102 / 125
102 それから……
しおりを挟む
あれから王太子が侯爵令嬢たるファビオラ伝いで侯爵とザカロス国との税金、関税関係で超優遇条件を約束させたらしい。
おかげで魔法の伝書鳥がお空を何度も流星のように飛び交っていた。
ファビオラの父親は海路の輸出入の官職をしているからわりとあっさりツェーザルロ国からの要求は通ったようだ。
娘の命にかかわるから、あちらのザカロスの王家とも何か大事なものを差し出してでも話をつけたのだろう。
なにしろファビオラの父親は娘を溺愛しているらしく、娘が勝手に婚約破棄をしても許したくらいだ。
それと隣国から優秀な土魔法使いを格安で10人借りられるらしい。
隣国への関税優遇処置の件と聖女を助けた功績で俺に褒賞が出て、王の権限で俺の領地がまた広くなったらしい。
辺境伯の広すぎる土地がまた村8つ分ほどうちの領地になった。
辺境伯たる王弟殿下は、税収が減るのでは?
と少し気になったが、特にダメージはないらしい。
なんにせよ、新しく貰った土地に城を作ってくれるらしいし、王が機嫌をよくして俺は子爵から伯爵まで爵位があがった。
ほとんどファビオラの実家に圧をかけてダンジョンで聖女を拾っただけなのに。
◆ ◆ ◆
ツェーザルロとザカロス王家との話し合いから二日後。俺はツェーザルロの城にしばらく留め置かれ待機していたのであるが、いよいよお預けになっていた治療の時。
「今からあなたの胸を触ることになりますが、あくまでこれは治療ですから」
「は、はい、心得ております」
そしてひとまず治療を行うが、
「あなたは年一でこちらの国に通って来るとのことで、多めに魔力を吸い上げておきます」
他国の者なので頻繁にはこちらに来れない。
彼女は静かに頷き、寝台で横になった。
俺はファビオラのやつれた顔を見たくなかったので、顔の上に布を被せて治療を行った。
つまり、胸を……揉んだ。
モミモミモミモミモミモミモミモミ。
「……は…はあ、はぁ……っ、やっと、やっと体の痛みが……消えました……。
あなたの手は……こんなに……温かかったのですね……」
布越しにファビオラが喋ってる。
くぐもった声……泣いてるような感じがする。
「そうですか、多めに魔力を吸収したので、しばらく疲れて歩くのも大変でしょう。貴方の家の騎士にでも運んで貰ってください」
「はい」
ファビオラは伴ってきていた、自分の家の護衛騎士に姫抱っこをされてザカロス国に帰る為に神殿のゲートに向かった。
◆ ◆ ◆
そして俺とユージーンと聖女も領地に戻ってきた。
未来の夫人達も俺の治療を受けてから、それぞれ実家に戻った。
婚約期間は花嫁修業みたいなのをするらしい。
そして、新たに増えた俺の領地だが、
真冬でも突貫工事でレンタルした土魔法使いが大急ぎで俺と妻達の為の城を作ってる。
ブロックを積み重ねて城を作るゲームを思い出させる光景だった。
とりあえず完成するまでは砦の中で過ごす。
今は用事があってサロンの暖炉の側に来た。
暖炉の前には白銀の毛皮を敷いてあるのだが、その上ではアルテちゃんが丸くなって寝ている。
先日、冬になると村の家畜を喰らいに来る雪狼討伐の為に傭兵と共に斥候の仕事を手伝ったら、疲れたらしい。
「むにゃむにゃ……」
「アルテちゃんは獲物を素早く見つけるから、傭兵達も助かると言っていたらしいですよ」
と、聖女リーディアがそっとアルテちゃんの頭を撫でながら語る。
「うん、アルテちゃんは気配に敏感だからね。ところでリーディア宛にツェーザルロ王家からは衣装、そして神殿からは新しいロッドが贈られてきたよ」
俺は先ほど受け取って来た聖女への贈り物を本人に渡しに来た訳だ。
「素直に受け取ってもよいものでしょうか?」
「返す方が失礼では? とりあえず貰えるものは貰っておくといい」
「分かりました」
「ところで明日はダンジョンのてん菜探索の様子見に行こうと思うんだけど、リーディアもついて来てくれるかな?」
「はい! もちろんです」
そう言ってリーディアは受け取ったばかりの神殿から寄贈されたロッドを握りしめた。
先っぽには綺麗な魔法石がはめ込まれた綺麗な杖だから見栄えがする。
「アルテも行く!」
寝てたはずが急に起きたアルテちゃん。
もしかしたらダンジョン探索に潜ってる冒険者パーティーより先にテン菜を見つけてくれるかもな。
「よし、じゃあ無理ない程度に行ってみるか!」
護衛に魔法使いとドラゴンも倒せるユージーンも連れて行けばなんとかなるだろ!
