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4:明日のその先
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「いいのか? 猪俣さんにバレた。」
エスカレーターで下がりながら、隣の駿也に話しかける。エスカレーターに乗るときに、肩から腕が外されていた。
「ん? まずかったか?」
何でもない事のように話す駿也に脱力する。気にしている俺がバカみたいじゃないか。
「……まずくはない。」
なんて言ったらいいのか……まだまだ戸惑うことが多いだけだ。駿也と付き合っている事をみんなに言いたい気持ちと、言っても大丈夫なのだろうか? という漠然とした不安がいつも俺の中で渦巻いているような気がする。
もう少しで一階に到着という時、駿也に手を掴まれた。そのままフロアに降り立ち、歩き始める。9時が過ぎて人がすっかり少なくなった。いつもの光景。俺たちは手を繋いだまま、モールの裏手に続く1番近くのドアから、外に出て行った。いつも自転車を止めている駐輪場まで、少しだけ歩く必要がある。
「望が嫌だというのなら俺は自重する。でも、俺は隠したくない。望が男でも女でも関係ない。たまたま好きになった相手、初めて夢中になれた相手が望だっただけだ。」
駿也の手のひらは温かい……。手のひらから俺の体の中にも温もりが広がっていった。
「うん……。俺も……むちゅう……かも……。」
つい俯いてしまった顔を駿也に覗き込まれる。手のひらをギュッと握られた。
「そんな顔しないで。今日は、望の家に送り届けなっきゃならないんだから。」
「ど、どんな顔っ!?」
慌てて顔を上げて駿也を見る。今、俺、どんな顔をしてた?
「今すぐにチューしたくなるような顔。そんな顔晒しててはダメだ。また変な奴に付き纏われちゃうだろ?」
俺だってところ構わずキスする訳じゃない。と、急に目の前に現れた駿也の顔が一瞬で離れて行った。
「お、おま、駿也っ! 言ってる事とやってる事がちがうっ!」
「ははは。」
周りを見渡すと、目の前にゆっくり歩く2人の男の人が目に入った。結構長身の人と、俺と変わらないぐらいの男の人……。
『あ、あれ? 浩己?』
普段、浩己とは学校でしか遭遇しない。学校以外のところで会ったのは……去年の俺の誕生日。うん、居酒屋で一緒に飲んだときぐらいだ。電車でも会わず、浩己がどこに住んでいるのかなんて今まで気にも止めたことがなかった。
「今泉?」
駿也の声にハッとして隣を見る。視線を前に戻すと、今泉さんと、浩己が驚いたような顔でこちらを見ていた。
「駿也。と、望君だ。久しぶり。」
今泉さんの視線が俺たちの間に注ぎ込む。俺は何故か、ムズムズとした衝動を感じた。駿也と繋がれた手に力を込める。駿也もギュッと握り返してくれた。
「浩己……。」
浩己は今泉さんの後ろに隠れるようにして俯き、恥ずかしそうにしていた。
『そっか。浩己の付き合っている人って……今泉さんだったんだ。』
いつか付き合ってる人が、「駿也が変わったと言ってた。」と言ってたっけ。それが今泉さんなら……納得だ。でも、もう一年以上になるはず。……気づかなかった。
エスカレーターで下がりながら、隣の駿也に話しかける。エスカレーターに乗るときに、肩から腕が外されていた。
「ん? まずかったか?」
何でもない事のように話す駿也に脱力する。気にしている俺がバカみたいじゃないか。
「……まずくはない。」
なんて言ったらいいのか……まだまだ戸惑うことが多いだけだ。駿也と付き合っている事をみんなに言いたい気持ちと、言っても大丈夫なのだろうか? という漠然とした不安がいつも俺の中で渦巻いているような気がする。
もう少しで一階に到着という時、駿也に手を掴まれた。そのままフロアに降り立ち、歩き始める。9時が過ぎて人がすっかり少なくなった。いつもの光景。俺たちは手を繋いだまま、モールの裏手に続く1番近くのドアから、外に出て行った。いつも自転車を止めている駐輪場まで、少しだけ歩く必要がある。
「望が嫌だというのなら俺は自重する。でも、俺は隠したくない。望が男でも女でも関係ない。たまたま好きになった相手、初めて夢中になれた相手が望だっただけだ。」
駿也の手のひらは温かい……。手のひらから俺の体の中にも温もりが広がっていった。
「うん……。俺も……むちゅう……かも……。」
つい俯いてしまった顔を駿也に覗き込まれる。手のひらをギュッと握られた。
「そんな顔しないで。今日は、望の家に送り届けなっきゃならないんだから。」
「ど、どんな顔っ!?」
慌てて顔を上げて駿也を見る。今、俺、どんな顔をしてた?
「今すぐにチューしたくなるような顔。そんな顔晒しててはダメだ。また変な奴に付き纏われちゃうだろ?」
俺だってところ構わずキスする訳じゃない。と、急に目の前に現れた駿也の顔が一瞬で離れて行った。
「お、おま、駿也っ! 言ってる事とやってる事がちがうっ!」
「ははは。」
周りを見渡すと、目の前にゆっくり歩く2人の男の人が目に入った。結構長身の人と、俺と変わらないぐらいの男の人……。
『あ、あれ? 浩己?』
普段、浩己とは学校でしか遭遇しない。学校以外のところで会ったのは……去年の俺の誕生日。うん、居酒屋で一緒に飲んだときぐらいだ。電車でも会わず、浩己がどこに住んでいるのかなんて今まで気にも止めたことがなかった。
「今泉?」
駿也の声にハッとして隣を見る。視線を前に戻すと、今泉さんと、浩己が驚いたような顔でこちらを見ていた。
「駿也。と、望君だ。久しぶり。」
今泉さんの視線が俺たちの間に注ぎ込む。俺は何故か、ムズムズとした衝動を感じた。駿也と繋がれた手に力を込める。駿也もギュッと握り返してくれた。
「浩己……。」
浩己は今泉さんの後ろに隠れるようにして俯き、恥ずかしそうにしていた。
『そっか。浩己の付き合っている人って……今泉さんだったんだ。』
いつか付き合ってる人が、「駿也が変わったと言ってた。」と言ってたっけ。それが今泉さんなら……納得だ。でも、もう一年以上になるはず。……気づかなかった。
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