愛されすぎて、夜が足りない

ぴょす

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19歳とのえっちがいいなんて

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翌日

オフィスの空気に、キーボードを打つ乾いた音がぽつり、ぽつりと鳴っていた。
上司たちの指が淡々とキーを叩くたび、無機質なリズムが静かに空間を満たしていく。

俺のため息が一つ、溶けた。

モニターには資料の画面が開かれているが、視線は明後日の方向。内容なんて頭に入ってこない。

「……集中、しろって……」

小さく自分に言い聞かせながら背筋を伸ばすけど、胸の奥がざわついてどうにも落ち着かない。

昨夜のことが、頭から離れない。

身体を支配されるみたいに、あんなふうに抱かれて、乱されて。
その余韻がまだどこかに残っている。感触も、熱も、言葉のひとつひとつも。

そして、あのあとの事も。





「……連絡先、教えてください。」

服を着る間もなく、ソファに身体を預けていた俺に、彼は、少し乱れた前髪の奥から目を覗かせて、そう言った。

ぼんやりしたまま、理性も判断力もどこかに置き忘れて、俺はスマホを差し出していた。
その指先に軽く触れただけで、また熱が蘇りそうで、怖かった。

「次、いつ空いてます?」

その声が妙に自然で、日常と非日常の境界が崩れる音がした。

気づけば……次の約束まで、していた。





「……何やってんだ、俺……」

デスクに肘をつき、こめかみを指で押さえる。

こんな関係、続けていいわけがない。
向こうはどう思ってる?
本気なのか、遊びなのか。
だいたい、年下で、配達で来てた相手に何をやってんだ俺は。

仕事の進捗なんて一ミリも進まず、画面の時計の数字だけが容赦なく進んでいく。
本当にメッセージが来るんじゃないかと、スマホの通知が鳴るたび心臓が跳ねる。

でも、また会いたいと思ってしまっている自分が、誰よりも厄介だった。

そして、ミーティングの5分前だった。
ポケットのスマホが震え、画面には見覚えのない番号。

まぁ、十中八九あいつだと思いつつ、出る。

「仕事中ですよね。すみません」

やっぱり、あの声。甘く、涼やかで、どこかくすぐるような。俺は慌てて会議室前を素通りし、トイレの個室に滑り込んだ。

「……どうした?」

「ただ、声が聞きたかっただけなんです」

悪びれもせず言われて、思わず心臓が跳ねる。

「……てかお前さ、俺の番号、どうやって」

「昨日、教えてくれたじゃないですか。記憶ないんですか?」

「いや……あのとき、まともな判断できてなかったし……」

「うん、かわいかったですよ。ぐちゃぐちゃで」

「……っ、やめろ」

「じゃあ、名前だけでも教えてもらえます?」

「……え?」

「僕は颯って言います。風の“はやて”って書いて“はやと”って」

「……颯」

「そう、颯。で、お兄さんは?」

「……俺は…………侑成…」

「ゆうせい……侑成さん…」

嬉しそうに何度も口の中で転がすように繰り返される。名前を呼ばれたのなんて本当久々だ。

「そっか。やっと名前、聞けた。」

まるで恋人の名前を覚えるみたいに、軽くて柔らかくて。俺は唇を噛みそうになった。

「……そもそもさ、俺ら、名前も知らないで……昨日みたいなこと」

「だから今、知れたでしょ。僕はそれで全然いいと思ってますけど?」

颯はまるで悪びれた様子もなく、むしろ声に弾みがあった。

「……軽すぎだろ、お前」

「侑成さんが、重いだけじゃないですか?」

「……俺、仕事戻んないと…」

