愛されすぎて、夜が足りない

ぴょす

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午後7時、欲望が届く

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──今日もまた、彼だった。

いつものアプリからとりあえずの夕飯を頼んだだけ。
ただ、玄関のチャイムが鳴って、ドアを開けただけ。
手渡しで、向かい合うのはほんの数秒。

別に愛想が良いわけじゃない。でもマスク越しの目元と、透き通るような優しい声がたまらなく性癖に刺さる。

「ご注文ありがとうございました。」

たったそれだけなのに。
商品を受け取って、扉を閉めたあと、心臓がうるさくて仕方がないんだ。

……まただ

手元の紙袋を床に置き、背中がずるずると壁に落ちていく。

マスクで隠れていたけれど、彼の目元の整い方、首筋、指先。はっきり見えたわけじゃないのに、脳が勝手に補ってしまう。

あの声、あの距離、あの体温。

何度目だろう。
同じ行為を、同じ場所で繰り返している。
誰にも知られずに済むはずだと、勝手に思い込んで。

最低だ……

分かっているのに、止められなくて罪悪感で死にたくなる。
その場から動けないまま、思考が彼のことで塗りつぶされていく。

玄関の静けさが、余計に鼓動を浮き彫りにした。誰かに見られているわけじゃないのに、視線を感じるようで……それにすら興奮する自分が嫌になる。

いつの間にか指だけじゃ足りなくなって、太めのディルドを自ら突っ込んで女みたいに喘ぐ。少し前までは玩具なんか使わなくたって、相手なら引くて数多だったのに。彼に出会ってからは、もう誰にも抱かせていない。

そのせいかな…最近の性欲がヤバいのは。

「あ、ぁ゛…っ゛♡…やば、♡♡、締め付け、すご゛♡♡♡おく…っ゛♡」

今日の彼も綺麗だった。切れ長の瞳は濡れたように艶やかで、睫毛の影が妙に色っぽくてさ。肌の白さと骨格の美しさが、マスクの下まで想像させるから、今夜も慰めが捗る。

「ごめんなさっ、こんなこと…だ゛め゛ッッ♡♡♡なのにい゛ぐ…っ゛♡♡」

彼の淡い金色の髪が好きだ。陰影を際立たせる黒のセットアップは、彼の細身の輪郭を想像させた。華奢なピアスが揺れるのを見てそれだけで勃起した。

「まっ、て♡こんな、でかい…のっ♡むり゛…いッ♡」

勝手に彼とのえっちを想像して、気持ち良くなってる。ネロリの香りが彼の香水。ほんの僅か…残り香を探して俺は夢中で絶頂を求めてる。

「い゛っ♡ん゛っっ、♡きもちい…っ♡気持ち良いっ…♡」

彼に抱かれたい。ほんとそれだけ。撫でるように優しい指と強引なキスで、全部壊されてみたい。彼に手を引かれて、壁に押しつけられて、服を脱がされて。ゆっくりと中に入ってきたかと思えば、激しくされたい。

