ポチは今日から社長秘書です

ムーン

文字の大きさ
497 / 566
郊外の一軒家

すりっぷ、じゅう

しおりを挟む
白いシースルーのスリップは、褐色の肌をほとんど隠さない。尻を全て隠すほどの丈はないスリップは、勃起して女性用下着から飛び出した陰茎を隠さない。

「……っ、あぁあ……はっ、ぁ……見な、いと」

絶頂したばかりで敏感な腸壁は中途半端に咥えたままのディルドで快感を得る。絶頂の少し前から絶頂中まで仰け反ったり目を瞑ったりしてしまっていた、鏡に表示された時間はあまり進んでいない。

「ふっ、ふぅっ……んっ、んんぅ……」

褐色の肌が透けて見える。天を突くように尖った乳首の色も何となく分かる。シースルーなんて、服としての意義を失っている。下着だからいいというものなのか?

「……は、ぁ……ぁあぁ……」

鏡の下の方が白濁液で汚れている。射精して少し冷静になったからだろうか、乳首の勃起を鏡で確認なんてしてしまったのは。外で弄ってしまったことを思い出したからか、また疼いてきた。

「…………ユキ様、ユキ様ぁっ」

乳首を弄りたい。いや、弄って欲しい。たとえ手が縛られておらず自らの手で乳首を虐められたとしても、鏡や床に胸を擦り付ける程度の自由が与えられていたとしても、俺は雪兎の名前を呼んだだろう。

「ユキ様っ、お願いします、お願いしますぅっ! 乳首、乳首ジンジンしてっ、もうダメ、疼いて、もうっ、我慢出来ないぃっ……」

「うるさいなぁもぉ本読んでられないじゃん。あれ、まだ二十分しか経ってない……もう三十分ちょっと経ってるよ? 十分どこやっちゃったのさポチ」

「ユキ様、ユキ様っ? ぁ……お、お願いしますっ! 乳首触ってください、ユキ様……ユキ様にして欲しいんですっ」

「本読みたいから二時間は一人で遊んでって頼んだでしょ? あれ、ディルド動いてないじゃん。なんで?」

「へ……? わ、分かりません……最初から全然動いてなかったんですけど」

そういえば鏡の前に座らせられた時、雪兎はディルドを動かすと言っていた気がする。ピストンはなしとか、スイングがどうとか……鏡を見続けなければならない苦痛と自ら得た快感で忘れてしまっていた。

「電池切れちゃったのかな。動いてなかったんなら言ってくれなきゃ」

「ごめんなさい……」

「そんな落ち込まれたら怒るに怒れないじゃん。とりあえず抜こっか」

「んっ、ぁ、あっ、めくれっ、ひぁあっ……! ぁああんっ!」

雪兎は正座をしている俺の太腿の間に手を入れ、ディルドの持ち手を掴んで無理矢理引っ張った。一度絶頂を迎えた俺の後孔はディルドに吸い付いており、腸壁がめくれて後孔の縁が盛り上がった。

「んっ、ん……ふぅっ、ふうっ…………ゆき、さま」

「あー……電池切れてるね。電池……ないなぁ、切らしちゃってるや。ごめんねポチ」

ディルドのスイッチをカチカチと鳴らした後、雪兎は机の引き出しを探った。電池は見つからなかったようで、ディルドを置いて俺の頭を撫でた。

「んん……」

小さな手で髪をくしゅくしゅと撫でられ、心地良さに表情が蕩けてしまう。しかしそんな自分の姿が鏡に映り、現実に引き戻されるような感覚に襲われた。

「ポチ? どうしたのさ、なでなで好きでしょ?」

「……鏡が、その……気になって。やめませんか? これ。俺、自分見るの……すごく嫌で」

「せっかく作ったんだからダーメ。嫌ならいいじゃん、やなことされるの好きな変態なんだから。ほら、別の玩具持ってきてあげたから、今度はこれで……えーっと、後一時間半くらいだね」

コード付きの貼るカイロのようなものが二つ、下腹に貼られる。コードの先はボタンやツマミのある箱型の機械に繋がっており、そこから更に伸びたコードは部屋のプラグに繋がっている。電池切れの心配はないだろう。

「これ……低周波で、腹の中ぐちゃぐちゃになるヤツ」

「ぐちゃぐちゃになるかどうかは知らないけど、ポチの弱いところに電流で直接刺激を与えちゃう玩具だよ。前に使ってあげたヤツのマイナーチェンジ版、まぁ操作面での変更ばっかりだからポチはバージョンとか気にしなくていいんだけどね」

今まで何度も使われてきたこの装置、腹の中の性感帯を直接揉まれるような快感を与えられ、強制連続絶頂に陥るこの装置は、正直苦手だ。だが、我を失うほどの快感があれば鏡を見ていても精神的苦痛を感じずに済むかもしれない。そうなるよう願おう。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。

少年達は吊るされた姿で甘く残酷に躾けられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

疲弊した肉体は残酷な椅子へと座らされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...