「はい。お仕事頑張ってくださいね。」

短くそう言って、通話は切れた。スマホを握ったまましばらく動けなかった。名前を知っただけなのに、こんなにも熱くなるのは、どうしてだろう。

ミーティング中だって、昨夜の事ばかり思い出してしまった。それに、電話で名前を呼ばれただけなのに、どうしようもなく浮かれている自分が、正直ちょっと気持ち悪い。

……いや、ほんと、何やってんだ俺。

まだ付き合うとも決めてないし、ちゃんと告白されたわけでもない。颯が本気かどうかだって分からないのに、なんでこんな、浮ついた気分になってるんだろう。

罪悪感も、ある。
年下のまだ学生みたいな子に、流されるまま体を許して、自分から抱いてくれなんて、言って……。

俺、今まで「セフレ」みたいな関係しかないのに。
恋人って存在は、生まれてこのかた一度もいないのに。

何かが始まる前に、引いてしまう。面倒くさいとか、傷つきたくないとか。そうやって誰ともちゃんと向き合ってこなかった。

それなのに今、名前しか知らない相手に、こんなにも揺さぶられてる。

罪悪感の奥で、小さく喜んでる自分がいる。
「好きだよ」なんてちゃんとは言われてないのに、たった一言の名前呼びで、胸が高鳴ってる。

……やばいな。
好きになる前に、ちょっと冷静にならないと。

でも、次にあの声を聞いてしまったら、簡単に落ちてしまいそうだ。あいつの前では、ちゃんとした大人でいたいのに。

結局、仕事はほとんど手につかなかった。
会議の内容なんて右から左。メールも読み飛ばして、後で青ざめる未来しか見えない。ふらつく足取りで会社を出て、無意識にスマホでデリバリーアプリを開いた。

でも

「颯が来たら、嫌だし……」
「……颯じゃない人が来ても、嫌だし」

ひとりごとをぼやいて、注文ボタンを閉じる。

何をしても、どこかに颯がちらつく。そんな自分に呆れながら、重い足取りでマンションのエントランスに着いた。

その瞬間。

「あ、帰ってきた」

声のする方に顔を向けると、そこに立っていたのは、まさかの颯だった。

「え、なんで……?」

俺の呆けた声に、颯は肩をすくめて言う。

「昨日の夜、今日また会うって言ったじゃないですか。」

それ……今日だったのか…。さらりと、当然のように言われて驚きと戸惑いと、ほんの少しの嬉しさが、胸の中でぐちゃぐちゃに渦巻く。

照明に照らされた颯の顔は、昨日よりも大人びて見えた。
艶のある金髪はセンターで分かれ、落ちた前髪がその綺麗な目にかかっている。派手な色なのに下品さはなく、むしろその顔立ちを際立たせている。くっきりとした彫り、整った鼻筋、まっすぐに俺を見る視線。まるで、雑誌からそのまま抜け出してきたような、美しさだった。

それが、俺のことを見て微笑んでるなんて。
こんな現実、受け入れられるわけがない。

「そんな約束覚えてねーよ」

思わず漏れた声に、颯は軽く笑って言った。

「来てほしくなかったですか?」

「……そうは言ってない、けど」

俺の頬がほんのり熱を持ったのに、気づかれていないことを祈りながら、エレベーターを開けた。

「……侑成さん、緊張してます?」

リアルでの名前呼びの破壊力。これやばいかも。体温を感じてもおかしくない距離に立たれて、咄嗟に一歩だけ後ずさった。

「してない。お前が勝手に近いだけ」

「そっか。いや、顔真っ赤なんで」

「は……?どこがだよ」

「うわ、ツンツンしてる。かわい~」

「はぁ?」

にやけた声で揶揄われて、俺はムキになってしまう。それがさらに颯のツボに入ったようで、口元に笑いが広がる。こっちはもうその笑顔にもきゅんきゅんしてるってのに、颯はずっと余裕そうで。

