無添加ラブ

もこ

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初恋の人

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「陽介はずっと『オジサン』を求めていた。けど……俺とのセッ・スが最高で、俺にどんどん惹かれていた……。」
裕一郎がこちらを向いて、ギュッと抱きしめてきた。僕はただ、ただびっくりしていた。どうして分かったんだ?

「な、な、なんで分かるの? ど、ど、どうして?」
声が震える……。まさか、人の気持ちが読めるとか?

「冗談……。まさか本当だった?」
悪戯な表情を貼り付けた裕一郎が、また僕の上に乗りかかってきた。首筋にキスが落ちてくる……。
「ン……あン。」

「エッチな陽介。俺、もうこれ以上出ないぞ? また今夜な?」
チュッと唇にキスをされ、また裕一郎が横になるのがわかった。顔がカッと熱くなる。
「な、な、何をっ……? 僕はエッチじゃないっ!」
頭を上げて抗議すると、すぐに左手で裕一郎の体に押さえつけられた。

「ハイハイ。少し寝ようぜ。俺、本当は今日木曜日で休みなんだけど、年度初めだし、少しだけ会社に顔出さなっきゃだ。新人も来るみたいだし……。陽介、仕事は?」
「休み。」
裕一郎がここに来るのを期待して、掃除や片付けをしようと休みを取った。結局、部屋の掃除をする暇もなかった。裕一郎が、せっかちだから……。

「へっ? 本当に? じゃあデートしようぜ。昼までには戻ってくるよ。」
驚いた顔をした裕一郎が一瞬で笑顔になった。デート……。デートなんて初めての経験だ。今まで誰ともデートなんてしたことがなかった。僕は嬉しくなって、ギュッと裕一郎にしがみついた。

「花見……。」
僕の脳裏にいつかショッピングモールの裏の公園で見た桜の木が思い浮かんだ。
「ん? 何?」

「裕一郎と花見に行きたい。」
たぶん今、外では桜が満開なはず。散り始めかもしれない。けど、初めてデートするならば、桜の花を2人で見に行きたい。

「ああ、オッケー。行こう。そして、美味いレストランにでも入って何か食べよ。精力つけなっきゃ。」
チュッとキスをされて、また顔が熱くなる……。これだから若い男は……。

スッと眠りに入った裕一郎を見て、僕もだんだん眠くなってきた。今日は楽しい夢が見られるに違いない。深い眠りに入っていく裕一郎にしがみついて、僕も束の間の眠りについた。



ピンポーン

インターフォンが鳴り響き、僕はガバッと体を起こした。裕一郎はいない……夢? でも僕は何も身につけてない、まだ裸のままだった。

ピンポーン

ベッドから降りて枕元に畳まれていたパジャマを身につける。急いでインターフォンを見ると、裕一郎が映し出されていた。

「はいっ!?」
「開けて。」
ロックを解除する。時計を見ると、11時半を示していた。玄関に回り込む。ドアを開けて覗くと、裕一郎が大きなスーツケースを引いて歩いてくるところだった。

「まだ寝てたのか? ホラ、花見にいくぞ?」
玄関に入ってきた裕一郎が僕の頭を抱え込んで、チュッとリップ音を響かせた。

「そ、そのスーツケースは?」
今までにこんな大きなスーツケースを見たことがない。僕の言葉に裕一郎が笑顔を見せた。

「引っ越し。俺、今日からここに住むから。」
靴を脱いで、僕の身体を持ち上げる。
「す、す、住むって……?」
裕一郎の夢のような言葉に、自分の耳が信じられなかった。

「美味しい肉じゃが、ほうれん草のお浸し。料理上手でエッチな陽介。俺が離れて暮らせると思うか?」
「た、食べたの?」
肉じゃがもお浸しも昨夜の残りだ。裕一郎に食べさせたくて作ったわけじゃなかったけど……嬉しい。僕は裕一郎の首に腕を回して、ギュッと抱きついた。

裕一郎はシャワーを浴びた? 僕が使っているボディソープと同じ香りがする。裕一郎が引っ越してくるとしたら……。
「お帰り……。」
僕は裕一郎に聞こえないように、小さく呟いた。

「なんだ? 欲しくなった? じゃあ、花見は夜桜見物っていう事で……。」
裕一郎が僕を抱き上げたまま、寝室のドアを開ける。
「……また?」
反射的に顔が上がった。まだ12時間も経ってない。若い男の性欲って……半端ない……。

「だって、そんなに見つめられたら……。俺、陽介の目に弱いって言わなかったっけ?」
僕をベッドに落として裕一郎がスーツを脱ぎ始めた。
「もう……。一回だけだよ?」
覆い被さってきた裕一郎に、降参する。昨夜の名残りが僕の後ろを疼かせていた。

「ま、善処する。」
目を瞑る僕の唇に裕一郎の優しいキスが、降ってきた。




ー 完 ー




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