気の文句じゃなくて、ちょっとした愚痴なんですって……」
落ち着いたのはいいけど、気まずくなってきたな。これ、空気変えるの俺の役目か? ハーレム主だもんな、いやでもどうすればいいんだ?
「せー、くん……」
「ん?」
「だん、す……した、の?」
「まぁそりゃ、したいよ。見てるだけなの暇だし……天正とか、最初ダルそうにしてても後半いつも楽しそうな顔になるからさ、楽しいのかなーって」
それは知らなかった。目の前のカンナのダンスを真似たり、リズムを取ろうとするのに必死で、他の彼氏達の表情までは見ていなかった。
「……! ぁ、のねっ、ぶれ……く、だんすっ、みた、なの……ならねっ、せーくん、の、振り付け……考、られ……る、よっ。せーくんの、筋力、分かん、な……からっ、まず、それ……しえ、て、くれ……たら」
「え……い、いいよいいよ。体育祭には間に合わないし……間に合っても、多分先生達が踊らせてくれないし」
「……? だん、す……たい、くさい……の、ためだけ、のじゃ……な、よ?」
「いや、でも……」
「本格的、なのじゃ、な……ても、りずむ、のる……けで、うんど……しやす、く、なる……よ?」
「…………そう、なのか?」
「ぅんっ、えくさ、さいず」
「……コサックダンスとかとリズム合わせられるかな」
「こさ、く……? どん、な……のか、知らな……音、送っ……くれ、たら……考え、て……みる」
「ほんと? いいの? じゃあ……」
静かに交流が進む様子を俺達はただ黙って見つめていて、そのうちチャイムが鳴った。ダンス練習を終えてからもまだ十分程度あった競技練習の時間を丸ごとサボってしまっていた。
「ふぅ……」
体育館を後にして、日陰から出る寸前のところで立ち止まる。
「水月っ? 体調が悪いんですか?」
「え? いや……ダンスでちょっと疲れただけだよ、上手く出来なかったしちょっとヘコんでるのもあるかな」
「大丈夫なんですね?」
「あぁ……随分過保護になったな、シュカ。まぁ嬉しいけどさ、ちょっと恥ずかしいよ」
はにかんで見せてもシュカは不安げに眉尻を下げたままにしている、彼のこんな表情は激レアだ。堪能したいけれど、申し訳なくもある。
「……もうすぐ本番なのに、ちっとも上手くならないでさぁ……ごめんな? みんな。足引っ張っちゃって」
「全然全然! そんなことないって、そりゃみっつんは股下五kmな上に超絶イケメンだから目立つけどぉ、ダンスの下手っぴさは断然りゅーが上だから!」
「水月励ますんに俺下げる必要ないやろ!?」
「下げてるとかじゃないよ、事実だもん」
「ちょっとダンス上手いからて偉そうにしくさってほんま俺の得意なもんの時覚えとけやカスぅ」
「おーすごい早口、滑舌いいんだね~りゅー」
喧嘩はやめろと二人の間に身体をねじ込む。ハルは俺の呆れと怒りが僅かに混じった表情に見惚れ、リュウは俺の広い背中にそっと寄り添って何やら感じ入っている。仲裁は上手くいったようだ。
「みー、くん……ご、め……なさっ……」
二人が静かになるとカンナがそろそろと俺の傍へやってきた。
「カンナ、何を謝るんだよ」
「ぼくっ……が、むず、かし…………の、作っちゃっ……か、ら」
「いやいやいやいいんだよそんなの、やり甲斐あるって。なぁ」
うん! と大きく頷きながら元気に返事をしたのはハルだけだ。シュカとリュウは揃って目を逸らした。
「……おいお前ら」
「他のグループのんもっと覚えやすそうやし簡単そうやねんもん……」
「簡単なのでも難しいのでも成績変わりませんし」
「せやったら、なぁ?」
「……簡単な方が楽でいいです」
素直なヤツらめ。そんなの俺だって同じ気持ちだ、けど俺がそう言ってしまったらカンナの立つ瀬がないじゃないか。俺は言えない本音を気楽に言いやがって。
「ご、め……なさいっ……」
今にも泣き出しそうな声で謝りながらカンナが頭を下げる。
「ぁ……ちょっと、言い過ぎですよ。他のとこの方がいいとか……泣いちゃったじゃないですか」
「どっちかっちゅーたら成績変わらんから簡単な方がええの方が酷いやろが……!」
「しぐしぐの振り付けレベル高いし可愛いじゃ~ん! こんなダンスそこらのダンス部でも作れないよ!? すっごいラッキーっていうか名誉っていうかぁ! 分かんないかなぁ~」
「そうそう、男子高校生の創作ダンスなんかダサくなりがちなのにカンナのは本格的でカッコイイよ」
「アンタらダンスとか分かんないとか言ってしぐしぐにぜ~んぶ任せたくせに、今更文句とか悪質だっての!」
「俺ら今まで別に文句言うてへんかったやんけ! 強いて言うならみたいな話や今更不満あるわけやないわ!」
「別に踊れますしね、あのくらい。水月と天正さんがド下手くそなだけで、私は特に困ってません。百マス計算、足し算と掛け算どっちやる? みたいな話ですよ、幼い子供には段違いの難易度でもこの歳になれば難易度に差などありません」
「誰が幼子や! 俺そこまで下手やあれへんやろ! 水月よりずっとマシや!」
俺、そんなに酷いのか。
「喧嘩するなよ……踊れるんだからいいだろ、難しくても下手でも。カッコイイし楽しそうじゃん……俺も踊ってみたかったよ」
ヒートアップし始めていた三人は、セイカの仲裁であっという間に沈静化した。
「手足はついてるうちに存分に使えよ、面倒臭がったりせずにさ」
「いや……別に、面倒臭がっとるわけやあれへんねんけど……」
「だからそんな……本気の文句じゃなくて、ちょっとした愚痴なんですって……」
落ち着いたのはいいけど、気まずくなってきたな。これ、空気変えるの俺の役目か? ハーレム主だもんな、いやでもどうすればいいんだ?
「せー、くん……」
「ん?」
「だん、す……した、の?」
「まぁそりゃ、したいよ。見てるだけなの暇だし……天正とか、最初ダルそうにしてても後半いつも楽しそうな顔になるからさ、楽しいのかなーって」
それは知らなかった。目の前のカンナのダンスを真似たり、リズムを取ろうとするのに必死で、他の彼氏達の表情までは見ていなかった。
「……! ぁ、のねっ、ぶれ……く、だんすっ、みた、なの……ならねっ、せーくん、の、振り付け……考、られ……る、よっ。せーくんの、筋力、分かん、な……からっ、まず、それ……しえ、て、くれ……たら」
「え……い、いいよいいよ。体育祭には間に合わないし……間に合っても、多分先生達が踊らせてくれないし」
「……? だん、す……たい、くさい……の、ためだけ、のじゃ……な、よ?」
「いや、でも……」
「本格的、なのじゃ、な……ても、りずむ、のる……けで、うんど……しやす、く、なる……よ?」
「…………そう、なのか?」
「ぅんっ、えくさ、さいず」
「……コサックダンスとかとリズム合わせられるかな」
「こさ、く……? どん、な……のか、知らな……音、送っ……くれ、たら……考え、て……みる」
「ほんと? いいの? じゃあ……」
静かに交流が進む様子を俺達はただ黙って見つめていて、そのうちチャイムが鳴った。ダンス練習を終えてからもまだ十分程度あった競技練習の時間を丸ごとサボってしまっていた。
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