鍵を差し込み、ドアノブを回す。鍵が開いて昨日と変わらない玄関がそこにはある。俺が靴を脱ごうとした瞬間、颯が可愛い事を言い出した。

「……ただいま、ですかね?」

「誰が帰ってきたんだよ」

「僕が、侑成さんのとこに」

「お前ほんと、軽いんだよ、言うこと」

「えー本気なのに?」

そう言って、颯がさりげなく俺の手から鍵を取って、そっと扉を閉める。

カチリと鍵がかかる音が、なぜか部屋の温度を一段上げたように感じた。

「今日は手、出さないんで」

「……最初にそう宣言するやつが一番信用ならねぇんだけど」

「じゃあ、信じてみてください。僕のこと、ちょっとずつでいいんで」

そんなふうに言われたら、何も返せなくなる。颯の声は、優しくて、あざとい。なのに、嫌味がない。

俺は視線を逸らしながら、靴を脱いで、そっぽを向いたまま呟いた。

「手洗ってくる」

「一緒に手、洗っていいですか」

「……勝手にしろよ」

素っ気ない態度を取りながら、心の中は甘えたくてしかたなくて。もう勝手に抱かれる気でいた。

蛇口から流れる水の音が、やけに響いた。

手のひらにぬるい水を受けながら、汗ばんだ首筋が気になってネクタイを緩めてほしくなる。

そんなふうに思った瞬間、背後に気配が寄る。

「……やっぱり、今日も顔、かっこいいですね」

不意打ちの低い囁きと同時に、後ろからぴたりと抱き込まれる。服越しに感じる体温と、指先のゆるやかな圧。俺は咄嗟に肩をすくめたけど、ぎゅっと手が重なった。

「……っ、お前な……いきなり、何してんだよ……」

「なにって、褒めてるだけですよ」

「抱きつく必要、ある?」

「あります。昨日、あんなに可愛かったんで。……忘れられないんですよ」

その声が耳のすぐそばで、艶を帯びて届く。鏡越しに目が合った。至近距離に心臓が壊れそうだ。

「……やっぱ反則だろ、その顔」

「え?」

「……なんでもない」

まるで呪いみたいだった。鏡に映るその視線から、逃れられない。甘くて、優しくて、それでいてどこか欲を隠していない視線。こんなの、誰だって堕ちる。

「昨日、侑成さんが僕の指、咥えてたとき……あれ、本当に綺麗だったなって思って」

「……っ……」

「声も、全部可愛かったです。身体も綺麗で、」

「……っ、ば……、言うな……」

「思い出しただけで、興奮しちゃいます」

「お前ほんと、……ずるいよ」

「はい。侑成さん限定で、ずるいです」

首にそっと頬を寄せて、颯のふわりとした髪が揺れて、顔の良さが反則みたいに映る。

「…………今日はしないの?」

「は……?」

「僕、侑成さんが言わない限り、何もしないって決めてるんで」

「……っは、言うかよ……っ」

「ほんとに?じゃあ、今日は我慢かぁ」

そして、また押し当てられる熱。したいかしたくないなら、したいに決まってるだろ。でもそんな事言いたくない…言っていいのかも分かんないのに…

「……ん……っ」

小さく喉が鳴った。気づかれたのか、颯がくすっと笑う。

「……侑成さん、ちょっと反応した」

「うっせぇよ」

「じゃあ……どうします?僕は準備万端ですけど」

焦らすように、でも決して越えないライン。なのに、頬も、耳も、手のひらも、熱くてたまらない。自分から欲しいなんて、言っちゃったら今日一日悩んだのが無駄になる。こんなの良くないって思ったのにそれが無駄になる。

でもその一言を、言えば、楽になれる。

「……」

それでも、ぎりぎりの理性で唇を閉じたまま、鏡の中の自分と睨み合っていた。

気づけば、ソファの上。
気まずいような、でもどこか甘い空気が部屋の中を包んでいた。

……いや、なんでこうなった…

俺は思わず天井を仰ぎそうになるが、それすら許されない体勢だった。颯が、自分の太腿の上に跨っているから。柔らかいソファの背もたれに半ば沈むようにして、俺はただ見上げることしかできなかった。

すぐ目の前にあるのは、颯の指。シャツの裾をつかんで、ゆっくりと、頭の上へと脱いでいく動きからの、ふわりと浮いた生地の下から現れる眩しいほどの上半身。

えっ……ろ…

昨夜は自分ばかりが裸だった。抱かれる側として目を逸らすことしかできず、目の前の颯をしっかり見た記憶があまりない。いや、見たくても、余裕がなかった。

でも今目の前に広がるのは、しっかりと鍛えられた、しかし過剰な筋肉ではない、美しく引き締まった身体だった。

浮き出る鎖骨、なだらかな胸筋。腹筋は程よく割れていて、なめらかな皮膚の下に力強さを秘めているのがわかる。
服を着ていれば華奢に見えなくもない。だけど、脱いだ途端にその“ギャップ”が、俺の理性をじわじわと削ってくる。

