数合わせから始まる俺様の独占欲

日矩 凛太郎

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待ちに待った二人だけの空間

肩の力が抜ける

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とんだ偶然が重なり、場を掻き乱されてしまったと思えば、浅見の新しい一面、城崎が彼女に対しての大切にした場面で塗り替えられ、最後には初々しいさと熱の籠る結果となった。

そんな出来事が過ぎて、期待と気恥ずかしさを胸にあっという間に約束の土曜日。

待ち合わせの駅はいつもの場所から乗り換えて。城崎の最寄り駅。そこから合流し、彼の家へと向かう手筈だ。

待ち合わせの場所、その駅の改札を抜ければ、すぐ目の前の広場に、探さなくても直ぐ目に付く分かりやすい彼の姿。それに釣られるように浅見は足早にそちらに向かう。

「城崎さん、お待たせしました」
「いや、俺もさっき来たとこ」

駆け寄り声を掛ければ、短い返事と共にフッと笑い、手を差し伸べる。
今では当たり前になったそれに、未だに少しの恥ずかしさを持ちながらも、その掌に自身の手を乗せることに抵抗はなかった

▼駅から離れて、スーパーや多くのお店のある大通りを抜けて10分ほど歩いた頃、「ココ」っと顎差ししたのはレンガ調の味わい深さを滲み出したオシャレなマンション。

手を引かれるがままそのマンションのエントランスに入り、慣れた手つきでロックを解除して、エレベーターへ。浅見の胸が忙しないのも関係なしに、あれよ、あれよと引かれてもう城崎の玄関前。


「どうぞ」
「あ、はい……お邪魔します」

声がいつもより小さくなる。靴を揃えて上がると、すぐ横に広がったのはシンプルなリビング。
大きなソファと低めのテーブル。壁際には棚があり、並べられた工具や本はきっちり整頓されている。生活感はあるのに、乱れてはいない。

「(……きれい。)」

浅見は律儀に感心しながら、用意されたスリッパに足を通した。そうして先を行く城崎の背を追い掛けながら、ふとリビングテーブルに置かれたポップコーンやポテトチップスなどのお菓子が綺麗に並べられていた。

「お菓子こんなに買ってくれたんですか!?」
「ん」

驚きながらも目を輝かせる浅見に「だってアンタ、映画観る時食うだろ?」と言いながら、ポンポンっとソファーを軽く叩く。此処に座って、という合図。

それに肩を竦めながら流れるようにソファーに腰を下ろす。だが浅見の表情は膨れていて

「…言って下されば私が用意しましたよ?」
「これよりもいっぱい?」
「っ、そんなに買いませんっ!」

そんな浅見の視線も気にせず、からかい混じりの言葉を投げ掛ければ、ムキになって声を上げる浅見にクスクスと笑いを零す。
からかわれた事が分かって、もう、と仕方なくソファーに寄り掛かる。
城崎は未だにフッと笑いながら、彼女の目の前に飲み物を差し出した。缶ビールとウーロン茶。

「どっちだ?」
「……ウーロン茶で」


  城崎さんのお家に行く、という約束はあの偶然の出来事から、気持ちは期待とドキドキで埋め尽くされていた。

入った時のシュミレーションを何度もして、どうしたらいいか、なんて思いながら、日を跨ぐ。この日のために下着まで新しく買ってしまったくらい。

それくらい、私にとって緊張するイベントなのに…それを知ってか知らずか、会って来てみれば、なんら変わらない城崎さんがいて。

いつも通りのかっこいい接し方で私をからかって、笑ってくれて。そのくせ、さり気ない気遣いは相変わらず。なんだがそれのお陰で良い意味で拍子抜けた。

初めての男性宅への訪問、その出だしに私の心は落ち着けて、好調だ
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