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28 家紋と女子会
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ユージーンにあのハートと翼の紋章でいいか訊いたら了承が出た。
よかった。俺の発想力だとあの程度が限界だから。
そして衣装店から人が来る日。
ニコレット様の家から馬車の迎えが来ていたので俺とユージーンはそれに乗り込んだ。
屋敷に着いて、出迎えてくださったオラール侯爵様やニコレット様達に挨拶をした。
何故かニコレット様どころかレベッカ様やエマ様まで三人とも目が赤い。
まるで泣いたみたいな感じだが、侍女のサーラ様のみ通常モードだった。
もしや仲良し令嬢三人で俺の悲惨な過去の情報共有でもして、気の毒がって泣いてくれたりしたんだろうか?
とりあえず、そこは気がつかなかったフリをして、俺とユージーンは衣装店の人達と打ち合わせや採寸などを終えた。
俺達が着せ替え人形のような状態になっていると令嬢達はキャッキャウフフと、とても楽しそうだった。
俺は治療師の司祭風の服と貴族の礼服やクロバットなどの装飾品。
そしてユージーンは騎士のマントと騎士の服や靴をそれぞれオーダーした。
あ、盾や鎧は剣が来た時にまとめて渡すことにしてる。
「お疲れ様でした、お食事の用意ができていますわ」
「ありがとうございます、ニコレット様、ところで王弟殿下には例の件……」
俺がニコレット様に声を潜めて耳打ちする。
「ご心配なく、既にご報告しております」
「王弟殿下はお怒りになっていませんでしたか?」
「怒りがあってもそれはネオ様ではなく、ご実家の方に向かうと思いますわ」
そうか、ならいいか。
魔力が無い程度で恥だとか言って冷遇し、ジョーを捨てた実家のやつらなんか俺も、もう知らねーから!
◆ ◆ ◆
そして豪華な貴族の昼餐。
俺はなごやかな会食の場でエマ嬢に問われた。
「ネオ様は子爵領にて治療院などを開かれるのですか?」
……。
病院て患者は確か選べないもんだよな?
「客は選びたいので、病院は開きません。自分は優しい……助けたいと思う人のみ助けたいので。
紹介、もしくは掲示板で見つけた人に声をかけるとか、旅先で偶然出会って縁があった方とか」
俺が治療をするなら少なくとも悪党以外を希望する!
「なるほど、それでは避けたい家門をお聞きしても?」
「隣国であるザカロス国の、特にビニエス侯爵家などは誰かが病になっても助ける気はありません。全員そんな資格はないと思いますので」
子供じみたわがままみたいに聞こえるかもしれないが、その場の貴族全員が頷いてくれた。
「私達はネオ様の味方ですから、紹介する相手は選ぶことにしますわ」
ニコレット様が代表するようにそう誓ってくれた。
徳を積みたいのなら誰であっても助けるべきだろうけど、子爵としての領地経営で金が入ればいずれこのようなえり好みのせいでこの力が無くなることがあっても、生活くらいはできるんじゃないかな。
そうだ、子爵領といえば……、
「皆様のお心遣いに感謝します。そしてうっかり楽しい会食の場で重い話を申し訳ありません。
ところで王弟殿下はもう自領に戻られたんでしょうか?」
「王弟殿下は海に出た魔物退治の援軍に行ってくださいましたの」
ニコレット様が意外な事実を説明してくれた。
「海の!」
「海上戦は騎士達も色々大変らしくて、でも王弟殿下は魔力が豊富で万全の状態であればとてもお強いのですわ」
へー。海の魔物かぁ。
クラーケンとかが出るのかな?
後で掲示板で噂でも探ってみよう。
ついでに味噌と醤油の情報レスもついてないか。
◆ ◆ ◆ ◆
ニコレット視点
~ またも女子会の人達 ~
ネオ様から耳飾りの魔道具から真実を告げられました。
最初に打ち明けてくださったのが私で嬉しいです。
実はあの夜の通信の場に、他の令嬢達もいました。
なのでレベッカ嬢やエマ嬢にも筒抜けでした、ごめんなさい。
とはいえ、皆様ネオ様の不憫な境遇に涙し、同情されていました。
それだけでなく、ネオ様の命の恩人で使用人から騎士にまでなるユージーンの忠誠心に感心したりしました。
「なんてドラマチックなお二人でしょう! オペラの演目であれば通いますわ!」
エマ嬢は感極まったのかハンカチで顔を覆っています。
「主従萌えとかいう言葉を、私最近伝言板の魔道具で知りましたわ、エマ嬢はおそらくそういうのがお好きなのね?」
「はい! ニコレット様!」
エマ嬢は涙を流しつつも目を輝かせています。
「なんにせよ、ビニエス家はネオ様を追放したあげく命まで狙うなんて、愚かな事をしましたわね。あの病はいつ何時発症するか分かりませんのに」
レベッカ嬢の言葉に頷く私達。
そしてそんなレベッカ嬢とエマ嬢はベッドサイドで紙とペンを手にし、後日会員制のオークションに参加する為の申請用紙に名前を書いています。
魔導サロンの使える魔道具が彼女等も欲しいらしいのです。
レベッカ嬢はともかく、エマ嬢はあの魔道具を手に入れたら大変楽しめると思いますわ。
掲示板にはそのような話題のルームが有りましたもの。
よかった。俺の発想力だとあの程度が限界だから。
そして衣装店から人が来る日。
ニコレット様の家から馬車の迎えが来ていたので俺とユージーンはそれに乗り込んだ。
屋敷に着いて、出迎えてくださったオラール侯爵様やニコレット様達に挨拶をした。
何故かニコレット様どころかレベッカ様やエマ様まで三人とも目が赤い。
まるで泣いたみたいな感じだが、侍女のサーラ様のみ通常モードだった。
もしや仲良し令嬢三人で俺の悲惨な過去の情報共有でもして、気の毒がって泣いてくれたりしたんだろうか?
