ある時、ある場所で

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エピローグ(悠)

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「はい。俺の方は準備万端。いつでもどうぞっ。」
真人のベッドに足を投げ出して座り、真人を誘う…。全身真っ赤になった真人が、俯き加減に俺の脚に跨るようにして徐々に腰を落とす。俺の雄に手を添えて、自分の中に取り込んでいく様にとても唆られる。俺の先端が飲み込まれた瞬間、グチュっと卑猥な音がした。

「…んん…。」
「…いっぱい入れてきた?…期待してた?俺もたくさんつけたから、ヌルヌルだな。もっと腰を落として。」
「…んあっ…。」
真人は快楽に弱いのに、どこか抑えてる。毎回真っ赤になって戸惑う様子が堪らない…。つい意地悪したくなる。

「…あっ!」
「ん?ここ?イイ所に当たった?」
「ん…あん!」
腰をグイッと動かすと、ますます全身が赤に染まった。
「きっつっ!真人、あんまり締めるなよ。俺、頑張りたいから。」
本当に、持ってかれそうだ。真人の中は常に蠢き、俺を中へ中へと誘い込む。

「ン、ひゃーっ!」
もう少しで全部穿いるという時、思いっきり腰を上げた。そのまま真人の身体を押し倒す。真人の脚を抱え上げて、口の中を貪りながら腰を上下に動かした。
「ひゃーって……。真人、可愛いなっ!」

「…んあああっん…。」
毎回いろんな顔を見せる…。俺は真人に夢中だ…自分でも自覚がある。毎日でもこうやって繋がってたい。グチュグチュと結合部から音が鳴り続けた…。




初めて「伊那村悠」として真人と繋がった日から3週間が経とうとしていた。あの日から、ほぼ真人の家でお泊まりしている。真人の両親は、あのログハウスで寝泊りする事に決めたようだ。毎朝、朝食を食べに2人でここに来て、母親が少しだけ店を手伝って帰るという事を繰り返すようになった。

『伊那村くん、いっそのことここに住んだら?』
息子の彼氏に同棲を勧める母親ってどうなんだ?と思わなくはなかったが、温かい言葉に甘えて、そうしようかと思っている俺がいる。俺の職場にも歩いて15分かからずにたどり着けるここは、俺にとっても絶好の場所だ。

4月の2週目から俺の休みに合わせて、水曜日が「trois」の定休日になった。月に2回ある俺の不規則な休みの日には、俺もエプロンを着けて店に立つ。皿洗いがめちゃくちゃ速くなった自信がある。次は野菜の切り方を教えてもらおう。

『マスター!お兄さんいたの?カッコイイですね!?』
大学生ぐらいの2人連れに水を運んだ時に、黄色い声をかけられた。

同じく別のテーブルに水を運んでいた真人が、こちらを振り返って、
『お、お兄さんじゃないです。…恋人です。』
と言った場面は、女2人の『きゃーっ!お似合いっ!』という歓声とともに、今週のハイライトとして俺の頭に刻み込まれている。

今度、お揃いのカフェエプロンを買う。…絶対に買う。



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