顔もタイプで身体もタイプって、勘弁してくれよ……

無意識に唇を噛む。その視線に気づいたのか、颯がくすっと笑いながら、膝をついたまま体を少し起こした。

ボトムのウエストに指をかけ、わざとゆっくりと下げていく。そのたびに、心拍が一つ、また一つと跳ね上がる。

あ……やばい、見える……

腰骨のあたり、股関節のライン。
すらりとした腰のくぼみから、下へと続く影。
見えてはいけないものが、ちらりと覗きそうで、でも目を逸らせなかった。

「そんな顔して見るなら、ちゃんと褒めてくださいよ」

「……う、っせ……」

「顔、真っ赤ですよ。かわいい」

「……言うな、バカ……」

颯が腰を落とすたび、わずかに肌と肌が触れ合いそうになる。ドキドキという音が、自分の耳の中で何倍にも響く。たがが外れた夜がまた始まる。

昨日とは違うピアスと、胸元に揺れるネックレス。銀色の細いチェーンが、ライトを反射して艶っぽく光っていた。なんとなく…誰かからの贈り物だったりして、とか思っちゃったりして少し切ない。

「アクセサリー、揃えるの好きなんですよね。」

颯がいたずらっぽく笑う。俺の返事は明らかに変で、視線を逸らした。だって、そういうのをさらっと言われるの、ずるい。なんか全部見透かされてるみたいでさ。

俺が黙っていると、颯の手が、何気ない動作のように身体をなぞってくる。くすぐったいような、ひやっとするような、けど、どこか熱を感じる触れ方で。

「侑成さん、他にもこういうことする相手って、います?」

「……は?…いない」

「そっか。恋人は?」

「……いないに決まってんじゃん、今お前とこんな事してんのに」

「分かんないじゃないですか。モテそうだし」

「……そういうの、よく分からないんだよ。誰かを好きになるって、どういう感覚なのか……」

「じゃー僕と付き合ってみます?」

「はぁ?おもしろくねーよソレ」

言ってから、少しだけ後悔した。でも颯は驚くでも、馬鹿にするでもなく、小さく「そうですか」とだけつぶやいた。それから、またそっと触れてくる颯に、俺はただ瞼を伏せた。

「まぁいいや」

颯はひとりごとのようにそう言う。そしていきなり俺を押し倒して、目の色を変えた。それはどこか張りつめたような静かな怒りが滲んでいた。

「……なんか、めんどくさいですね、侑成さんって」

ぽつりと、落とすように言って、颯はゆっくりと身を乗り出してくる。ソファの縁に押しつけられるようにして、俺はたじろいだ。

「……な、何……」

「もう一回、抱けばいいんすよね。こういう時って」

低い声。顔は近い。その目に、優しさなんて欠片もなかった。あるのは、確かに苛立ちと、欲。

「お前、今……怒ってる?」

「怒ってないですよ。……ちょっと拗ねてるだけです」

「……」

「侑成さんがぐずぐず言うから。……だったら、もう、喋んないでください。……黙ってろよと思っただけです」

そう言った瞬間、颯の唇が押し付けられる。口を閉じる隙もないほどの、強引で、迷いのないキスだった。

息を吸う間もなく舌が触れて、舌の奥まで追い込まれて、俺は背筋が震えた。何もかも言い淀んでいた自分が、すべて見透かされている気がして、ぞっとするほどに昂っていく。

「舌出して」

そのまま押し倒される。
また、はじまってしまう。

でも、今夜の颯は昨日の颯とは少しだけ違ってた。

「苦しいですよね、ごめんなさい…」

「ふ、…っ゛、む゛…♡」

「甘々なべろちゅー死ぬほどしまくって、次こそちんぽ挿れてもらえると思ったのに……って顔してますねぇ。でも、口オナホにされて勃起しまくってる雑魚なとこも好きですよ。壊れるまでしゃぶらせたくなっちゃいます」

俺の顔の上に馬乗り。なんてはしたない体勢で…根元まで押し込んでくるのか。圧倒的な優位さを証明されてるみたいで…興奮してしまう…

「さっきから腰震わせてますけど、マジで雑魚すぎでしょ。」

「ゔ♡、ひっ、ぅ゛♡、…、う゛ゅ♡」

「んー?何言ってるか分かんないんで、下品なフェラ顔晒しながら僕がイくまでしゃぶっててください」

「ん゛お゛っ♡ご、…っ♡、ぐっ♡」

「あー………良いですね…その顔♡こーやって頭掴んで奥までじゅぽじゅぽ苦しそうな顔見ながら使うのたまんないです……♡んー……♡あ、出そう……♡そうそう♡がんばれがんばれ♡♡♡」

