夢も現実で奴隷も現実で~異世界転生は見るものだ!~

にゃんころの助

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目覚め

第一話

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 俺はよく夢を見る。昔のトラウマや嫌なこと。もちろん自分が望んでいることとか。
夢は脳が蓄積した記憶や情報を整理するために見る…らしい。どっかの本…テレビ番組で見た気がする。
基本的に夢は起きてすぐメモでもしない限り一日が始まり時間の経過とともに忘れ去られる。俺もついこの前まではそうだった。総じて現実味の無い意味不明な内容。思い出すこともできない。そんな夢ばかりだった。

 この夢に付き始めたのはつい最近。ほかの夢とは全く違う。
俺が日々過ごしている排気ガス臭く、通勤ラッシュの中すれ違う人々の目には疲れが見えるようなギスギスとした世界とは違う。それはまるでよくある物語の中のような世界。
ほかの記憶に残らないようなありふれた夢とは全く違う。空気の匂い…人々の活気。今自分が見ているものが本当に夢なのだろうかと疑問に思えてくる。
でもきっとこれも夢なのだろう。きっと俺の脳みそが勝手に作り出した世界…妄想なんだと思う。

―――――――――――
 
 外から人々の声が聞こえる。俺の部屋は大通りに面している。この街のメインストリート。
この夢世界の中ではかなり大きな街だと聞いている。それもあって旅人や行商人、冒険者なども多く集まる。みな日が昇ると同時に働き始め日が沈むと同時に休む。そんな街。
まだ覚醒しきっていない頭で起き上がり窓を開け朝の空気を部屋いっぱいに取り込む。
瞬く間に部屋中へ人々の活気と澄んだ空気が充満する。現実世界では感じることが出来ない感覚だ。

初めてこの夢を認識したのは一週間ほど前。起きるとこの部屋にいた。はじめはやけにリアルな夢だなくらいにしか考えていなかった。外が暗くなるまでは。
そのうち目が覚めるだろうとお世辞にも作りがいいとは言い難いベッドでゴロゴロすること半日。外はどんどん暗くなるが一向にこの夢から覚めることが出来ない。
さらに数時間経ったのだろうか…時計がないのでわからないが、外からは昼間の活気のある声ではなく大声で怒鳴りあう声、数人で聞くに堪えない大合唱。完璧に皆さん出来上がっていますね…間違いない深夜です。
ちなみに夢ならば探検してみようと部屋を出ようとしたがなぜか扉が開くことはなかった。鍵がかかってるというよりも壁に扉の絵と取っ手がついているだけのような感覚。はじめから扉としての機能を想定されていない飾りのようだった。完璧なる密室。
トイレがあったのはかなり助かった。
外の声…もとい騒音がいつの間にか心地よく子守歌のように感じられる。テレビをつけながらウトウトしてしまうそんな感覚。夢ならば寝てしまえば覚めるかも。そんなことを考えながら眠りについた。
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