炎のように

碧月 晶

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13.君は?

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そういえば…


「君の名前は?」
「わたし?わたしはね、エミーだよ!」
「エミー、ですか。可愛いエミーにぴったりですね」

そう言うとエミーは顔を真っ赤にしてしまった。

「? エミー?どうしたんですか?顔が赤いようですが…熱ですか?」
「なっ、何でもないよ!アイセお兄ちゃん!!」

エミーの額に触れようとしたら凄い勢いで部屋から出て行ってしまった。


 …やっぱり俺なんかに触れられるのは嫌だよな


結局触れられなかった手をじっと見つめて反省した。

 その後すぐ、サラさんが入ってきた。

「おや? エミーはどうしたんだい?」
「俺のせいで不快な思いをさせてしまったようです…」
「? 何があったんだい?」

 俺はエミーが出て行ってしまった経緯を簡単に説明した。

「…という事が有りまして…俺なんかに触られたくないですよね。軽率でした。エミーに謝らないと…」
「……ぷっ」


ん?

 
「あははは!! アイセ、アンタ面白いねぇ!!」
「えっ?」

どういうことだろう。今の会話のどこに面白いと感じる要素があったのだろうか。

「大丈夫だよ、別に謝らなくても」
「ですが…」
「いいのいいの!ほっときゃそのウチ治るから!」
「はぁ…そう、ですか」

そういうものなのだろうか?

まあ、深く考えたところで不明なものは仕方がないので、話題を変えることにした。

 
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