「ふ…っ、む゛♡ぐ♡ッ♡ん゛♡んんん~~~~ッ、ゔ…~~~♡♡」

俺の頭を乱暴に揺らしていたその動きが止まる。そして、颯の指先が俺の頭を掴んだ。まるで、自分でも止められない衝動をどうにか抱きしめているような強さで。

そしてすぐ…口の中に沈むように颯が深く入り込んできて、息が詰まりそうなほど熱かった。

俺はまだ何もされてないのに何故か気持ち良さで身体の力が入らなくて。颯はしばらく呼吸を整えていた。かすかに震える息が耳元で響いて、やっぱり俺は動けずにいた。

「……ちょっと、油断しました」

ふと落ちたその声は、いつもより静かで、どこか素直だった。だけどすぐに、颯は俺を抱きしめながら、わずかに笑みを浮かべる。

「……あんな顔されたら、普通に無理です」

「なんで……俺のせいになんの」

「そうですよ。あんなん見せられて我慢できる人いたら、会ってみたいくらいっすね」

口調は軽いけど、視線の熱が抜けていない。
そして、ぽつりと少しだけ小声で。

「……ずるいですよ、ほんと」

その言葉の裏に、何かが混ざっていた。感情を隠すように笑って、颯はさらに言葉を重ねる。

「ていうか、あれは反則ですよ。かわいすぎなんで」

「……は?」

「そんな顔されたら、またしたくなるって言ってるんです」

「……」

「好きって言われてるみたいで」

「言ってない…だろ」

「でもちょっと思ったでしょ」

頬はきっと赤くて。何も言い返せない俺に、颯はにやりと笑った。

「ほら、またそんな顔してる。僕、理性もたない方なんで。早くそのえろいケツ突き出して媚びて下さいよ」

「……ッ♡」

「ね、すぐ雌顔になるじゃないですか。下着なんて履いてなくていいんでケツ丸見えにして、両手でひん剥いて穴までしっかり見せて下さいよ」

「お前……元気すぎッ…待っ……若いんだよっ…!」

きゅんきゅんしつつも息を整える俺の言葉に、颯が少し首を傾げた。

「え?そんな変わんないでしょ」

「いや、普通に復活早すぎだろ……」

「まぁ……まだギリ10代なんで」

「……」

俺の顔がぴくりと引きつる。聞き間違いだって言ってくれ。そうじゃなきゃ、さすがにやばくないか。

「……まじで?」

「はい。19です。」

「……」

「侑成さんは?」

「……俺、29」

「え、10個上?」

「……」

颯は一瞬目を丸くしたあと、すぐにおかしそうに笑った。

「へー……見えないですね、正直。25とかかと」

「……そのフォロー余計だろ」

「でも、10歳差……僕、やっぱ見る目あったかも」

「は?」

「だって、こんな綺麗でエロい29歳、他にいないですよ」

「……黙れ……あ゛ッッ♡♡く、っ♡」

颯の指が2本ぬるっと挿入されて、ナカを引っ掻き回す。自分の膝を抱え、指の出し入れが速くなるのを強制的に見せられる体位に羞恥心が煽られる。

「10個上でも20個上でも、関係ないですよ」

颯はあっけらかんとした顔でそう言う。そりゃあ…お前は歳下だから年齢の差を重く捉えなくても…それがつい言葉となる。

「……簡単に言うなよ」

「本当に思ってます。てかもう遅いです。こんなにハマっちゃった後なんですもん」

「……」

何も言い返せない。年齢のことをこんなにも軽くいなされて、気にしてるのは俺だけで、余計に情けないような、恥ずかしいような気持ちになった。

どんどん近づいてくる颯の顔に、ふわっと香る香水の匂いに、視線が彷徨う。ネックレスが肌の上で揺れてる。睫毛の影が頬に落ちる。若い、ってことが目の前で形になって押し寄せてくる。