今回は聖女までいるし!
おかげで魔法の伝書鳥がお空を何度も流星のように飛び交っていた。
ファビオラの父親は海路の輸出入の官職をしているからわりとあっさりツェーザルロ国からの要求は通ったようだ。
娘の命にかかわるから、あちらのザカロスの王家とも何か大事なものを差し出してでも話をつけたのだろう。
なにしろファビオラの父親は娘を溺愛しているらしく、娘が勝手に婚約破棄をしても許したくらいだ。
それと隣国から優秀な土魔法使いを格安で10人借りられるらしい。
隣国への関税優遇処置の件と聖女を助けた功績で俺に褒賞が出て、王の権限で俺の領地がまた広くなったらしい。
辺境伯の広すぎる土地がまた村8つ分ほどうちの領地になった。
辺境伯たる王弟殿下は、税収が減るのでは?
と少し気になったが、特にダメージはないらしい。
なんにせよ、新しく貰った土地に城を作ってくれるらしいし、王が機嫌をよくして俺は子爵から伯爵まで爵位があがった。
ほとんどファビオラの実家に圧をかけてダンジョンで聖女を拾っただけなのに。
◆ ◆ ◆
ツェーザルロとザカロス王家との話し合いから二日後。俺はツェーザルロの城にしばらく留め置かれ待機していたのであるが、いよいよお預けになっていた治療の時。
「今からあなたの胸を触ることになりますが、あくまでこれは治療ですから」
「は、はい、心得ております」
そしてひとまず治療を行うが、
「あなたは年一でこちらの国に通って来るとのことで、多めに魔力を吸い上げておきます」
他国の者なので頻繁にはこちらに来れない。
彼女は静かに頷き、寝台で横になった。
俺はファビオラのやつれた顔を見たくなかったので、顔の上に布を被せて治療を行った。
つまり、胸を……揉んだ。
モミモミモミモミモミモミモミモミ。
「……は…はあ、はぁ……っ、やっと、やっと体の痛みが……消えました……。
あなたの手は……こんなに……温かかったのですね……」
布越しにファビオラが喋ってる。
くぐもった声……泣いてるような感じがする。
「そうですか、多めに魔力を吸収したので、しばらく疲れて歩くのも大変でしょう。貴方の家の騎士にでも運んで貰ってください」
「はい」
ファビオラは伴ってきていた、自分の家の護衛騎士に姫抱っこをされてザカロス国に帰る為に神殿のゲートに向かった。
◆ ◆ ◆
そして俺とユージーンと聖女も領地に戻ってきた。
未来の夫人達も俺の治療を受けてから、それぞれ実家に戻った。
婚約期間は花嫁修業みたいなのをするらしい。
そして、新たに増えた俺の領地だが、
真冬でも突貫工事でレンタルした土魔法使いが大急ぎで俺と妻達の為の城を作ってる。
ブロックを積み重ねて城を作るゲームを思い出させる光景だった。
とりあえず完成するまでは砦の中で過ごす。
今は用事があってサロンの暖炉の側に来た。
暖炉の前には白銀の毛皮を敷いてあるのだが、その上ではアルテちゃんが丸くなって寝ている。
先日、冬になると村の家畜を喰らいに来る雪狼討伐の為に傭兵と共に斥候の仕事を手伝ったら、疲れたらしい。
「むにゃむにゃ……」
「アルテちゃんは獲物を素早く見つけるから、傭兵達も助かると言っていたらしいですよ」
と、聖女リーディアがそっとアルテちゃんの頭を撫でながら語る。
「うん、アルテちゃんは気配に敏感だからね。ところでリーディア宛にツェーザルロ王家からは衣装、そして神殿からは新しいロッドが贈られてきたよ」
俺は先ほど受け取って来た聖女への贈り物を本人に渡しに来た訳だ。
「素直に受け取ってもよいものでしょうか?」
「返す方が失礼では? とりあえず貰えるものは貰っておくといい」
「分かりました」
「ところで明日はダンジョンのてん菜探索の様子見に行こうと思うんだけど、リーディアもついて来てくれるかな?」
「はい! もちろんです」
そう言ってリーディアは受け取ったばかりの神殿から寄贈されたロッドを握りしめた。
先っぽには綺麗な魔法石がはめ込まれた綺麗な杖だから見栄えがする。
「アルテも行く!」
寝てたはずが急に起きたアルテちゃん。
もしかしたらダンジョン探索に潜ってる冒険者パーティーより先にテン菜を見つけてくれるかもな。
「よし、じゃあ無理ない程度に行ってみるか!」
護衛に魔法使いとドラゴンも倒せるユージーンも連れて行けばなんとかなるだろ!
今回は聖女までいるし!
139
あなたにおすすめの小説
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる