ご先祖さまは中二病⁉

しゃもん

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14. イチカの冒険

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 ルールーはイチカの訓練の様子を見ながら、ぽつりと呟いた。

「そろそろ本格的な実践訓練を行っても大丈夫そうねぇ。」

 ちなみに、ルールーの隣にいた男はその言葉を聞いて青ざめた。  
 まさか、あのガキどもに砦の外で訓練させる気なのか?  
 いくらなんでも無謀だろう。あいつらが魔獣に殺されちまう!

 ――イチカ。

 ルールーが初めてイチカと出会ったとき、彼女の髪は老人のようにパサついた白髪だった。  
 あまりに酷い状態に、ルールーはイチカをこんな目に遭わせた人物を全員、その場でひねり潰してやろうかと思ったほどだ。  
 でも今は違う。白髪だった髪は、少しずつ艶のある黒髪へと戻ってきていた。

 その姿は、イチカのご先祖である“あの人”を思い起こさせた。

 数分間、感傷的な気分に浸っていたルールーだったが、すぐに記憶を現実《いま》に引き戻し、これから行う実践訓練の内容をどうするか、顎に手を当てて考え始めた。

 訓練場の端では、イチカたちが一生懸命に剣の訓練をしていた。

「イチカ、今度は攻守交代して訓練しようぜ!」

 ルールーに命じられてイチカと組んでいたベーは、両手に木剣を構えると、勢いよく斬りかかった。

「ベー、ずるいぞ! まだ私が攻撃する側のはず!」

「そんなことはない! 今度は俺の番だ!」

 二人は怒鳴り合いながら、何度も攻守を入れ替えて戦闘訓練を続けていた。

 その様子を遠くから見ていたルールーは、砦の外に意識を向けるように目を閉じ、探索魔法を放って魔獣の位置を探った。

 ――これくらいの数なら、あの二人でも大丈夫ね。  
 でも一応、数人は護衛につけておこうかしら。

 そう独り言を呟いたルールーは、目の前で走り込みをしていた男たちの中から一人に視線を向け、手招きした。

「ルー様。何かご用でしょうか?」

 男はルールーの前で両手を後ろに組み、背筋を伸ばして命令を待った。

「今、砦には何人の動ける兵士がいるかしら?」

「26名が常時動ける状態で常駐し、24時間体制で対応に当たっております。」

「26名ね。今の状態なら、4名抜けても問題ないわね?」

「もちろんです。抜けても問題ありません。」

「では、その4名とベーとイチカを1グループとして、外にいる魔獣の討伐に向かわせなさい。4名の選抜はあなたに任せるわ。」

「了解しました。」

 男は直立不動のまま返事をすると、先ほどまで走っていた兵士たちのもとへ向かい、屈強な兵士を4名選び出して戻ってきた。

「ルー様。お呼びにより参りました。」

 4名の男たちがルールーの前に整列した。

「じゃあ、これから1時間後に城門前に集合ね。」

 ルールーの言葉に、4人の兵士は敬礼すると、すぐにその場を離れていった。

「まあ、最初はこんなものかしらね。」

 ルールーは、まだ訓練を続けているイチカとベーのもとへ歩み寄った。  
 彼女が近づいてくるのに気づいた二人は、すぐに訓練をやめて剣を下ろし、ルールーに視線を向けた。

「これから二人には、魔獣討伐をしてもらうから。そのまま城門前に向かってね。」

「「魔獣討伐!?」」

 思わず二人して声を揃えて叫んだ。

 ――今、“魔獣”って聞こえたけど……空耳よね?

 イチカは隣にいるベーを見た。  
 ベーは青ざめた顔で固まっている。

 ――ハハハハハ……どうやら本気らしい。

 魔獣討伐。  
 ――ハハハハハ、ウソでしょ!
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