君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

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本編 東の妖精姫

出会いは。2

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留学してきて、ライラック殿下とレティーシア様を目で追っている内にハッキリ分かったことは一つ。
ライラック殿下は、レティーシア様が好きだということ。
いくら幼馴染であっても、一緒に育ってきたと言ってもレティーシア様を見ライラック殿下の眼差しはとても優しく愛おしさが伝わってくる。
それに、レティーシア様に男子生徒が近づこうとするものならば、一気に牽制をする。
分かりやすい独占欲なのに、ライラック殿下はそれが恋心ということに気づいていないようで、一年生が「お二人はお付き合いされているんですか?」
と聞いたら、「「婚約者候補ではあるが、ありえない」」と綺麗にシンクロした返事が来たそうだ。
現在この学院には、ライラック殿下とレティーシア様、一学年下に六侯爵家の人間がいるが一緒にいるところを見たことが無いので良く分からないけれど、周りから見れば婚約している仲のいいカップルとしか見えない距離で、仲の良さだった。
ライラック様の想いがはっきりレティーシア様に向いていると分かっていても、中々諦めきれないのはライラック様の成人まであと一年有るということ。
レティーシア様は、ライラック様の兄君ラザルート殿下の婚約者候補でもあるらしく強く王族に婚姻を求められているらしい。
ただし、その三人の内誰か好きな人が出来、その人と結婚したいという意思があれば婚約者の候補から外れるらしい。
レティーシア様が例えば他国の王子や貴族、はたまた国内の貴族などに恋をした場合は王族側も諦めるらしい。
さすが、愛と豊穣の女神フレイアの加護がある国だな。
と、ぼんやり考えながら、留学以降習慣化している学院の図書館で気になる書籍を探している中、本棚にかけられた梯を登る。
高いところは司書の方に頼めばいいのだが、とてもらって内容が違った時が申し訳ないので自分で登ることが多い。
上の方に登っていくつか目当てのものを取り、少し梯の上に座りながらパラパラと内容を読み違っていれば直すということを繰り返していた。
図書館の入口が開く音に気がつき、視線を上げるとライラック殿下とレティーシア様。それと深い緑色の髪をした男性と一緒にこちらに向かってきている。
何となく、会いたくないなと思い一冊だけ腕に持つとゆっくりと梯子を降りていく。
木で作られた梯子は足を置くたび、ミシミシと音が鳴る。人の声が近くまで聞こえ焦った私は、足を踏み外したのかバキっと言う音と共にバランスを崩した。

「っ、メリッサ様!!!」
「っ!!!!」
「叔父上!!」
「止まれ!!」


聞こえたのはレティーシア様の声。
驚きのあまり声が出なかった私は慌てて上段の梯子をつかもうとするがつかめず後方へ倒れた。
ぎゅっと目をつむり、来るであろう衝撃に耐えるため身体を固くする。
が、柔らかい風に包まれそのまま抱きとめられた感触に、ぎゅっと瞑っていた目をゆっくり開いた。
頭上から聞こえてきたのは、安堵のため息。
状況が飲み込めず、見上げればライラック殿下の顔がすぐ近くにあり、一気に顔の温度は上昇した。

「メリッサ様!大丈夫ですか?!どこかおケガは?!」
「れ、あ、らい、らい・・・・いやぁぁあああ!!」
「わっ、なんだ?」
「メリッサ様?!」

持っていた本で顔を隠す。
とてもじゃないが、冷静に受け答えなんか出来ない。

「ライラック、レティーシアここは私が対応しておくからそちらのご令嬢を医務室まで連れていってあげてください。」
「ルイ兄様、有難うございます。行きますわよ、ライ様。」
「あ、あぁ。」

傍でお二人の会話が聞こえ、医務室に着くまでそのままの状態でいたのは仕方が無いと思って欲しかった。

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