「ねえ、侑成さん」

低く囁く声に、びくっと肩が跳ねた。

「ココ、期待しまくりなのバレバレですね」

「な……ッ、ぁ…」

「ねぇ、指だけでそんな声出さないでくださいよ。しかもきゅうきゅう締め付けてないでさっさとゆる穴にしないと、無理矢理挿れますよ」

「♡ん゙ ♡ お゛ッッ♡♡」

「あ、オナホスイッチ入りましたね」

「ッ♡♡ごめっ♡♡でもだッ♡♡て、♡ きもちい"ッ♡」

たぶん…前立腺を当てられた…腰がくがくするの止めらんない…あそこがヒクヒク熱くて、指でぐちゅぐちゅされて、ソコばっか……されたら……俺……だめなのに……

「ちんぽ欲しいッッ♡♡♡ん゙ ♡ 指やだ゛ッッ♡♡足んない♡♡ ッ♡♡颯のほしいっ♡♡挿れろぉ゛ッ♡♡♡ お"ッ♡」

「"挿れろ"って、なんで侑成さんが命令してんの?」

「ぁ…♡ああ…♡ごめんなさッ♡♡擦ッ♡こすっ♡それ気持ちい゛ッ ♡ 」

「あぁもう……汚いなぁ。ソファ汚れちゃうんで、ゴムつけときますね。ケツ穴使われるだけのくせにゴム付けられるって、相当ですね」

颯は鼻で笑う。そして上から体重をかけるように腰を振り落とした。

「ぁあ゛♡ぃ♡ひっ⁉︎⁉︎」

「っ…………やば…挿れただけでイってるし」

「そん゙ な激しいの♡ お゛ッッ♡♡だめっ♡♡ だめぇッ♡♡イっ♡♡イぐ♡♡♡」

「ねぇ侑成さん♡今どんな格好してるのか実況してあげますね♡頭の上で手抑えつけられて♡カエルみたいに足開いて♡ちんぽで雌穴どちゅどちゅされてるんですよ♡」

「ぉ゙♡ん♡♡んお゛ッ♡♡言うなッッ♡♡♡あ゛ッ♡♡」

「あーもー……足ピンしないですよ♡ガニ股で♡そう♡このまんま♡♡♡」

「だッッ♡♡♡めッッ♡♡♡すご♡もおないッッ♡そんな♡それ以上お゛ッ♡♡♡くッ♡♡♡奥ないからぁッッ♡♡」

「ないなら僕が作ってあげる♡誰も突いた事ない一番奥突き上げて♡ばかまんこにしますね♡」

「お゛ッ♡ んお゛ッ~~~♡♡♡♡………♡♡♡♡」

あー…………やば…………歳下のイケメンちんこで立場分からせえっち…♡俺ってこーゆーの…好き…だった…け?

「う゛ッッ♡♡う゛ッ♡ん゛ッ♡♡」

「かわいい…………♡奥ずぼずぼしたらさ、ん ゙お゙ッ♡ ん ゙お゙ッ♡って下品なオホ声でちゃうし♡可愛いでしかない…………♡あぁ…………やば…………イく…」

「イ、ッ゛♡おれ、も……っ゛♡」

余裕そうだった颯から、性欲にまみれた荒い息が吐き出されて、俺の中に沈むように深く入り込んでくる…息が詰まりそうなほど熱くて…

「…………でも…まだ全然足りない…」

足首を掴まれて、まだまだ精子がぱんっぱんに詰まったタマがぶつかってくる♡精子の残ったぬるぬるちんぽが挿入ってくる…♡上から体重をかけられて…♡まるでオナホのように…♡本気の種付けプレスっ…♡

「ちんぽぐりゅッ♡ちんぽにぐりゅッッ♡イ゛ぐッ♡ ん ゙お゙ッ♡ ん ゙お゙ッ♡しぬ゛♡♡っう゛♡」

「…………あー………………またイきそ…」

「お"♡♡ぉ"♡ちんぽ好きすぎてッ、♡おかしくッ、なる♡ッッお゛~ッッ♡♡ん゙ ♡ お゛ッッ♡♡ぃ゛い゛~~~~…」

「エロすぎ……こんなのイくの止まんな…………」




情熱的に燃え上がった二度目の行為の終わり。
お互いの名前を呼び合いながら達したその瞬間、部屋には荒く重なる呼吸の音だけが残った。

体を重ねたまま、汗ばんだ肌と肌が離れることを惜しむように触れている。
どちらともなく、ただ腕の中で意識を手放す。
言葉もいらなかった。
安心と、どこか心地よい疲労に包まれて——

俺はそのまま、静かに眠りに落ちた。





──深夜。

ふと、俺は目を覚ました。
時計の針が午前三時を指していることに気づくよりも先に、視界に飛び込んできたのは、隣で眠る颯の寝顔だった。

頬にかかる前髪。細く整った眉。長い睫毛の奥で、夢を見ているような微かな瞬き。

こんなに綺麗な顔、現実にあるんだな。

思わず息を止めてしまいそうになる。
そのまま見とれて、目を逸らせなくなってしまう。

恋だと、思った。

これはもう、どうしようもなく。

どうしようもなく、好きになってしまったんだ。

でも。

……だめだ、これは

胸が高鳴るのとは裏腹に、頭の中では冷静な声が鳴っていた。自分より10歳も若いんだ。まだ大学生で、まだこれから無限に恋をするべきだ。

それに、こんな始まり方で。

俺は……彼の何になれる?

