炎のように

碧月 晶

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47.報せ

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それを見た瞬間、それまで以上に胸が締め付けられた。

彼の傍へ行きたい。そんな衝動に駆られた。

再び歩み出そうとした瞬間、強い視線を感じた。
辿った先には、青と緑の美しい鳥が此方をジッと見据えていた。

 その鳥はヴィーチェル王国のみに生息する『エルモソ』という珍しい品種。
性格は気難しく、警戒心が強く、滅多に人に懐かない事で有名だ。


 そんな鳥が何故彼の傍で、守るように佇んでいるのだろう?


それと眼があう事数十秒、くちばしを開き、一際大きな鳴き声で大気を震わせた。

突然の大音量に眠っていた彼も身じろぐ。

「…ん。どうしたの?エテ…ル…」

鳥に向けていた眼をこちらに移した。


驚いているのか、彼は眼を見開いたまま戸惑いに口をパクパクさせていた。

 
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