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56 プレミアム感
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エイダさんが王都に到着して二日後にはアルテちゃんの熱は下がった。
俺はほっと胸を撫で下ろした。
エイダさんはアルテちゃんの看病中につけ襟などに紋章の刺繍をして時を過ごした。
淡いピンク髪のポニテには紋章入りのリボンでコーデしているし、アルテちゃんの方はツインテに紋章入りのリボンと、首からは王弟殿下の札を下げている。
二人とも似合っていてかわいい。
せっかくだから王都のショップでも彼女らの寝巻きと仕事着それとついでに普段着と俺自身の服などを購入した。
エイダさんにはドレスも買っていいと言ったんだけど、メイドにはドレスを着る機会などほとんどないからもったいないと断られた。
ついでに王都の街並みなんかも例の魔道具で撮影したりして観光気分で楽しんだりもした。
俺が、かわいい獣人を二人も連れていたのでやけに視線を集めてしまったが、王弟殿下の紋付き装備の騎士が護衛してくれてるし、特に問題は起きなかった。
周囲に視線を巡らすと、通りの先に公園が見えた。
市場の看板も立っている。
「あ、ついでに市場で食材も買うか」
「うん!」
公園内の市場は活気があり、人が多いのではぐれないように俺はアルテちゃんを抱っこした。
突然駆け出してしまうと困るからな。
「三日後は、いよいよ収穫祭ね」
「今回も豊作だったからよかったわ」
「それよりあなた達、お祭りのダンスパートナーは?」
「私はもちろん決まったわよ」
「私まだ誘われてないー! 見る目のない男ばかりだわ」
道を行く街娘達から、そんなセリフが聞こえた。
「三日後に収穫祭てのがあるらしいな」
「おまつりー」
「豊作だったようで何よりですね」
二人とも興味がありそうだし、
「アルテちゃん、エイダさん、三日後のお祭りを俺と一緒に見に来てみる?」
「みるー!」
「いいんですか? 人材確保やなんかでお忙しいのでは?」
「少し覗くくらい平気だよ」
令嬢達は忙しいだろうし、お祭りはこの二人と遊びに行くことにしよう。
「発注ミスですって!? なんてことをしてくれたの!? ありえない量よ! 多すぎる!」
「も、申し訳ありません!」
俺は怒鳴り声が聞こえた方向を見た。
どうやら従業員が発注ミスをしたようだ。
箱が複数積み上がっているのを指差していた。
「数字もまともに書けないのなら仕事なんか辞めなさい! 在庫の山になる分はお前の給料から引くからね!」
「お、お許しください、生活費がなくなります!」
「お前の今月の給料全部使っても足りないのよ!」
「店主、さばけないほどの在庫というのは、この箱に入っているリボンの事か?」
俺は箱の中身を確認して言った。
「そ、そうですが」
急に知らない男の俺に話しかけられた店主らしき女は面くらう。
「そのリボンの在庫、一箱残して他を仕入れ値で私が買い取ろう」
八箱分の箱があるから、七箱分を引き受ける。
「えっそんなに!?」
更に店主らしき女は俺の急な提案に戸惑っている。
「生鮮食品でもない布だ、そう簡単に傷むものでもないし」
「あ、ありがとうございます」
戸惑いながらも受け入れた。
「それと、今は助かったけどお前はクビだから、またこんな間違いされたらコッチが破産するからね」
クビは撤回しないんだな。
「はい……」
発注ミスをした女の子は、泣きそうだ。
仕入れ値を聞いてから代金を取り出す俺。
「さあ、七箱分の代金だ」
「ど、どうも」
店主はまだこいつ何なんだ? って顔をしてる。
「それと君は急に仕事先がなくなって困ってるならうちにきなさい」
「え? それは助かりますが、いいのですか?」
どうせ自分の砦にはメイドが複数人必要だしと、俺はドジっ娘(仮名)さんに声をかけた。
「掃除か料理か裁縫は出来る?」
「は、はい、その三つならどれでも」
「よろしい、今は私は王都の王弟殿下の別邸にいるが、いずれ辺境伯領に向かうので、この金で引っ越し準備ができたらこの別邸まで来てくれ」
「お、王弟殿下の!?」
ドジっ娘(仮名)はアルテちゃんとエイダさんと俺をマジマジと見て驚く。
「ああ。この紋章入りのリボンを入り口に見せたら屋敷に入れるように話を通しておくから十日間のうちには来てくれ」
俺はリボンの予備を渡した。
「あ、ありがとうございます、分かりました」
ドジっ娘さんにお礼を言われた後、大量のリボンを魔法の収納布に放り込み、ぼんやりしている彼女を残し、俺達は食材を買い込んで王弟殿下の別邸へ戻った。
「ところでそんなに大量のリボンをどうするのですか? 我々の分なら洗濯分を合わせても五本くらいずつで大丈夫ですよ?」
エイダさんが心配そうに俺を見た。
「いずれ自分の領地で服飾店でも開いたら他の飾りと合体させてかわいいノベルティにでもするさ」
「ノベルティとはなんですか?」
エイダさんとアルテちゃんは首をかしげる。
「無料で配る記念品だよ」
「無料で配ると損ではないですか?」
「そうかな? プレミアム感が出ると思う」