とりあえず、そこは気がつかなかったフリをして、俺とユージーンは衣装店の人達と打ち合わせや採寸などを終えた。
俺達が着せ替え人形のような状態になっていると令嬢達はキャッキャウフフと、とても楽しそうだった。
俺は治療師の司祭風の服と貴族の礼服やクロバットなどの装飾品。
そしてユージーンは騎士のマントと騎士の服や靴をそれぞれオーダーした。
あ、盾や鎧は剣が来た時にまとめて渡すことにしてる。
「お疲れ様でした、お食事の用意ができていますわ」
「ありがとうございます、ニコレット様、ところで王弟殿下には例の件……」
俺がニコレット様に声を潜めて耳打ちする。
「ご心配なく、既にご報告しております」
「王弟殿下はお怒りになっていませんでしたか?」
「怒りがあってもそれはネオ様ではなく、ご実家の方に向かうと思いますわ」
そうか、ならいいか。
魔力が無い程度で恥だとか言って冷遇し、ジョーを捨てた実家のやつらなんか俺も、もう知らねーから!
◆ ◆ ◆
そして豪華な貴族の昼餐。
俺はなごやかな会食の場でエマ嬢に問われた。
「ネオ様は子爵領にて治療院などを開かれるのですか?」
……。
病院て患者は確か選べないもんだよな?
「客は選びたいので、病院は開きません。自分は優しい……助けたいと思う人のみ助けたいので。
紹介、もしくは掲示板で見つけた人に声をかけるとか、旅先で偶然出会って縁があった方とか」
俺が治療をするなら少なくとも悪党以外を希望する!
「なるほど、それでは避けたい家門をお聞きしても?」
「隣国であるザカロス国の、特にビニエス侯爵家などは誰かが病になっても助ける気はありません。全員そんな資格はないと思いますので」
子供じみたわがままみたいに聞こえるかもしれないが、その場の貴族全員が頷いてくれた。
「私達はネオ様の味方ですから、紹介する相手は選ぶことにしますわ」
ニコレット様が代表するようにそう誓ってくれた。
徳を積みたいのなら誰であっても助けるべきだろうけど、子爵としての領地経営で金が入ればいずれこのようなえり好みのせいでこの力が無くなることがあっても、生活くらいはできるんじゃないかな。
そうだ、子爵領といえば……、
「皆様のお心遣いに感謝します。そしてうっかり楽しい会食の場で重い話を申し訳ありません。
ところで王弟殿下はもう自領に戻られたんでしょうか?」
「王弟殿下は海に出た魔物退治の援軍に行ってくださいましたの」
ニコレット様が意外な事実を説明してくれた。
「海の!」
「海上戦は騎士達も色々大変らしくて、でも王弟殿下は魔力が豊富で万全の状態であればとてもお強いのですわ」
へー。海の魔物かぁ。
クラーケンとかが出るのかな?
後で掲示板で噂でも探ってみよう。
ついでに味噌と醤油の情報レスもついてないか。
◆ ◆ ◆ ◆
ニコレット視点
~ またも女子会の人達 ~
ネオ様から耳飾りの魔道具から真実を告げられました。
最初に打ち明けてくださったのが私で嬉しいです。
実はあの夜の通信の場に、他の令嬢達もいました。
なのでレベッカ嬢やエマ嬢にも筒抜けでした、ごめんなさい。
とはいえ、皆様ネオ様の不憫な境遇に涙し、同情されていました。
それだけでなく、ネオ様の命の恩人で使用人から騎士にまでなるユージーンの忠誠心に感心したりしました。
「なんてドラマチックなお二人でしょう! オペラの演目であれば通いますわ!」
エマ嬢は感極まったのかハンカチで顔を覆っています。
「主従萌えとかいう言葉を、私最近伝言板の魔道具で知りましたわ、エマ嬢はおそらくそういうのがお好きなのね?」
「はい! ニコレット様!」
エマ嬢は涙を流しつつも目を輝かせています。
「なんにせよ、ビニエス家はネオ様を追放したあげく命まで狙うなんて、愚かな事をしましたわね。あの病はいつ何時発症するか分かりませんのに」
レベッカ嬢の言葉に頷く私達。
そしてそんなレベッカ嬢とエマ嬢はベッドサイドで紙とペンを手にし、後日会員制のオークションに参加する為の申請用紙に名前を書いています。
魔導サロンの使える魔道具が彼女等も欲しいらしいのです。
レベッカ嬢はともかく、エマ嬢はあの魔道具を手に入れたら大変楽しめると思いますわ。
掲示板にはそのような話題のルームが有りましたもの。
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