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僕は君の初恋の人? 君は憧れのお兄さん?
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「あら? 今日は食べに行かないの?」
昼休憩の時間になり、コンビニの袋から弁当を取り出していると、横から鈴木さんが覗いてきた。
「ええ。たまにはコンビニもいいかなって。」
本当は嘘だ。このビルには、入っている会社が協力して運営している社食もあるし、飲食店も近くに多くある。いつもは誰かに誘われて外に出るか、社食で適当に済ませるけれど、今日はこの経理部の部屋を出たくなかった。
「休憩時間は休みなさいよ? じゃあ私は社食に行ってくるわ。」
「俺も。」
「じゃあ、一緒に行きましょうか。」
小さなバックを引き出しから取り出した鈴木さんが席を立つ。それにつられるように伊東さんも席を立ち、2人並んで部屋を出て行った。
朝、会社近くまできたところでコンビニに寄ってきた。「俺もコーヒー買っていく。」と嶺さんも一緒に入ったコンビニで、冷やし中華を見つけて買ってきた。夏が近づいてきているからか、冷やし中華やざるそばなどがたくさん並んでいる。飲み物もお茶と甘い缶コーヒーと2種類買って用意周到。今日は誰とも会いたくないんだ。
嶺さんは結構大きなサイズのドリップコーヒーを買っていた。いつも朝はコンビニで買ってるんだという彼が、僕に気を遣ったのかどうかは分からない。でも、嶺さんが「冷やし中華うまそう!」なんて言いながら僕の買い物に付き合ってくれて、何となく面映かった。
コンビニを出た時には雨は小降りになり、数十メートルの距離は傘をささずに歩いた。
「で? 付き合ってるの?」
いきなり嶺さんに話を振られて戸惑う。付き合っているわけじゃない。昨夜はどちらも告白なんかはしなかった。でも……僕から手を繋いじゃった。
「いいえ、たぶん。」
答えながらどっと後悔が押し寄せてきた。なぜ僕は手を繋いだんだろう? 齋藤さんが僕に気があるというのは、薄々と感じていたのに。今ならはっきりと分かる。気づいていないと思い込もうとしていたけれど、どこかではちゃんと分かっていた。
「そっか。じゃあこれからだな。」
気軽にそう言った嶺さんに救われる。これから何とかしないと。齋藤さんと僕、そして金井や渡辺。でも今日じゃない。もう少しだけ時間が欲しい。
「おい渡良瀬、飯食ったらちょっとだけ用事を頼みたいんだが。」
柿崎部長の声で現実に引き戻される。麺に具を乗せ、汁をかけた状態で固まっていた自分に気づいた。汁が入っていた小袋を蓋の上に乗せて部長の方を見た。
「はい。何でしょう?」
「午後一番で、この書類を営業と情報に持っていってくれ。そして、総務でコピー用紙もらってきてプリンターに補充を。」
「分かりました。」
総務部か……。ちょっとだけ憂鬱な気分。でも、しょうがないことだと気持ちを切り替えるために、冷やし中華を食べることにした。
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「俺も。」
「じゃあ、一緒に行きましょうか。」
小さなバックを引き出しから取り出した鈴木さんが席を立つ。それにつられるように伊東さんも席を立ち、2人並んで部屋を出て行った。
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「いいえ、たぶん。」
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