その問いに、答えは出なかった。

腕の中のぬくもりが愛おしくてたまらないのに、
それを遠ざけようと、理性が重くのしかかる。

終わらせないと、ちゃんと

自分が大人なら、ここで線を引くべきだとわかってる。
ずるずると流されて、傷つくのは多分、颯の方だ。

好きだからこそ、離れるべき。
そう自分に言い聞かせて、俺は静かに目を閉じた。

決意というには、あまりにも弱々しく、曖昧なものだったかもしれない。けれど、その時は確かに一度、颯との関係を終わらせようと心に決めていた。

それなのに。
ベッドの中、背を向けた俺の肩に、颯がそっと触れた。

「……終わりにしようとしてます?」

俺は返事をしなかった。ただ、静かに目を伏せて、なんとかこの時間をやり過ごしたかったから。

「僕……付き合いたいって思ってます。ちゃんと」

「そんなの、簡単に言うなよ」

「簡単じゃないですよ」

「じゃあなんで、今言うんだよ」

少しだけ、声が尖ってしまって焦る。
俺は寝返りを打って、颯と向き合った。

「……付き合うって、そんなノリですることじゃないだろ。好きだから、はい付き合いましょう、って子どもじゃないんだから」

「子ども……って僕だってもう大人です」

「ごめん。そういう意味じゃない。けど俺は……ちゃんと告白されたいとかじゃなくて……そういうのは俺からすべきだとも思ってる。俺は男だし、お前は……」

「僕も、男ですよ」

颯が遮るように言った。

「じゃあ俺の言う“男のプライド”は、どうすればいい?」

「そんなの知りませんよ」

「……はぁ」

「僕は、侑成さんのことが好きで、誰にも渡したくなくて、それで“付き合いたい”って言ってるだけです。理屈じゃないです」

「それって、ただの独占欲じゃん。俺じゃなくても、」

「そうかもしれない。でも、今はそれ以上考えられません」

ぴしゃりと言い放たれた言葉に、俺はもう言い返せなくて。颯は眉を寄せ、すこしだけ目を伏せる。

「……ダメですよね。僕、まだ子供なんですかね」

「そうじゃない。そうじゃないけど……」

「じゃあなんで、そんなに構えるんですか。僕が若いから?社会人じゃないから?どうせ遊びだって思ってるからですか?」

そうじゃないと思いたい。でも、自分の中の理性が、ずっと警告を鳴らしてるんだから仕方ない。

「……俺は、颯のこと、軽く扱いたくない」

「それ、本当にそう思ってます?」

「……」

「じゃあ、何が欲しいんですか。何をされたら、僕のこと信じます?」

颯の声は震えていた。怒りというより、必死さと不安が滲んでいた。そんな気がした。

「……分かんねぇよ。俺だって、こんなの初めてだし。颯に出会って、舞い上がって……でも、冷静にならなきゃって、思って……」

そのまま、どちらも黙ってしまった。

近いのに遠い。
きっとお互い好きで、もうそれならそれだけでいいのに。

そういうわけにもいかないだろ。

だって俺たち、10歳も離れてんだから。

俺、さすがにもう、面倒くさがられたよな……

布団の中、俺は自分の胸に手を置いて、静かに息をついた。けれど、その沈黙を颯が破る。

「言っておきますけど、面倒くさいとか思ってないですよ」

驚いて目を開けると、颯が俺の顔を覗き込んでいた。真剣な顔で。

「僕は、付き合いたいって思ってるんです。」

「……だから!そんな軽く言うもんじゃないだろ!付き合うって、もっと真剣な……」

「真剣ですよ」

颯は言い返す。でも語気は強いものではなくて、純粋にまっすぐだった。

「浮気しません。毎日連絡します。休みの日は絶対会いに行きます。侑成さんが嫌がることもしません。したいって言われたら、だいたいのことはします」

「……営業?」

「いえ、口説いてるんです。だって、メリット伝えなきゃ付き合ってくれないじゃないですか」

「……いや、まあ……そうだけど……って、そうなのか?……」

「侑成さん、好きです。だから付き合ってください」

「お前さ……もうちょっと、なんか、こう……雰囲気とかさ……」

「ロマンチックなのがいいんですか?」

