君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

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本編 東の妖精姫

甘い痛み、心の奥に。

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「メリッサ様、お待たせいたしました。」

声をかけられ、ライラック殿下と出会った頃の事を思い出して居た私は、アルマが帰ってきたことに気がついた。

「お帰りアルマ。目的の本はあったかしら?」
「えぇ。それよりも、先ほど第二王子殿下と、プラチナブロンドのご令嬢と、後数名見かけましたが何かあったのでしょうか?」
「ライラック殿下がこちらで御休みされていらしたのをレティーシア様がお迎えに来られたのは知っているけれど、他のご令嬢は私は知らないわ。」

他にも令嬢がいらしたのね。
では、先程のライラック殿下のあの態度は学院の頃と同じということかしら?
あの頃の牽制より酷い感じがしたけれど、何か起きている可能性もあるのだろうと考えてしまった。
ピリピリというより、周囲に対してのイライラという表現が正しいかもしれないし、レティーシア様が迎えに来られたということは、執務を抜け出している可能性もあると思い考えることを止めた。
図書館の入口で、本の貸出許可を得るため再びルイ様に本と一緒に許可証を提出す。


「レティーシアとライラックが居たでしょう?少しはお話できましたか?」
「・・ご挨拶をすることは出来ましたが、ライラック殿下の機嫌が悪かった様な気がします。」
「ふふ、よく分かりましたね。レティーシアが中々ライラックに構う時間がないからというのも有りますが、そろそろレティーシア離れをして欲しいものです。」

どうぞと、本を手渡せられれば若干本が淡い光を放っていた。

「光が赤になったら返却に来られてくださいね。」
「有難うございます。」

ルイ様に一礼をし、図書館を出た私とアルマはノアお兄様のいらっしゃる客室へ戻った。
その日はそのまま客室でノアお兄様と共に夕食を食べ、少しだけ本を読みベットに入る頃には旅の疲れもあってか、ぐっすりと眠ることが出来た。

翌朝、朝の支度をしていた時、扉をノックされる音がしアルマが扉を開ける。
誰が来たのだろうと、会話に耳をすますと聞きなれた声が聞こえてきた。
ソファに座っていた私が立ち上がった所でノアお兄様が寝室から出てきた。

「おはようございます。ノアお兄様。」
「おはよう、メリー。こんな朝早くから来客かい?」
「えぇ。アルマが対応してますが、おそらくあの声はレティーシア様かと。」
「エレノアール侯爵令嬢が?」
「はい。私出てまいりますわ。」
「私も一緒に行こう。」

入口の内扉を抜ければ、アルマとレティーシア様が立っていた。

「おはようございます。レティーシア様。」
「おはようございます。メリッサ様。お初にお目に掛かります。ノア王太子殿下。私はエレノアール侯爵家末子、レティーシア・フォン・エレノアールと申します。」

すっと、カーテシーをするレティーシア様に驚きを隠せないアルマは、私たちを交互に見ている。

「初めまして、レティーシア嬢。オステン王国王太子、ノア・シュナイザー・オステンです。本日は如何なさいましたか?」
「朝食をご一緒にいかがでしょうかとお誘いに上がりました。」
「朝食ですか?」
「はい。この時間ですので、私とラザルート様とライラック様となりますが。よろしければいかがでしょうか?」
「せっかくだから、ご一緒させていただくよ。」
「有難うございます。ご準備お済みでしたらこのままご案内致しますが。」
「私は大丈夫だけれど、メリーは?」
「私も大丈夫です。」
「では、ご案内致しますわ。アルマさんもどうぞご一緒にいらしてください。」

にっこり笑を浮べ、レティーシア様がいつも食事をされているという食堂へ案内された。
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