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2:佐崎駿也
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『田崎さん、大丈夫ですか? 既読もつかないので、ちょっとだけ心配しています。』
田崎さんにメールを送り、しばらく眺めてからスマホの画面を閉じた。俺の誕生日から2か月半が過ぎようとしていた。この前の土日に、欅藝祭が終わった。俺は今年、誰とも関らず、一切大学には行かなかった。これでサークルを追い出されようが別に構わない。
今日は振替休日の2日目、火曜日。明日からまた学校が始まる。今日は夕方からバイトがあるけど、午後になってもまだベッドでゴロゴロとしていた。
『何も用事がないなら、手伝ってくれてもいいのに。』
母さんが文句を言いながら、買い物に出て行ったが、どうでもいい。母さんは夕飯は間に合わないって言っていたけど、別にお腹が空いたらカップ麺でも食べるし……。
『何だかな……。』
1か月って言っていたはずなのに、田崎さんと連絡がつかない。田崎さんの身に何かあったのか? 色々と考え始めると不安になるけれど、それを解消する術が思いつかない。たぶん持って行くのを忘れたのであろう携帯にこうやって連絡するしか……。
『はぁー、どこいら辺に住んでるかぐらい聞いておくんだった。』
駿也にも同じことを考えた事を思い出す。俺は高校2年の頃から全然成長していない。そう考えると、自分が本当に嫌になる……。
『駿也……。』
今どこで何をしているんだろう。何を見て何を考えてる? 大学生なのか? それとも働いている? メールを見ているのに一切返事をよこさない駿也……。
「はぁーっ。」
今度は、本当にため息を吐いてまたスマホの画面を開いた。
『駿也、今どうしてる?』
簡単に打って送信する。今度もまたすぐに既読がついた。すぐにスマホを閉じてベッドの棚に置き、代わりに写真立てを手に取った。
「もう3年になるんだよな……。おい、駿也。田崎さんが駿也に似ているのか、駿也が田崎さんに似ているのかだんだん分からなくなってきたぞ?」
ピロリン
ピロリン
俺が写真の中の駿也に呟いた途端に、スマホの通知音が鳴った。誰だろう……。ゆっくりと頭の上に手を伸ばして、スマホを傾けた。
『望、今すぐ会いに行く。』
『待ってて。』
「駿也っ!!」
反射的に体が跳ね起きた。し、し、駿也? スマホを開いてアプリを確認する。俺が打ったメールのすぐ下に、駿也からの返信が収まっていた。
『えっ、えっ、えーー!?』
あ、会いに来るって……まさかここに?
知らないうちにスマホを抱えたまま、部屋中をグルグルと歩き始めていた。
『いや、待て。モール辺りにでも来てそこからまた連絡をよこすとか?』
そういえば、駿也の家はモールのすぐ裏手だと言っていたような……。えっ? じゃあ小学校が同じでもいいんじゃないか?
小学校の同級生に佐崎駿也がいなかったのは間違いない。でも、あの辺は俺が卒業した小学校のギリギリの学区内だ。
ピンポーン
グルグルと頭を働かせている間に、インターフォンが鳴り響き、足がぴたっと止まった。
『駿也?』
そうっと部屋を出て階段下に向かう。インターフォンの画面を見ると、確かに駿也らしき人が映っていた。
「はい、どなた……ですか……?」
通話ボタンを押して問いかける。少しだけ声が震えた。
「俺、佐崎駿也。……会いに来た。」
その声を聞いた途端に、全身が震え出した。
田崎さんにメールを送り、しばらく眺めてからスマホの画面を閉じた。俺の誕生日から2か月半が過ぎようとしていた。この前の土日に、欅藝祭が終わった。俺は今年、誰とも関らず、一切大学には行かなかった。これでサークルを追い出されようが別に構わない。
今日は振替休日の2日目、火曜日。明日からまた学校が始まる。今日は夕方からバイトがあるけど、午後になってもまだベッドでゴロゴロとしていた。
『何も用事がないなら、手伝ってくれてもいいのに。』
母さんが文句を言いながら、買い物に出て行ったが、どうでもいい。母さんは夕飯は間に合わないって言っていたけど、別にお腹が空いたらカップ麺でも食べるし……。
『何だかな……。』
1か月って言っていたはずなのに、田崎さんと連絡がつかない。田崎さんの身に何かあったのか? 色々と考え始めると不安になるけれど、それを解消する術が思いつかない。たぶん持って行くのを忘れたのであろう携帯にこうやって連絡するしか……。
『はぁー、どこいら辺に住んでるかぐらい聞いておくんだった。』
駿也にも同じことを考えた事を思い出す。俺は高校2年の頃から全然成長していない。そう考えると、自分が本当に嫌になる……。
『駿也……。』
今どこで何をしているんだろう。何を見て何を考えてる? 大学生なのか? それとも働いている? メールを見ているのに一切返事をよこさない駿也……。
「はぁーっ。」
今度は、本当にため息を吐いてまたスマホの画面を開いた。
『駿也、今どうしてる?』
簡単に打って送信する。今度もまたすぐに既読がついた。すぐにスマホを閉じてベッドの棚に置き、代わりに写真立てを手に取った。
「もう3年になるんだよな……。おい、駿也。田崎さんが駿也に似ているのか、駿也が田崎さんに似ているのかだんだん分からなくなってきたぞ?」
ピロリン
ピロリン
俺が写真の中の駿也に呟いた途端に、スマホの通知音が鳴った。誰だろう……。ゆっくりと頭の上に手を伸ばして、スマホを傾けた。
『望、今すぐ会いに行く。』
『待ってて。』
「駿也っ!!」
反射的に体が跳ね起きた。し、し、駿也? スマホを開いてアプリを確認する。俺が打ったメールのすぐ下に、駿也からの返信が収まっていた。
『えっ、えっ、えーー!?』
あ、会いに来るって……まさかここに?
知らないうちにスマホを抱えたまま、部屋中をグルグルと歩き始めていた。
『いや、待て。モール辺りにでも来てそこからまた連絡をよこすとか?』
そういえば、駿也の家はモールのすぐ裏手だと言っていたような……。えっ? じゃあ小学校が同じでもいいんじゃないか?
小学校の同級生に佐崎駿也がいなかったのは間違いない。でも、あの辺は俺が卒業した小学校のギリギリの学区内だ。
ピンポーン
グルグルと頭を働かせている間に、インターフォンが鳴り響き、足がぴたっと止まった。
『駿也?』
そうっと部屋を出て階段下に向かう。インターフォンの画面を見ると、確かに駿也らしき人が映っていた。
「はい、どなた……ですか……?」
通話ボタンを押して問いかける。少しだけ声が震えた。
「俺、佐崎駿也。……会いに来た。」
その声を聞いた途端に、全身が震え出した。
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