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2:伸一と隆介と弁当と
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随分と気の向くままに走り回った。手と足の先が冷たくなったが、体はポカポカしていた。少しだけ休もうと、とても古く昔からあるような雑貨屋の軒先にある自販機で、ホットレモンを買ってこちらも古臭いベンチに腰掛けた。
『ここは……いつもの駅の隣くらいだな。』
スマホを開き、位置を確認する。さっきから、微かに電車の音が聞こえていたから、線路沿いを走っていたことには間違いがなかった。やはり、いつも利用している駅の隣。大学とは反対側にある駅の近くだ。
『もうそろそろショッピングモールへ行ってもいいかな?』
時刻は9時20分。学校ではもう1時間目の英語が始まってる。昨日までで6個の授業をサボったことになる。これで7個目……初めての経験だけど、思ったより抵抗がなかった。
「はーっ、これからどうしよ。」
口に出して言ってみる。モールに行きたいわけじゃない。でも、家にいるわけにもいかないし、どこにも居場所がない。学校か……。ホットレモンを握りしめた毛のひらから、温かさが広がってきた。足の指先もジンジンしてくる。
「お前っ! それはないだろっ!」
「ははははっ!」
右側から2人連れの男の声が聞こえて横目で確認する。と、ガバッと身を起こして顔を2人に向けた。
『田崎さん……? いや……駿也のお兄さん?』
田崎さんとそっくりな茶髪の髪を靡かせた男が、同じくらいの背の高さの男とこちらに向かって歩いて来ていた。2人ともジーンズを穿いて楽な服装だ。けど、俺とは違って随分年上に見える。
『駿也のお兄さん……?』
高2の時の球技大会で駿也が足を怪我した時、初めて会った駿也のお兄さん。モールから手に入れた大量のダンボールを運ぶ時も車を出してくれた。背は低かったけど、黒髪で、駿也にそっくりだったんだ。でも……この人は髪が茶色い。駿也というより、田崎さんに似ているかもしれない……。
「おい、電車が来る。走ろうぜ。」
「待て、圭介!」
俺の目の前から走り出した2人の背中を見送りながら、俺は動けないでいた。姿が見えなくなって初めて視線を逸らす。まただ……。話しかければいいのに。駿也くんのお兄さんですか? それだけなのに……。
自分の不甲斐なさが嫌になる。駿也に会いたいと言っておきながら、本当は会うのが怖いんじゃないか? そんな気持ちにさえなっている。駿也が本当は会いたいとは思ってない……そんな事まで勘繰って行動に移せない。
「田崎さんに会いたいな。」
誰も聞いてない空間で言葉に出してみる。田崎さんには、学校に行けば会えるかもしれない。彼女がいることは……随分前から知っていたことだ。
『よし……行く。』
俺は決心すると、すでに温くなったホットレモンの蓋を開けて一気に飲み干し、すぐ近くの駅によるために自転車を漕ぎ出した。
『ここは……いつもの駅の隣くらいだな。』
スマホを開き、位置を確認する。さっきから、微かに電車の音が聞こえていたから、線路沿いを走っていたことには間違いがなかった。やはり、いつも利用している駅の隣。大学とは反対側にある駅の近くだ。
『もうそろそろショッピングモールへ行ってもいいかな?』
時刻は9時20分。学校ではもう1時間目の英語が始まってる。昨日までで6個の授業をサボったことになる。これで7個目……初めての経験だけど、思ったより抵抗がなかった。
「はーっ、これからどうしよ。」
口に出して言ってみる。モールに行きたいわけじゃない。でも、家にいるわけにもいかないし、どこにも居場所がない。学校か……。ホットレモンを握りしめた毛のひらから、温かさが広がってきた。足の指先もジンジンしてくる。
「お前っ! それはないだろっ!」
「ははははっ!」
右側から2人連れの男の声が聞こえて横目で確認する。と、ガバッと身を起こして顔を2人に向けた。
『田崎さん……? いや……駿也のお兄さん?』
田崎さんとそっくりな茶髪の髪を靡かせた男が、同じくらいの背の高さの男とこちらに向かって歩いて来ていた。2人ともジーンズを穿いて楽な服装だ。けど、俺とは違って随分年上に見える。
『駿也のお兄さん……?』
高2の時の球技大会で駿也が足を怪我した時、初めて会った駿也のお兄さん。モールから手に入れた大量のダンボールを運ぶ時も車を出してくれた。背は低かったけど、黒髪で、駿也にそっくりだったんだ。でも……この人は髪が茶色い。駿也というより、田崎さんに似ているかもしれない……。
「おい、電車が来る。走ろうぜ。」
「待て、圭介!」
俺の目の前から走り出した2人の背中を見送りながら、俺は動けないでいた。姿が見えなくなって初めて視線を逸らす。まただ……。話しかければいいのに。駿也くんのお兄さんですか? それだけなのに……。
自分の不甲斐なさが嫌になる。駿也に会いたいと言っておきながら、本当は会うのが怖いんじゃないか? そんな気持ちにさえなっている。駿也が本当は会いたいとは思ってない……そんな事まで勘繰って行動に移せない。
「田崎さんに会いたいな。」
誰も聞いてない空間で言葉に出してみる。田崎さんには、学校に行けば会えるかもしれない。彼女がいることは……随分前から知っていたことだ。
『よし……行く。』
俺は決心すると、すでに温くなったホットレモンの蓋を開けて一気に飲み干し、すぐ近くの駅によるために自転車を漕ぎ出した。
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