ここにはまだノベルティの概念がないようだから、そこに勝算があると思う、特に貴族令嬢相手に。
俺はほっと胸を撫で下ろした。
エイダさんはアルテちゃんの看病中につけ襟などに紋章の刺繍をして時を過ごした。
淡いピンク髪のポニテには紋章入りのリボンでコーデしているし、アルテちゃんの方はツインテに紋章入りのリボンと、首からは王弟殿下の札を下げている。
二人とも似合っていてかわいい。
せっかくだから王都のショップでも彼女らの寝巻きと仕事着それとついでに普段着と俺自身の服などを購入した。
エイダさんにはドレスも買っていいと言ったんだけど、メイドにはドレスを着る機会などほとんどないからもったいないと断られた。
ついでに王都の街並みなんかも例の魔道具で撮影したりして観光気分で楽しんだりもした。
俺が、かわいい獣人を二人も連れていたのでやけに視線を集めてしまったが、王弟殿下の紋付き装備の騎士が護衛してくれてるし、特に問題は起きなかった。
周囲に視線を巡らすと、通りの先に公園が見えた。
市場の看板も立っている。
「あ、ついでに市場で食材も買うか」
「うん!」
公園内の市場は活気があり、人が多いのではぐれないように俺はアルテちゃんを抱っこした。
突然駆け出してしまうと困るからな。
「三日後は、いよいよ収穫祭ね」
「今回も豊作だったからよかったわ」
「それよりあなた達、お祭りのダンスパートナーは?」
「私はもちろん決まったわよ」
「私まだ誘われてないー! 見る目のない男ばかりだわ」
道を行く街娘達から、そんなセリフが聞こえた。
「三日後に収穫祭てのがあるらしいな」
「おまつりー」
「豊作だったようで何よりですね」
二人とも興味がありそうだし、
「アルテちゃん、エイダさん、三日後のお祭りを俺と一緒に見に来てみる?」
「みるー!」
「いいんですか? 人材確保やなんかでお忙しいのでは?」
「少し覗くくらい平気だよ」
令嬢達は忙しいだろうし、お祭りはこの二人と遊びに行くことにしよう。
「発注ミスですって!? なんてことをしてくれたの!? ありえない量よ! 多すぎる!」
「も、申し訳ありません!」
俺は怒鳴り声が聞こえた方向を見た。
どうやら従業員が発注ミスをしたようだ。
箱が複数積み上がっているのを指差していた。
「数字もまともに書けないのなら仕事なんか辞めなさい! 在庫の山になる分はお前の給料から引くからね!」
「お、お許しください、生活費がなくなります!」
「お前の今月の給料全部使っても足りないのよ!」
「店主、さばけないほどの在庫というのは、この箱に入っているリボンの事か?」
俺は箱の中身を確認して言った。
「そ、そうですが」
急に知らない男の俺に話しかけられた店主らしき女は面くらう。
「そのリボンの在庫、一箱残して他を仕入れ値で私が買い取ろう」
八箱分の箱があるから、七箱分を引き受ける。
「えっそんなに!?」
更に店主らしき女は俺の急な提案に戸惑っている。
「生鮮食品でもない布だ、そう簡単に傷むものでもないし」
「あ、ありがとうございます」
戸惑いながらも受け入れた。
「それと、今は助かったけどお前はクビだから、またこんな間違いされたらコッチが破産するからね」
クビは撤回しないんだな。
「はい……」
発注ミスをした女の子は、泣きそうだ。
仕入れ値を聞いてから代金を取り出す俺。
「さあ、七箱分の代金だ」
「ど、どうも」
店主はまだこいつ何なんだ? って顔をしてる。
「それと君は急に仕事先がなくなって困ってるならうちにきなさい」
「え? それは助かりますが、いいのですか?」
どうせ自分の砦にはメイドが複数人必要だしと、俺はドジっ娘(仮名)さんに声をかけた。
「掃除か料理か裁縫は出来る?」
「は、はい、その三つならどれでも」
「よろしい、今は私は王都の王弟殿下の別邸にいるが、いずれ辺境伯領に向かうので、この金で引っ越し準備ができたらこの別邸まで来てくれ」
「お、王弟殿下の!?」
ドジっ娘(仮名)はアルテちゃんとエイダさんと俺をマジマジと見て驚く。
「ああ。この紋章入りのリボンを入り口に見せたら屋敷に入れるように話を通しておくから十日間のうちには来てくれ」
俺はリボンの予備を渡した。
「あ、ありがとうございます、分かりました」
ドジっ娘さんにお礼を言われた後、大量のリボンを魔法の収納布に放り込み、ぼんやりしている彼女を残し、俺達は食材を買い込んで王弟殿下の別邸へ戻った。
「ところでそんなに大量のリボンをどうするのですか? 我々の分なら洗濯分を合わせても五本くらいずつで大丈夫ですよ?」
エイダさんが心配そうに俺を見た。
「いずれ自分の領地で服飾店でも開いたら他の飾りと合体させてかわいいノベルティにでもするさ」
「ノベルティとはなんですか?」
エイダさんとアルテちゃんは首をかしげる。
「無料で配る記念品だよ」
「無料で配ると損ではないですか?」
「そうかな? プレミアム感が出ると思う」
ここにはまだノベルティの概念がないようだから、そこに勝算があると思う、特に貴族令嬢相手に。
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