【完結】婚約破棄と追放をセットでくらった件 〜神スキルで逆転人生〜

長船凪

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33 出発前の記念撮影

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 俺は大森林に向かう前に動きやすそうな冒険者の服を買って着てみた。

 これもまた異世界ファンタジー感があってなんか嬉しい。
 こっちで着ればいい歳こいてコスプレする男とか言われないし、普通に旅の服だし。

 魔道具には電池代わりの魔石を嵌める箇所があるから、魔力の補充がキツでも指先でできるか分からない俺は、念のため、予備の魔石と魔力を帯びた指輪も買った。

 大森林の村に調味料があるという話が万が一がせネタでも、獣人の獣耳っ娘くらいはいるはずだから、頼み込んで撮らせて貰おう。


 とりあえず思い出の灯台の写真なども撮ってみた。
 ここで神スキルに目覚めたから記念にだ。
 ユージーンと灯台のセットも絵になるから撮らせてもらった。

 滞在中のオラール侯爵領内の神殿まで転移陣で令嬢達が見送りに来てくれるから、ユージーンや騎士達と記念撮影もしたいな。
 多分彼女らなら撮影の仕方がわかるからシャッターを押す役をお願いしたい。

 ◆◆◆

 そしてついに大森林へ向かう時が来た。

 ちょうど夏が終わりかけってとこだ。
 寒くも暑くもない感じの初秋。

 当日は約束通りにゲートのあるオラール侯爵領の神殿まで令嬢達が見送りに来てくれた。
 彼女達はいつもドレス姿だけど、今日はひときわ気合いを入れているように見える。

 騎士達も準備万端の様子。



「レディ達、よければ出発前に記念撮影をしたいのですが」
「「「はい! 喜んで!!」」」

 俺が騎士達と撮ってくれと言おうとしたらレディ達と一緒に撮影する流れになったが、これもまたよし。

 レディ達や騎士達との撮影は侍女のサーラさんがやってくれた。

 令嬢達と楽しく写真撮影会などをしていると、王弟殿下と、最後のパーティー仲間のクレリックと魔法使いが到着した。
 なんと二人とも女性だ!!

 レディ達の目つきが急に鋭くなった。



「ええと、同行してくれる魔法使いと僧侶は女性だったんですか?」

 俺が戸惑いを隠せないまま王弟殿下に話しかけると、

「男ばかりだと潤いが足らんと言うか、士気にかかわるといかんからな! わはは」


 そんな答えがわはは笑いと共に帰ってきた。
 トイレとか着替えとか女性二人は大丈夫かな?


「まあ……女性に大森林の旅など、大丈夫なのかしら? キツイのではなくて? 魔物も虫もいると思うのだけど」

 レベッカ様が、二人の女性に問いかける。
 まるで圧迫面接のようだ。


「大丈夫です。このマーヤ・レイダ。足手まといにはなりません」

 と、語る黒髪パッツンストレートのスレンダーな魔法使いは覚悟完了の顔をしていた。かたや巫女さんの方は、


「困っている人を助けるのが神に仕える我々の務めであり、使命です。精一杯頑張ります」


 この、答え! 流石の巫女さん!!
 人助け、俺達を助ける為に来てくれたのか!

 巫女さんの外見はプラチブロンドに青い瞳のおおらかそうなお姉さんだ。
 どちらも年齢は18歳から20歳くらいだ。


「そ、そう、ではネオ様のことは絶対に守ってくださいね」

「「はい!」」

 レベッカ様も王弟殿下の選んだ二人にこれ以上下手なことは言えないから引き下がった。


「では、全員揃った事だし、出発だな」
「はい、皆様見送りありがとうございました!」


 俺達は最後にもう一度記念撮影をした。
 今度は王弟殿下まで入っていて豪華!

 撮影は神殿の神官がしてくれた。
 そしてついに大森林の最寄りの神殿行きのゲートに行くため、魔法陣の中に入った。

 ドキドキの瞬間。
 俺達パーティーが全員魔法陣に入ったところで、足元が光りだした。

 そして、俺達は転移した。
 来たぞ! 大森林の最寄り神殿へ!

 俺は神殿でゴスペルを一曲分聞き、寝る時に使う魔除けの聖水を買ってから外に出た。

 見上げた秋空には鱗雲が見える。
 清々しい。
 俺達は大き目の幌馬車を手配して森近くまで向かった。

 大森林へ向かう幌馬車の後ろから景色を眺めていると、冒険者らしき一党の姿も見えた。


「彼等は大森林へ何を目指して行くのでしょう?」
「それはもちろん魔物の素材でしょう。
爪、牙、皮、肉、魔石、いろんな素材が穫れます」

 俺の問いに答えてくれたのはニコレット様の家から来た太もものセクシーな騎士だった。
 ついでに魔法使いの女性にも質問。


「そういえば魔法使いのマーヤさんは何故この旅に?」
「この旅に参加すれば一気に借金が返せるので」
「借金……」

 そ、そんな理由があったのか!

「魔法の研究には高価な魔石や薬草、魔法素材でとにかくお金がかかるのです」
「なるほど! ところで巫女さんのお名前は?」

「私の名はレリアです。徳を積むと治癒力が高まると言われておりますから、修行の一環でこの依頼をうけましたの」
「徳を! 流石クレリックですね!」


 俺達は揺れる馬車の中でそのような雑談をしつつ、親睦を深めていった。
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