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第二章『えっ! 踊り子なのに魔物と戦うんですか!?』

第41話 我慢はカラダによくないから♡ ★

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 ムースにずずいっと迫られ、発情した目線から直接的な性欲をぶつけられている。

「ヒミカちゃん、もしかして殿方いらずのくんずほぐれつ密室空間を作ってくれたんですか? 感激でわたくし、さらに濡れてしまいますわ!」

「そういうワケじゃ……んあっ、あっ乳首、触り方が、いやらしくて、感じちゃ……っ」

「うふふ。女の子同士、気持ちいいポイントは心得てますの。わたくしもよく一人でシてますから」

 胸を揉まれながら再び口吸い。

「んんっ。ちゅぷっ……れるっ。激しすぎて、溺れちゃ……あむっ。じゅるっ。れるぅ」

 口元がお互い唾液でべとべとだ。
 ムースが何やら頬っぺたを膨らませてむぐむぐしている。
 たわわに実った自分の胸に向かってつつーっと唾液を垂らし、両腕で胸を寄せるようにしてかき混ぜる。

「ふふっ。私とヒミカちゃんの唾液でつくった、天然ローションですわ」

 閉じた谷間をを解き放つ。

 むわぁ……っ。

(えっろ……)

 湯気さえ漂ってきそうな、ぬらぬらとした性臭香る爆乳が目の前でぶら下がっていて、なんだか頭がくらくらとしてきた。
 汗ばんだ胸と、唾液で濡れた胸が抱き合って重なり合う。

「んっ! あはっ! 柔らかくて、温かくて、乳首と乳首がキスし合ってて気持ちいいですわぁ」

「すご……なに、これぇ。頭ぼーっとする。こんなの、初めて……んっ、ふうっ」

 胸で胸を洗うようにばるんばるんと撫でつけられる。
 お互い巨乳だからこそ、唾液で滑る乳房が重なり合った身体からはみ出て、戻ろうとする度に乳首が強く擦れあうのだ。

(なんだか、尽くされているみたいで正直すごく心地いい……)

「女の子同士ですし、恥ずかしがることなんてないですわ」

 そうかもしれない。
 嫌いな男でも、魔物相手でもないのだ。
 性行為は、本来愛し合う者同士の肉体的コミュニケーションのハズで。

「ね、ですから楽しみましょう、ヒミカちゃん。そしてババロア先輩?」

「わ、私は……っ」

(忘れてた)

 ゆるい後輩とは対照的の厳格な先輩は、後輩とヒミカが乳繰り合う様子を棒立ちしたまま遠巻きに眺めていた。

 大した精神力だ。
 勇者の魅了は強烈で、先代勇者のパーティだったセントエルディア王や、魔物であるスライムまでも虜にしてきたが、彼女はなんとか正気を保っていた。

 しかし、それも限界に近い。

 ぎゅっと裾を掴む制服で隠しているが、ぽたぽたと透明な液体が床に水たまりを作っている。
 ふーふーと獣みたいな荒い呼吸で、薄化粧の綺麗な唇の端から涎が滴っているにも関わらず、その場を動かない。
 プライドの高そうなババロアなら、恥ずかしさのあまり一目散に部屋を出ていくくらいはすると思ったのだけど。

「ヒミカちゃん、先輩のお背中、押してあげてくれませんこと? 勇者の力で、わたくし達、こうなってしまったんですのよ。悪い人ですわ」

「う……」

 片や、じとーっとした上目遣いで見つめられ、片や、殺気さえ込められてそうなギラついた視線が突き刺さる。

(なぜこうなったのか……)

 二人の中ではヒミカが悪というのは決定事項のようだ。
 むしろ正義の存在な気がするけど。

「さぁさぁヒミカちゃん、よろしくですわ」

「なっ!?」

 立ち上がったムースがババロアを羽交い絞めにする。
 接着剤のように閉じていた両足が開かれると、滝のように熱い液体が流れ落ちた。

「違う! 漏らしてはない!」

「わかってますよぉ。先輩もわたくしのようにヌレヌレしちゃったんですわよね。ここまで量がすごいとちょっとドン引きですけど」

「うるさい、離せ!」

「あの、実は私の魅了って効いてないんじゃないかしら? だとしたら、こういうことはやっぱり止めた方が……」

「わたくしはゾッコンですわ! ヒミカちゃんがお願いするならわたくし、目隠し手錠木馬責めに赤ちゃんプレイ、どんな変態えっちでもどんとこい、ですわ」

「しないから。しっかり効いてるようでちょっと安心したわ、勇者的に。でも、ババロアさんは……」

「先輩ってぇ、【白魔法士】だから、元々【対魔力】があるんですのよ。今はギルド支店長ですけど昔は冒険者でしたの。片想いしていた同じパーティの殿方にフられたショックで辞めちゃったんですけど」

「【対魔力】……」
 
 聞いたことはある。
 
 相手からの攻撃、精神干渉計系の魔法に対して抵抗する力。
 主に【魔法士】系に発現することが多いが、そのレベルは人それぞれ。
 特に、精神力が高い【白魔法士】なら、魅了が効きづらくても納得だ。

「女同士で乳繰り合うなどおかしい! 私は冒険者ギルド、アグリナ支店長だぞ! 卑猥で破廉恥で助平な行為など! 少しも……ちっとも……これっぽっちも……! ごくり」
 
 だけど、痛々しい。
 ババロアの抵抗が、ではない。
 
 魅了がどれだけ効いてるかは分からないけど、どう見たってババロアは発情している。
 身体がもう出来上がっている。
 年長者として、ギルドの支店長というプライドだけで、なんとか決壊を押しとどめているにすぎない。
 
 でもそれは、食べたいのに食べられない。眠りたいのに眠れない。
 性欲だって同じ。
 生理的欲求をむりやり押さえつけられている拷問。
 
 そんな姿は、見ていられないのだ。

「何を、する気だ」
 
 抑えつけられたババロアの顔を覗き込む。
 眼鏡の奥の瞳は涙で濡れながらも鋭利な意思を秘めている。

(【誘惑の濡れ瞳チャーム】を使う? いや、ここは……)

 少しだけ逡巡して、覚悟を決めた。

(女の子同士はノーカン! ノーカンだから!)

 自ら、桃色の瑞々しい唇をそっと押し当てた。
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