「ぁ゛っ、あぁ゛っっ、……イく…♡♡♡」

誰にも見られていないはずなのに、どこかで見られているような気がして、余計に興奮する。

もういっそ、バレてしまいたい。

考えただけで、背中が熱くなる。この身体全部、彼に支配されたい。この欲望ごと、抱きしめられてしまいたい。

「……っ……ん♡く……ぁっ♡♡♡」

指先が震える。胸の奥がきゅっと締め付けられて、名前にもならない吐息が喉を抜けた。





──終わったあと、いつもこうだ。

何もない玄関。冷たい床。どうしてこんな場所で、と自分に問いかけるのももう何度目か。

俺はお決まりの罪悪感と膝を抱えて、シャツの袖で額の汗を拭った。深く息を吐いて、立ち上がろうとした、その時。

「あの、すみません。」

乾いた音をたてて、インターホンが鳴った。鼓膜に響くその声。優しくて綺麗で少し低い。けれど、今日だけは違って聞こえる。

「さっき、渡し忘れたものがあって」

と言われたら開けないわけにもいかない。
玄関を開けると、やはり彼が立っていた。そして思わず声が漏れたのはマスクが外されていて、その美顔と目が合ってしまったから。

輪郭が綺麗すぎて、現実味がない。整った鼻筋、くっきりとした目元、口角の形すらも計算された彫刻のようで…。血色の良い唇には息すら忘れた。

「お兄さん、警戒心無さすぎません?」

「……は?」

彼の顔付きが変わる。声のトーンと纏う空気が物語ってる。彼が俺に何を言いにきたのかって、分かってしまった。

「ねえ、ずっと気づいてましたよ」

「……何、を」

「僕が来たあとはいつも、静かになったここで……お兄さんの息遣い。玄関の向こうでずっと聞こえてました」

「──っ」

「音、漏れてましたよ?…僕に聞かせたかったんですか?」

「……ちが、そんなわけっ」

「でも……興奮しました。僕の事何も知らないのに、そんなふうに欲しがってくれるなんて」

冗談まじりのその声と同時に、彼の指がすっと俺の顎に触れる。くい、と持ち上げられた視線の先、挑むような笑みを浮かべた彼の顔に、堕ちないわけなかった。

「正直、最初から抱くつもりで戻ってきました」

「……っ」

「お兄さんだって僕のことが欲しいんでしょ?だったら、ちゃんと僕に抱かれてくださいよ。今度は、本物で」

「……待っ…!」

彼は屈み込み、今さっきまで俺の中にいた"彼の代わり"を拾い上げる。そしてその端を、わざとらしく鼻先に寄せた。

「……これ、まだ香り残ってますね。男の興奮してた匂い。」

「っ……やめろって !」

「真面目なスーツ姿で、ドア越しに勃たせて、僕の声聞いて、想像して、こんなの突っ込んで。……ほんと変態ですね」

「……っ」

「こんなのじゃ当たんないトコ、当ててあげますから覚悟してくださいね。」

狭い玄関に男が2人。近すぎる距離。肌と肌が触れているわけでもないのに、香りが体温に絡んでくる。ぎゅっと目を閉じたらもう最後。彼の親指が口元をなぞる。熱がそこに集中して、絡み始めた舌にまるで初めてのようなうぶな反応しかできなくて…

……まずいって、こんなの……冷静になれ

心のどこかで、ブレーキはかかっていた。こんなこと、するべきじゃない。相手はきっと年下で、何を考えてるのかも分からない。

でも……こんなふうに見られたこと、ない。

彼の指が、シャツ越しに腹部をなぞるから、今さっきまで慰めていた秘部が熱を持ち始めた。

「……す、んの……?」

「ここまでやらせといて、“なにもしないで”って、逆に酷くないですか?」

「でもっ」

「なんで?お兄さんが誘ったんですよ。毎回、毎回、物欲しそうな顔して、ドアが閉まればすぐあのエロい声出して、あんな事しといて何急にビビってんですか。」

彼は身を屈め、ちょうど耳元の高さに顔を寄せる。薄く笑いながら、まるで手懐けた奴隷を見下ろすような目をして。

「もう何度も我慢してあげたんですから。諦めて下さい。」

揺れる小さなシルバーのピアスが、彼の危うさに拍車をかけている。彼は、自分の胸元にあるファスナーを指先でゆっくりと下ろしていく。黒いインナーの下からは、汗のにじむ鎖骨と、しなやかに盛り上がった胸筋が覗く。

