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4:白い部屋と4つの扉
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「今日は何があるんですか?」
さっき新田さんが大掛かりだって言ってた。それにまだやってない事を過去で経験って……何のこと?
「ああ。駿也がね、望くんに説明したいって言ってきたんだ。高校の時、何故突然いなくなったのか。いや、何故いきなり同級生のフリをして望くんの近くにやってきたのか。」
笑いながら話しているお兄さんは楽しそうだけど、俺は何が何だか分からなかった。
「ほら、結局は俺が全部関わったことだからさ。口で説明するかと思ったんだけど、許可を取るのに所長に直談判に行ったら、思わぬ事を提案された。」
「思わぬ事?」
「そ。望くんに体験させてもいいって。」
「?」
体験? 笑顔で話すお兄さんの顔を見ながら、何が何だか分からなくなっている俺がいた。体験って何だ? 体験って……。
「おっ? 悪い、圭介から電話だ。ちょっと待ってて。」
スマホを取り出して、隣の部屋に消えてったお兄さんの姿を見送り、駿也の顔を見た。駿也は俺の方をずっと見ていた。
「望、俺たちは今日、過去へ飛ぶ。大丈夫だ、何人も経験してる。ここは、時間と場所の特異点。多分地球上でいくつかある中の1つだ。20年以上前に発見されて、国の研究組織が整備された。幸也はその一員。」
「駿也は? 駿也は知ってたの?」
俺の言葉に駿也が顔を寄せてきた。
「俺が知ったのは半年前……。幸也たちが3年前に飛んで母校の欅央高校に行くと聞いて、居ても立ってもいられなくなったんだ。片想いしてた望に会いたくて……。」
俺の顎に駿也の手が添えられて上を向いた。駿也のキスが落ちてくる……。
「ん……。」
ヤバい。何も考えられなくなりそう……。こ、これから何か始まるというのに。口づけをそっと離した駿也に頭を抱え込まれた。
「俺も正直怖い。自分を全て曝け出すことになる。そしてその後、望の気持ちがどうなるか……。でも、望の3年前に勝手に介入した事を思うと、今回の幸也の提案は受け入れるべきだ、そう思ったんだ。」
駿也の胸から聞こえる声を聞いているうちに、何だか話を信じている俺がいた。過去に飛ぶなんて、信じられるはずがないのに……。
「駿也も一緒に行くんだろ?」
上を向いて話しかけると、瞼にキスが落ちてきた。
「当たり前だろ? 俺が望と離れて送り出せるとでも?」
その言葉を聞いて、安心感が広がった。駿也と一緒なら大丈夫だ。俺は駿也にギュッと抱きついた。
「ラブラブな所悪いけどね……。」
お兄さんの言葉に慌てて駿也から離れる。見られた……! チラリとお兄さんを見ると、優しそうな笑顔でこちらを見ていた。奥の部屋から出てきたなんて全然分からなかった。恥ずかし過ぎて顔が上げられなかった。
「9時半過ぎた。時間だ。洸一さんが待っている。」
俺の仕事は今日はここまで。と、お兄さんに笑顔で送り出され、『M』の部屋を後にした。
白い部屋に降り立つと、後ろの扉はまた何事もなかったように壁になった。さっきベンチだと思った所は、部屋への上り框だと気づいた。扉の境目があるわけじゃない……。完全に壁だ。
「なんだか不思議。」
壁に触っても全然違いが分からない。
「望? 行こう。」
言われて我に返る。駿也の手が背中に当てがわれて促されるまま前に進んだ。
「ここ?」
頷いた駿也が、お兄さんの部屋とは反対側にある壁に手のひらを当てた。スッと目の前に部屋が現れた。
「行くぞ?」
駿也と同時に上り框に足を乗せる。
「いらっしゃい。」
部屋に入り込むと、左の奥の方から声が聞こえた。
さっき新田さんが大掛かりだって言ってた。それにまだやってない事を過去で経験って……何のこと?
「ああ。駿也がね、望くんに説明したいって言ってきたんだ。高校の時、何故突然いなくなったのか。いや、何故いきなり同級生のフリをして望くんの近くにやってきたのか。」
笑いながら話しているお兄さんは楽しそうだけど、俺は何が何だか分からなかった。
「ほら、結局は俺が全部関わったことだからさ。口で説明するかと思ったんだけど、許可を取るのに所長に直談判に行ったら、思わぬ事を提案された。」
「思わぬ事?」
「そ。望くんに体験させてもいいって。」
「?」
体験? 笑顔で話すお兄さんの顔を見ながら、何が何だか分からなくなっている俺がいた。体験って何だ? 体験って……。
「おっ? 悪い、圭介から電話だ。ちょっと待ってて。」
スマホを取り出して、隣の部屋に消えてったお兄さんの姿を見送り、駿也の顔を見た。駿也は俺の方をずっと見ていた。
「望、俺たちは今日、過去へ飛ぶ。大丈夫だ、何人も経験してる。ここは、時間と場所の特異点。多分地球上でいくつかある中の1つだ。20年以上前に発見されて、国の研究組織が整備された。幸也はその一員。」
「駿也は? 駿也は知ってたの?」
俺の言葉に駿也が顔を寄せてきた。
「俺が知ったのは半年前……。幸也たちが3年前に飛んで母校の欅央高校に行くと聞いて、居ても立ってもいられなくなったんだ。片想いしてた望に会いたくて……。」
俺の顎に駿也の手が添えられて上を向いた。駿也のキスが落ちてくる……。
「ん……。」
ヤバい。何も考えられなくなりそう……。こ、これから何か始まるというのに。口づけをそっと離した駿也に頭を抱え込まれた。
「俺も正直怖い。自分を全て曝け出すことになる。そしてその後、望の気持ちがどうなるか……。でも、望の3年前に勝手に介入した事を思うと、今回の幸也の提案は受け入れるべきだ、そう思ったんだ。」
駿也の胸から聞こえる声を聞いているうちに、何だか話を信じている俺がいた。過去に飛ぶなんて、信じられるはずがないのに……。
「駿也も一緒に行くんだろ?」
上を向いて話しかけると、瞼にキスが落ちてきた。
「当たり前だろ? 俺が望と離れて送り出せるとでも?」
その言葉を聞いて、安心感が広がった。駿也と一緒なら大丈夫だ。俺は駿也にギュッと抱きついた。
「ラブラブな所悪いけどね……。」
お兄さんの言葉に慌てて駿也から離れる。見られた……! チラリとお兄さんを見ると、優しそうな笑顔でこちらを見ていた。奥の部屋から出てきたなんて全然分からなかった。恥ずかし過ぎて顔が上げられなかった。
「9時半過ぎた。時間だ。洸一さんが待っている。」
俺の仕事は今日はここまで。と、お兄さんに笑顔で送り出され、『M』の部屋を後にした。
白い部屋に降り立つと、後ろの扉はまた何事もなかったように壁になった。さっきベンチだと思った所は、部屋への上り框だと気づいた。扉の境目があるわけじゃない……。完全に壁だ。
「なんだか不思議。」
壁に触っても全然違いが分からない。
「望? 行こう。」
言われて我に返る。駿也の手が背中に当てがわれて促されるまま前に進んだ。
「ここ?」
頷いた駿也が、お兄さんの部屋とは反対側にある壁に手のひらを当てた。スッと目の前に部屋が現れた。
「行くぞ?」
駿也と同時に上り框に足を乗せる。
「いらっしゃい。」
部屋に入り込むと、左の奥の方から声が聞こえた。
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