「いや……別に……でも、俺の中では付き合うって、もっとこう……」

言いかけて黙る。頭の中では、“29歳としての常識”がぐるぐる回ってる。でも、それを崩してくるのが颯だ。たった19歳のくせに、まっすぐぶつかってくる。

「侑成さん、考え方がちょっと固いです」

「そういうの、年上に言う?」

「すみません。でも、重く考えすぎると損しますよ」

呆れるような、笑えるような。だけど確かに、颯の言ってることも間違ってない気がしてきて。

「……颯のそういうとこ、羨ましいよ」

俺は、少しだけ視線を逸らしたあと、ゆっくりと頷いた。

「……分かったよ」

「ほんとですか…!」

「……付き合って…………みる」

そう言った自分の声が、どこか他人のもののように聞こえた。

今の、本当に俺が言ったのか?

歳の差、立場、テンポの違い。何より、恋愛に対してずっと“正解”が分からない俺だぞ。それなのに、颯は臆面もなく言葉をぶつけてくる。笑っちゃうくらい、まっすぐで、子供っぽくて、でもどこか強引で。こんなふうに人に求められたの、いつぶりだろう。

分からない。正直、不安の方が大きい。
こんな軽さで始めていいのか?
いや、でも。

それでも、いいかもしれないって思った。

自分からじゃ、きっと一生踏み出せなかった。だったら、こんなふうに引っ張ってくれる人に流されてみるのも、たまには悪くないのかもしれない。

それに……颯は満面の笑みを浮かべて俺に抱きついている。その顔があまりにも嬉しそうで、可愛らしくて、この選択が正しいとさえ思わせてくる。

1人だと広かったダブルのベット。
2人の間に、静かな時間が流れる。
テレビもつけていない。音は、互いの呼吸と時計の針の音だけ。

「……本当に、付き合ってくれるんですね」

ぽつりと、颯が言う。なんでもないような口ぶりなのに、どこか不安がにじんでいた。さっきまでの自信はどこに行ったんだろうと突っ込みたくなるくらいで。

「……って言っただろ」

「いや……ずっと、僕ばっかり押してた気がしてて」

「……」

「だから、ちゃんと……僕のこと、好きって言ってほしいです」

「……っ」

そんなの恋愛偏差値底辺の俺には難易度が高過ぎるわけで。当たり前に言葉を詰まらせた。

「だめですか……?」

「そういうの、いきなり言えなくね……?」

「なんでですか、付き合うって、好き同士がすることでしょ?」

「そうだけど……!」

「ねえ、僕のこと、好きですよね?」

「……言わせんなよ、恥ずかしい」

「でも言ってほしいです。さっきから僕ばっかりですよ」

「……颯さぁ、その顔面で、どんだけ自信ないんだよ」

「ないですよ。めっちゃかっこいい人と付き合えて、内心びびってます」

「……や…もう……なにほんと……」

颯がにこっと笑う。その笑顔に、また心臓が跳ねた。逃げられないと思った。

「……す……すきだよ」

「え?」

「聞こえてんだろ、もう……!」

「うん、聞こえました。でも、もっとはっきり言ってください」

「やだ……っ」

「ね、もう一回」

「……颯のことが、好き……」

「……」

「……って言わせんなよ……」

顔を手で覆っていると颯がそっと寄り添ってくる。
その耳元で、低く囁く。

「ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです」

「……調子乗んなよ」

「はい。でももう、ちょっとくらい調子乗っていいですよね?」

颯がいたずらっぽく笑いながら頬に手を添える。そのまま、そっと顔を近づけてきた。

「侑成さん、かっこいい」

「……よく言うよ」

軽く睨むように言っても、頬の熱は隠せない。そのまま唇が重なって、ゆっくりと、深くなる。

キスの途中でふっと額にキスされて、心臓が痛い。

好きになってしまった。

そう自覚した瞬間、世界が少し変わって見えた。颯が俺を抱きしめる。その温かさが、言葉よりも確かな実感をくれる。

優しい夜は、きっとまだ終わらない。
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