俺が送ったメールは瞬時に既読になる。けど、アイツからの返事は一切ないんだ。……俺はいつまで待っていればいい? 〜明日のその先〜

もこ

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4:白い部屋と4つの扉

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階段を登った先は真っ白に塗られた空間があった。長細い部屋の先には大きな窓があってとても明るい。両脇に、低い造り付けのベンチのようなものが並んでいた。壁もベンチも真っ白だ。

「新田さん、今日はお世話になります。」
「よろしくお願いします。」
俺たちを待っていたのは、丸メガネで癖毛の男の人だった。お兄さんの雰囲気からして……結構年上っぽい。

『俺よりも癖が強いかな?』
思わず頭を撫でつける。少し長い髪を一つに束ねて……何だかメガネがないと、昔、社会の資料集で見た坂本龍馬に似てる気がする。

「今回は大掛かりだよな。3回だろ? よく所長が許可したよ。」
「何故か、駿也を気に入ってもらえたようで。」
新田と呼ばれた人とお兄さんの会話が続いたが、俺にはさっぱり分からなかった。

「けど、その前に佐々川くんにサインを貰わないと。」
急に名前を呼ばれて驚いた。俺の名前を知ってる? 近づいてきた新田さんが、クリップボードに挟んだ1枚の紙とボールペンを差し出していた。

「これ、読んで。そして一番下にサインして。」
ざっと目を通すと、これから聞くこと、身に起きたことは一切の口外を禁じると言った旨が書いてあった。不審に思って隣の駿也を見上げる。

「大丈夫。俺も似たようなものにサインした。安心して。身に危険が及ぶことは絶対ない。」
かがみ込んで、俺の耳元に囁く……。ちょっと近すぎるんですけど……。そして、チュッとキスしたろ? 今?

ボールペンで名前を書く。クリップボードとともに新田さんに返すと、新田さんがニヤニヤ笑っていた。
「そういうこと! へー。じゃ、俺は所長に届けてからいつもの所で待機するわ。いやー、まだやってない事を過去で経験するって面白いな? どうなるかな? またな!」
謎の言葉を残して、あっという間に螺旋階段を降りていった新田さんが、下の扉を抜けていくのが分かった。

「駿也……今キスしたろ。」
「ん? して……ない……かな?」
誤魔化そうとしてるな……。顔が熱いんですけど。新田さんも『そういうこと。』って言ってたし。

「大丈夫。彼は免疫あるから。それよりも、こっちだ。ちょっと望くんに説明しないと。」
お兄さんの声で我に返る。いつの間にか壁の左側にポッカリと穴が空き、そこに部屋が現れていた。ぼかんとする俺の背中に駿也の手が添えられる。

「幸也の新居だ。行こう。」
新居? えっ? モールの4階に住んでるわけ? 俺はまだまだ訳が分からないまま、お兄さんの後に続いて部屋の中に足を踏み入れた。




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