「……見たいんでしょ、こういうのも」

視線が泳ぐ。その艶のある胸元に吸い寄せられた瞬間、喉が音を立てて鳴った。

「でもだめですよ。今からお兄さんは僕のオナホですから。一目でどちらが優位な立場かって分かるようにしないと。」

少し開いたファスナーの隙間から覗く筋肉は、細身の印象を裏切るように、しっかりと鍛えられていて、もっと見たいのに俺にはその権利がないらしい。

ただ美しいだけじゃない。近寄りがたくて、手に入らないって本能で分かる美しさ。付き合いたいなんてそんなおこがましい事は初めから思ってなんかない。

喉が乾いて、息がうわずって、なのに言葉ははっきりと口をついて出た。

「なら……早く…オナホみたいに…使って欲しい…」

シャツも、ネクタイも、肌に張りついた下着さえも脱がされて、友達すら入れた事のない部屋の玄関で、自分だけが裸にされていく。

羞恥と興奮の狭間で呼吸がうまくできない。さっきまであれほど欲しかったはずなのに、体中を這う視線に晒されながら、急に現実が襲ってきた。

「……やっぱり、俺、こんなこと……」

声が震える。情けないと思っても止まらない。

「俺たち、まだ……なにも知らないのに……こんな……」

彼は少しだけ顔を傾けて、俺の目をじっと見た。どこまでも澄んだその瞳は、見透かしたように穏やかで何故か泣きそうになった。

「やめたいなら、やめましょうか?」

「……っ、それは……」

「じゃあ、どうするんですか?」

低くも高くもない、どこか中性的なその声が耳に優しく響いた。でも彼はここで踏み止まるつもりなんてなかった。

「ねぇ、ほら、お兄さんの中入りたくてしかたないってなっちゃいましたよ。」

気づけば背後を取られていて、視線を動かすより早く、ぴたりと尻に彼の興奮が当てられた。

「や、やめっ、急にはっ…」

「うーわ……ぐっちゃぐちゃ…」

彼の手が、片方の尻をぐっと掴んでいきなり広げるから、残っていたローションが彼の指を汚してしまったらしい…

「てかこれならもう良いですよね」

ぬぽ…ぬぽ…と…2、3回彼の指が中を彷徨って、引き抜かれて、情けない声が吐息と一緒に溢れた。

「ふ、え゛…っ?♡、まっ、て、……♡♡♡」

「あー…………えろすぎ…♡こんなえろい身体してたんですね…細いなぁとは思ってましたけどちゃんと鍛えてる身体してるじゃないですか。あ、もしかして性欲やばすぎて筋トレで誤魔化してるとか?」

「う、っ…せえよ…」

彼の指が、自分の腰をしっかりと抱え込んだ。息を呑む間もなく、彼の熱が背中にぴたりと貼りつく。

「きっつ……」

低くもなく、高すぎもしない、あの澄んだ声が、やけに近くに聞こえる。その声音に、鼓動が跳ねる。

「ま゛っ、…で♡、だめ、ま゛♡、…だ…準備できてなッ♡….ひッい゛♡~~~~っっ♡、や゛っ♡、あ゛、挿入っ♡て、あ♡♡♡♡」

「あれ♡ディルドなんかと比べものにならなくてびっくりしちゃいました?ほらほら、目飛んでるし、お口も閉じて、ちゃんとオナホとして頑張ってください♡」

そんな声で……そんな事言うなんて…ずるい…
抜かれそうなところでまた奥にクる…
一番奥の肉壁をぐりぐりされて…

「や、っば…♡、い゛ッ♡奥ばっか、…っ、それ、や゛だッッ゛♡や゛ッ♡だめ…ッ♡」

「声我慢しましょうね、勝手にイくのもだめですよ」

って言いながらわざと奥ガン突きしてくんのマジで性癖。ぱんっ♡ぱんっ♡って…ゆっくりだけど深いピストン。だめって言えば言うほど奥をえぐられるし、やだって言えば言うほど勢いが強くなる。

「んお゛ぉ゛ッ゛♡壊れるッ♡う゛ッ♡ディルド♡なんかよりっ、このちんぽ♡すきッ♡すきッ゛ ♡ぉ…♡お゛っ♡」

「もーこれ…交尾ですねっ……最高…」

「っ、ナカ、へん゛ッ♡に、なっ♡そんな激しくぱんぱんされちゃッ♡♡…ん、ん…………ッッ♡♡…」

「ちんこハメられるまでは歳上のおにーさんて感じだったのに、ソッコーぐずぐずんなってて可愛い♡ディルドなんか突っ込む変態ケツまんこに優しくする気ないんで♡このまま抱き潰しますね♡」

「ひっあ♡あ♡あ゛ぁ゛ぁ"…………♡♡♡」

粘膜同士がぬちぬちと音を鳴らし合ってエロすぎる……頭ん中バカなって、気持ち良い事しか考えられない…

「お゛♡ぉ゛♡ちんぽ♡おちんぽで奥とんとんって♡♡ん゙ ♡ お゛ッ♡♡ん゛ぉ゛♡♡んあ゛ッ…♡♡♡すごッ…♡」

「ほんと……すごい顔してる。もう、自分がどうされてるか、分かってないでしょ?」

後ろから俺を組み敷いたまま、手で口を塞ぎながら。そんな風にずっと責められて、もうだめ…♡こんな気持ち良いセックスした事ないっ…♡

「僕が支えてないと、立ってもいられない。そうでしょ?」

唇が耳に触れるほど近くで、笑いながら腰を揺らす。快感に涙がにじむ。けれど逃げ場も、言葉もない。

「声、我慢してください。誰かにこんなみっともない姿知られて嬉しいなら、別にいいですけど」

彼の言葉にはまるで情けがない。そんな一言一言に、自分がどれだけ追い詰められているかを感じてしまう。

「ほんと、便利な人ですね。口で言わなくても、身体が全部教えてくれる」

首筋を舐めて、彼は一瞬手を口から離し、顔を覗き込んだ。その顔の美しさっていったら…もう…淫魔みたいで……

「ねえ、僕に使われるの、そんなに好き?」

羞恥と興奮で反論すらできない。そんな俺を見下ろしながら、彼はもう一度、口元に手を添えて塞いだ。

「いいですよ。ずっと黙って僕に抱かれてれば」

その目には、薄い笑みと共に、深く底知れぬ欲望が宿っていた。まるで「お前は俺のもの」と、静かに、執拗に刻み込むように。

扉に頬を寄せて「イグ…♡ イグ…♡」って彼の手の中で囁けば、「良いですよ」と甘い声が俺を甘やかす。もう我慢の限界。びくびくと跳ねる身体で掴んで彼を離してなんかやりたくなかった。

