未来も過去も

もこ

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14年前

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やってきたのは、今はジャンクフードと呼ばれる店だった。懐かしい。ショッピングモールにも入っているが、俺は働き始めてから全然利用してなかった。 
「小野寺さん、何にする?」
こう君が俺にべったりくっついて聞いてきた。

「俺は、テリヤキバーガーセットかな。こう君は?」
テリヤキバーガー、学生の頃良く食べた。友だちとバカ話して盛り上がったことを思い出す。
「俺、フィッシュバーガーのセットと…テリヤキバーガー単品で!」
こう君の分も俺が支払い2人で並んで席に向かった。

「小野寺さん、出してもらってすみません。洸、お前少しは遠慮しろ!」
後からやってきた巌城さんは、ダブルチーズバーガーのセットに、ポテトのLサイズを2つもつけていた。
「えー、久しぶりに会ったんだし。ね?小野寺さん。」
「うん。そうだね。大丈夫ですよ。巌城さん。」
恐縮している巌城さんへ笑って見せた。

昼には早い時間だったが、こう君は大きな口でよく食べた。3人でこう君の学校生活の話に盛り上がりながら、楽しく食事を進めた。こう君は2学期から、学級の代表をしているようだった。
「へぇ、大変だな。学級会の司会なんか務めるんだろ?」
「うん。めんどくさいけど仕方ない。」
こう君は、諦めたようにため息をついた。

「洸、最近モテるようになったんだよな?」
そんなこう君を見ながら、巌城さんがニヤニヤしていた。
「…モテてないし。」
何を思ったか、こう君が憮然として呟く。そっかあ、こう君もそんな歳かあ。俺は思春期に入ったであろうこう君の成長にただただ感動していた。しかし巌城さんは何も感じなかったようだ。

「ばあちゃんが言ってたぞ。部屋の掃除しててゴミ箱にラブレターが入ってたって。それも一度だけじゃない。…彼女はいないのか?」
セットのアイスコーヒーを飲みながら、巌城さんが言った。
「いるわけないし!もう、止めてよ。つまんないよ、その話題。」
こう君は凄い勢いで否定すると、2つ目のテリヤキバーガーにかぶりついた。

「ね、小野寺さんは彼女いるの?」
横目でこちらを伺いながらこう君が聞いてきた。俺は、突然振られた話題に狼狽えた。
「え、えっ、俺?俺はいないよ。」
慌てて否定する。

「今までに付き合った経験は?」
「んー、あるけど、あまり長続きしなくて…。」
尻すぼみに声が小さくなっていった。オイオイ、何も正直に言わなくても…。心の声が聞こえる。モテ男を演じる事もできるのに。自分のばか正直さに呆れ返った。そんな俺たちのやりとりを、巌城さんがニコニコしながら見ていた。



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