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しおりを挟む「ご冗談を……」
「ふむ。シーノ・マイテイル。お前、本当に血を飲んだことが無い様だな?吸血鬼として嘆かわしい。
牙無しとはいえ、当たり前の能力すら知らぬとは。」
「申し訳ございません……」
正論でしかないタルドの言葉に、肯定することしか出来ない。
「飲め」
ダラダラと血を流した手首を、目の前に差し出され、叫びそうになった。
「っ、できません!」
膝に抱えられ、片手で腰を掴まれているだけなのに、立ち上がることもできない。
「そうか……残念だ。痛いのは嫌いだと言うから、優しくしてやったが……いささか甘やかしすぎた様だな」
差し出された腕からこぼれ落ちる血が、大きな刃へと形を変える。
「なっ」
喉元に突きつけられたそれは、ただの脅しではないことを知っている。何せ何度もそれで刺されているのだから。
「や──」
抵抗するまもなく、首が切り落とされ
反転した世界が
一瞬だけ見えた
■
ビシバシと何かを叩く音が響く。
その音にあわせて体が揺れている。
視界がブレる。段々とそれが痛みだと理解し始めると、視界に光が差した。
「っは、んっ……、ぁっ……うっ!?」
ボンヤリとした思考で、何が起きているのか考える。
何度も視界がブレて、頬に痛みが走る。
「んっぐ、……はっ、ふっぐ……」
「目が覚めたようだな……」
体はふかふかのベッドに横たわっているのに、腹の上に跨るタルドが何度も頬をぶつせいで顔が痛い。
「はふっ……っタルド……」
「あぁ、可哀想に……痛かったか?でも仕方ないんだ、お前が人間の村に行きたいなどと言い出すから」
「はっ、はっ、んぐっ」
「相変わらず奇妙な形だな」
親指が奥へと押し込められ、口を開かされる。
上唇を持ち上げ、歯茎にタルドの指が這う。
観察するように煌めく青い瞳。じっと見つめ返せば、舌が口を割って入り込み、嬲るように口の中を暴れ回る。歯の一本一本を確認するように這い回るとサッと引いていく。
「んっぐ、んっ」
「回復力は一級品だな」
先ほど切り落とされたはずの首元を、指の腹がなぞる。
軽く圧をかけられ、思わず咳き込んだ。
「ゲホっゲホ」
「この牙を抜いてしまえば……お前は一体どうなるんだろうな?」
「ひっ……や、やめ……」
「ククッ、冗談だ。まぁ、お前がなにか大罪を犯したならば話は別だがな?しかし、その回復力ならば、また生えてくるのでは無いか?」
躊躇いもなく人の首を切り飛ばす奴だ、俺の歯を抜くなんて造作もないだろう。実際に抜かれたところで、どうということは無いはずなのに。失っては行けない気がする。
口元を押さえながら、震える声で問いかける。
「……何故、人間の村に行っては、行けないのですか?」
「ふむ。私が行くなと言っているのだから、それで良いじゃないか」
ひどく面倒そうな視線が返ってくる。
それ以上の説明はない。
沈黙だけが落ちた。
「……」
イライラした様子で俺の胸元を撫でつけ、立ち上がった先をこねくり回す。
抵抗すればまた滅多刺しにされながらの行為が始まると考えれば、こちらの方が許容範囲だ。
予告も無しに思い切り奥へと穿たれる。
「んっ……!はっぁ……」
恐ろしいほどにゆっくりと中を擦り上げて進む塊を、ひくひくと中が勝手に向かい入れる。
「あぁ、お前の中はいつも暖かい……ククッ」
イキそうでイケないもどかしさに、奥が静かに脈打つ。
片膝を押し上げて、胸元に押し付けられ開脚するように体を捻られる。
「んっ……ぁあ……そこっ!んんっ」
「素直に泣く姿が、こんなにも愛らしいのはお前だけだ」
中を味わうように、微かな固まりを避けるように、腹の裏側が擦られていく。
「っぁぁ………………!はっ……ん!」
トクトクと中に精液が吐き出される感覚にイきそうになった瞬間、臀部を叩かれ、キュッと収縮を繰り返す。
チカチカと火花が散り、視線が裏返る。
目線を戻そうとゆっくりと瞬きを繰り返し、ゆっくりと息を整える。
「気持ち、良い……ですっ……んっ……」
快楽に頬が緩み、青い瞳が俺を捉える。
喰われるような口付けに、息が詰まった。
「んっ……んん、っん!」
「お兄様!」
バンと扉が勢いよく開き、可憐な少女の声が響く。
ピクリと肩が跳ね上がり、扉の方へ視線が向く。
薄らと透ける素材の天幕からは、微かに人影が伺えるだけで、誰だか判別がつかない。
タルドがバサッとシーツを被せてくるのをありがたく頭から被った。
こんな姿を少女に見せたらダメだろう。
「……フラッタ、今は」
「お客様を連れて来たわ!」
「客?」
「失礼する」
「ヴァイス・レイドレスか。何の用だ?見ての通り、俺は忙しい」
ヴァイス……良かった、無事だったんだ。
蔦で絡め取られていただけだから、そこまで怪我はないと思っていたけれど。
「チッ、出ていけ。フラッタ、そいつをつまみ出せ」
「ごめんなさい……お兄様。直ぐにつまみ出しますわ」
コロコロと鈴音のような声で少女が応える。
タルドの妹、フラッタ・サールス。
青い癖毛を腰まで伸ばし、高い位置でツインテールで結んでいる。
吸血鬼の年齢は見た目では判断できないため、正しい年齢は不明だが、可憐な少女と言った姿をしていた。
「フラッタ嬢。申し訳ないが、私はシーノ・マイテイルを迎えに来た。手ぶらでは帰れない」
「あら……それがなんだと言うの?お兄様のお言葉が耳に入らなくて?それとも、耳に何か詰まっているのかしら?
だと言うなら、仕方がない事ね……けれど……とても、不快だわ」
ふふっと笑い声が上がる。
サールス家にはまともな性格と言う概念が無いのだろうか。
タルドもルクスも「まとも」とは言い難い。
それに比べて、ヴァイスが一番まともだと思う。
「はぁ……」
思わずため息が漏れる。
「シーノ・マイテイル……」
「ひっ……!?あ、その、何でも、ございません!!」
シーツ越しにのしかかってきた気配に、ビクビクと怯えていると、容赦なく中心を掴みあげられ悲鳴をあげた。
「イッ!」
「ククッ、仕方ない。ここまでにしておこうか」
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