冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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低刺激でも勃つお年頃 (〃)

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他人に見つかってはいけないと何度か話したし、もし見つかった時に最悪何が起こるかも、物部に捕まっていた彼らはよく分かっているはずだ。だが、彼氏達には散々紹介してきたし、ここは俺の自宅、クンネ達がノヴェムを警戒対象と思っていないのは当然のことだ。俺の注意が足りなかった。

《わぁあ……妖精さんだ、可愛い! 緑色の服着てないんだね、お帽子も被ってない……》

俺の手のひらの上で腰に手を当てたポーズを取るクンネの背を見ながら、俺は後悔しため息をついた。

(小学生が秘密を守れる気はしませんが、クラスメイトや教師に小人見たとか話しても誰も信じませんよな。大丈夫大丈夫、ノヴェムくんが不思議ちゃん扱いされるだけでそ)

クンネの存在が大衆に広く知られるような事態は起こりえない、そう自分を納得させる。

《ちょうちょみたいなお羽も生えてないねぇ……隠してるの?》

《なぁミツキ、コイツめっちゃ話しかけてくるんだけど何言ってんだ? ミツキの言葉はなんとなく分かってきたつもりだけど、コイツのはちょっと違うぞ》

「……コンちゃん助けて」

「分かった分かった。のーちゃんは妖精なのに羽生えてないと言っておる、くーちゃんは何言っとるか分からんって言っておるのぅ」

「あ、妖精だと思ってるのか……ノヴェムくん、クンネは妖精じゃなくて小人……? いやコロポックルって妖精じゃないの?」

確かカサネは「コロポックルは蕗の下の人って意味だべ」とか言ってた気がする。なら小人か?

「……小人と妖精って同義じゃない?」

「知らねぇよどうでもいい細かいことばっか引っかかりやがって。羽生えてないタイプとか言っとけよ、アリだって羽アリとか居るだろ」

「アリは巣立ちの時に飛んで、いいとこに着いたら羽自分で落とすんだよ」

「どうでもいいとこ細かいのはオタクの短所だぞ」

「ちなみにシロアリはクロアリと羽の形が違うから家の中に出たらちゃんと見分けて業者さん呼ぶか決めるんだよ」

「……ちょっと話聞きたくなってウズついちゃったじゃねぇか。お前の話なら何でも聞きたくなるのは俺の短所だな」

俺にとってそれは長所だ、セイカが全く触れたことのない作品のコアな話に夢中になって一人で何十分と喋り続けても、セイカはずっとニコニコと俺を眺めてくれている。脈絡なく思い付きで話題を変え、かと思えば唐突に数分前の話題に戻す、最低限人に聞かせるためのマナーすら守っていない独り言を、セイカは楽しく聞いてくれるのだ。それが長所でなくてなんだ。

「たとえとして正しいのは、ダチョウとその他の鳥とかじゃない?」

「ダチョウにも一応翼はあるだろ。だからどうでもいいんだってその辺は、いいのかガキが小人弄り回して」

「ノヴェムくんいい子だからまだ触ってもないよ。ノヴェムくん、そろそろ晩ご飯だからおてて洗いに行こっか」

クンネを胸ポケットに戻し、ノヴェムの手を引いて立ち上がらせる。

《ミツキお兄ちゃん、妖精さん達とどこで会ったの? キノコいっぱいの森? ノヴェムも行ってみたい!》

「この子らは悪い人間に捕まっとったんじゃ。どこ出身か分からんからウチでひとまず引き取ることになった、残念じゃがキラキラふぁんたじぃな森なぞどこにあるかワシらには分からんのよ」

《そうなんだ……も、もしかして、悪い人に羽切られちゃったのっ? 逃げられないようにって》

「元から羽はないたいぷなんじゃ」

《そっかぁ。よかったぁ》

ノヴェムが何を言っているのかはよく分からないが、安堵したような反応だとは分かる。羽がないタイプ、で納得してくれるのか。扱いやすい子だな、本当に。

(子供ってもっとなんでなんでうるさいもんじゃないんですかね)

ノヴェムに手を洗わせながら、彼の聞き分けがいいのは母親の急逝や父親の多忙からなる孤独のせいなのではないかと思い至り、同情から小さな身体を抱き締めた。

「……!? おにーちゃ……?」

「ご飯、食べに行こっか」

「うん……」

小さな手を拭いてやり、その手を掴んでダイニングへ。荒凪が敷いたレジャーシートの上に座り、食事の開始を待つ。

「のゔぇむ、一緒に食べる? 僕達嬉しい!」

「……ノヴェムくん、荒凪くんの隣座ってあげて」

俺の右隣に座ったノヴェムをひょいと抱え、横にズレ、左隣に移す。俺と荒凪でノヴェムを挟む形だ。

「うわ、デカい男に挟まれてる……」

「うるさいぞセイカ、早く座れよ」

「無茶言うなよ、椅子ならともかく床に座るの難しいんだぞ。あぁ、介助はしなくていいからな。秋風待ちだ」

まだ俺の知らぬ義足の不便があったのかと反省しながら立ち上がろうとするも、言葉で静止されてしまった。

《……ぉ。秋風、悪い、座らせてくれ》

ほどなくして義母との会話を終えたらしいアキが不機嫌この上ない表情でダイニングにやってきた。

《ん? あぁ、任せなお姫様》

片手で軽々とセイカを抱き上げると、慣れた手つきで義足を外し、両手でお姫様抱っこをやり直す。レジャーシートの上に並んだ俺達を一瞥し、俺の隣に腰を下ろした。

「にーにぃ、ただいまです」

「おかえり」

《……やっぱ兄貴だわ。はぁ~、ストレス溶ける》

俺の肩に頭を乗せたかと思えば猫のようにぐりぐりと擦り付け始める、甘えているのかな? とりあえず撫でておこう。

《ぅあ~……脳みそじゅわじゅわする》

《大丈夫のかそれ》

《ストレス溶けてる音……》

《んな音しねぇよ》

上機嫌になってきた気がする。撫でるのは正解だったみたいだ、両手で撫でよう。

《あっ、あ~っ……ヤバい、イくかも》

《嘘だろお前》

《流石に嘘。あっでも、勃つかも、ヤバい》

「うわ……な、鳴雷、そろそろ手ぇ止めろ」

「え、なんで? 嫌がってるようには見えないけど」

「喜び過ぎてるんだよ……! 俺の太腿ごりっごりさせてきてやがるんだコイツっ……!」

視線をセイカの太腿に下ろす。胡座をかいたアキの上に座らされているセイカの太腿は、ちょうどアキの股間あたりにある。なるほど。

「……えっ頭撫でられて勃つ? 普通」

「お前普段もっと低刺激でフルだろうが! なんなんだよお前ら兄弟は」

「アキ、続きはご飯の後な」

「ぁ……」

最後に髪を軽く整えて手を離すと、アキは名残惜しそうに俺の手を見送った。そんな残念そうな顔をされては罪悪感で胸が痛む。

《もう終わりか……仕方ねぇな、スェカーチカ、飯食ったらしゃぶってくれ》

《嫌だよ鳴雷とヤれよ!》

《ケツも掘られてぇけどまずはちんこどうにかしてぇ》

《鳴雷にしてもらえばいいだろ!》

《……兄貴に掘られる俺のをスェカーチカがしゃぶる、でどうだ? 前やったろ、アレ超良かった》

《お前そろそろ黙れよお母さん来るぞ》

《あぁ……そうか、残念》

アキはしばらくセイカの耳元でボソボソと話していたが、義母が扉の前に見えると途端に黙って俯いた。
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