「……ぁ♡♡出てるッ……♡♡♡」

勢い良く絶頂を迎えたあとも、彼の動きは止まらなかった。

「っ……もう、無理……」

後ろから彼の手が腰を掴んで逃さない。そんな気はしてたけど、いざされると身体がぶっ壊れそうだ…

「ダメですよ。僕、まだ終わってないんで」

掠れた声なのに、どこか平然としてる。彼の熱は収まる気配もなく、まだまだ硬いそれで俺の奥を責めた。

「……も…ほんと…死ぬ…っ…」

「僕もちゃんと、気持ちよくなりたいんですよ。だから、もうちょっとだけ我慢してください…」

そう言うと、彼に耳を甘噛みされてまた声が跳ねる。熱を帯びた身体が重なり、さらに深く、深く沈んでいく。生々しいけれど体液が混ざり合う感覚が迫る。

「そんな可愛い顔して。……先にイったくせに、まだ感じてるでしょ」

「ぅ゛ッだってッ♡♡イったばっかなの、にッ…♡こんなのされたらッ♡気持ち良いに決まっ、♡あっ、ぁ゛ひ♡♡ぉ゛♡」

「僕も……これは耐えられない、です」

「~~~~ッ♡♡♡♡」

前髪を掻き上げる仕草まで完璧なのズルい。すべすべの肌が汗ばんでるのも堪んない。わざとどろっどろのちんぽ抜こうとして意地悪してくるのも好き…♡

「いいからッ……抜かないでッ♡♡♡ちんぽでずぼずぼしてッ♡♡♡最後までッッ…♡♡♡」

「良いんですか、ゴム…してないのに…」

口を塞がれたままの俺は息も絶え絶えで、頷く。彼の凶器にも似た棒が下腹を押し上げて、形を分からせてきて、何回も、何度も、内臓を押し上げてくる……

「好きッ、、♡♡おっきぃちんぽでッ♡まんこぐっちゃぐちゃにされるの好き、、ッ♡♡好きッ、、♡♡」

「好き?いちばん?」

「っゔ♡ぅうう♡ん♡いちばんッッ♡♡」

「お兄さん…頭おかしくなってきちゃいましたね♡さっきから恥ずかしい事いっぱい叫んでるの、分かってます?」

こんな姿、晒すつもりじゃなかった。何度そう思っても、口は勝手に動くし、身体の奥を突かれるたび、甘い声がこぼれるの、やめられないんだ…

「やだッ♡そこッッ♡、、また、そんな……っ♡ちんぽで好きって♡♡言われてるみたいでッッ♡気持ち良すぎて…♡もう♡…………ッ」

「ちゃんと自覚して♡もう僕のオナホだって♡ちんこで分からせてあげますから♡」

「お゛ッ♡♡ぉ゛♡ん♡おなほ♡おなほなるッ♡ぁ、イグ♡♡どちゅどちゅされンのやッば、、、♡全部ちょーだい♡ぜんぶ♡ナカでいいからッ♡~~~ッ♡」

頬を撫でる汗がぬるくて、首筋に流れ落ちて、床に落ちた汗と熱気に包まれて、この雄の匂いで射精できそ…ぱやぱやの頭で俺は彼を想うけれど、これが恋じゃないことくらいは分かる。

それなのに。

「……ほんと、好き……」

──好き?
好きって言った?

後ろから突き上げられるたびに、身体の奥が揺さぶられて、もう何も考えられなくなりそうだ。
それでも、あの顔を見たくて俺は疼く。
だってどんな顔して「好き」なんて言ってくれたんだって、自分のせいで、理性を失って、欲望に溺れる彼の表情を、どうしてもこの目で焼きつけたいって、思ってしまった。

「……っ♡は……っ♡……顔……見たい……」

振り返ろうとする肩に、颯の手が添えられて、ぐっと押さえられる。

「だめ……です…」

吐息混じりの囁きが、耳元に触れる。そんな声で、だめなんて言われたら。

片方の肩をぐいと捻るようにして、無理やり視線だけを後ろへ向けてやる。

「……っ……あ……」

そこには、欲に剥き出しの彼がいた。
整った顔が、熱と欲で歪んでいて、クールな面影はどこにもない。眉が寄り、濡れた唇がわずかに開いて、喘ぐように息を吐いている。

──ああ、こんな顔。
俺のせいで、こんな顔してんの…?

「……っ、やば……っ……イく……」

彼の声が震え、突き動かす腰の動きが一瞬だけ乱れて吐息と共に、彼の動きが止まった。

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