冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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真剣な横顔 (水月+レイ・ミタマ・サキヒコ)

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レイは俺の肩に頭を預けて、ミシンを扱う俺の手をじっと見つめている。見ているだけで楽しいだろうか? 話しかけても反応が鈍いから、会話で楽しませてやれない。トラウマをほじくり返したのはやっぱりよくなかったみたいだ。

(でもわたくしが殴られる前からずっとレイどのはレイプ目でしたし、キショくて臭いなんて緩い感想の根性焼きでレイプ目になるとは思えませんよな。じゃあレイどのの主張通り、ハイライトがないのは個性ってことですかな)

無駄にレイを傷付けてしまった。俺は酷い彼氏だ、元カレの方がいい男だったとか言い出さないだろうか。いや、レイを疑うのはやめろ、レイは俺に一途なんだ。元カレの存在を不安に思うのはレイを信じてやれていない証だ、反省しなければ。

「個性名……死魚の目ブラックホールアイ。うーん、字面がヴィラン」

「くーちゃん、ぺーちゃん、ミシンには近付いてはいかんぞ。む? ミシンとは何ぞやと……えぇと、どう言ったものか」

「これが最新の機械……何と速く、正確に縫える物か……凄まじき技術の進歩よ」

レイが静かでも小人達と話しているミタマや、興味津々でミシンを間近で観察しているサキヒコの声があるから、気まずい雰囲気にはならない。いいムードにもならない。

「……よし、一着出来た」

「完成か?」

「帯を作ればとりあえずワンセット完了だよ」

「帯……布を細長く切るだけではないのか?」

「切った後は端っこ縫わないと解けてきちゃうだろ? フェルトじゃないんだから、ちゃんと処理しないとね」

帯を作り終えたらひとまずクンネの分の浴衣が完成だ。

「よし。下着もだけど、靴下も要るかな……靴もかな? 妹ちゃんは髪長いから、ヘアゴムとか髪留めとかもあった方がいいかな。女の子だもんね、色々アクセ欲しいよね。色々買わないとなぁ、ふふ……手芸屋さん行かないと。土曜行こうかなぁ。日用品も色々揃えたいよねぇ。最終的にはドールハウスみたいなのを押し入れの中に作りたいなぁ。借りぐらし~的な、さ? 夢だよねぇ、超精巧なミニチュア……」

「…………楽しそうっすね、せんぱい」

「ハッ……! ぁ、いや、これは」

しまった、つい早口で長々と独り言を話してしまった。気持ち悪かっただろうか、オタク口調は抑えられていたはずだが。

「せーかくんが、好きなこと話してる時のせんぱいの顔が一番好きって言ってたんす」

「あ、あぁ……聞いたことあるよ。変わった趣味だよな」

「せんぱいはくーちゃんの話嫌だと思うんすけど、すいません、ちょっと話すっす……俺、くーちゃんが絵描いてるの横から眺めるの好きだったんす。性欲でも食欲でもない、別の何かに集中してる男の横顔……すごくイイんすよ。せんぱいのそれはミシン使ってる時の顔っした」

「まぁ……集中しないといけないもんだしな……」

「真面目な横顔好きだったんすけど、夢中で楽しそうな横顔もいいなぁって……せーかくんの言ってること、分かるなぁって。ふふ、すいませんダラダラ話しちゃって……せんぱいカッコイイ! ときめく! ってお話っした」

「……そう、か」

超絶美形だという自覚はあるが、容姿そのものではなく表情だとかを褒められると反応に困る。ときめいてもらえるのは嬉しいけれど、その後どう対応するべきか分からない。レイは俺のどんな返事を待っているのだろう。

「きっとこれからもどんどん、知らないせんぱいの表情とか一面どんどん見つけてくんすよね、俺……すっごい楽しみっす!」

「……俺も同じ気持ちだよ。レイの色んな顔や気持ちが知りたい。さっきはごめんな、泣かせちゃって……泣き顔だけはもう見たくないよ、可愛かったけどさ」

「せんぱい……えへへっ、せんぱいと居ると幸せ過ぎてたまに泣いちゃうんすけど、それも嫌っすか?」

「喜んでくれるのは嬉しいけど、泣き顔はやっぱりドキッとするよ」

出会ったばかりの頃、レイは母に紹介されたり合鍵を渡されたりといった簡単なことでも泣いて喜んでいた。あの涙を見た時かもしれないな、絶対に彼を幸せにしようと心に誓ったのは。

「正面から見る笑顔が一番好きかな、俺は」

「……! えへへっ」

「そうそうその顔……はい二着目完成」

「わ、早かったっすね」

「探り探りの一着目よりはそりゃ早く完成するよ」

クンネの浴衣は紺と白のボーダー、妹の方は小花柄、それぞれ浴衣を渡す。

「着方分かる? あ、ペケレちゃんは俺らの前で着替えらんないよね。えっと……この箱の中とかどう?」

二人をダンボールの中に入れてベッドの上に置く。覗こうと思えば上から覗けるが、そんなことをする意味はない。

「着替えられたら言ってね」

「ふんどし作るんすか?」

「うーん……まぁ一応作っておこうか。流石に本には乗ってないな、作り方」

「ただの紐っしょ?」

「何よこの下着、ほとんど紐じゃない……! ってコト? 平たい紐くらい切らなくてもあるかな……あった、これどう思う?」

「いいんじゃないすかね」

「長さは……えーと、人間用の十分の一って計算でいいのかな、クンネ十五センチくらいだし」

「いいんじゃないすかね」

本当に考えて返事してるのかな……別にいいけど。

「このくらいかな。よし、クンネ。ふんどし巻いてみて。巻き方分かる? 俺よく分かんない……サキヒコくん教えてあげてよ」

「分かるから構わないが……私は褌を身に付けてはいないぞ?」

「パンツって意外と古いっすもんね」

「いや、私は……その、何も……着けていないのだ。その方が美しいと主様に言われていたし、主様もそうしていたし……」

「あの上品なおじい様ノーパン派なの!? えっ……えぇ、当時はネザメさんそっくりなあの美少年がノーパンで過ごしつつ従者にもそれを勧めて……!? エッッルォオッ!」

思わず巻き舌になるほどの衝撃だ。

「主様をそういう目で見るな! 薄手の着物は繊細で、下に何か身に着けるだけでそれが浮き出て美しくなくなるのだ、美意識が強いだけだ主様は! ミツキのように妙な趣味などない!」

「ご、ごめんごめん……ネザメさんとは違うんだもんね」

「……あぁ。あまり言いたくはないが、ネザメ様は少々……趣味が、その…………従者にもお手つきをする始末……全く情けない、何故断れなかったんだ。年積家始まって以来の不祥事だ」

「サキヒコくんはツザメさんの性処理とかしてないんだよね?」

「する訳ないだろうそんなこと!」

開発済みのミフユの抱き心地は最高だったし、寝盗っているような気分も味わえてよかった。だが、無垢な子を自分の色に染め上げるのは男の本懐。サキヒコに手を出す日が楽しみだ。
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