31 / 31
エンドロール
この手に求めたら 5。
しおりを挟む
ファーストダンスを終え、それぞれが懇意にしたい貴族などに挨拶をしている中、私の元へレティがやって来た。
ラザルート殿下とライが少し離れている間、一緒に居るよう言われたらしい。
「お久しぶりですね。」
「一ヶ月ぶり。ドレス凄く似合ってるわ。」
「有難うございます。レティーシア様もお似合いです。同じデザインでも生地や色を変えるだけで違った印象になりますね。」
「ふふ、そうね。フレイアスでは今婚約者や婚約者とお揃いの色やデザインの服を着て舞踏会など社交界に出席するのが流行っているから。それに、違和感無いでしょう?」
違和感と言う言葉に、ライとのお揃いについて言っていると思った。
「確かにそうですわね。周りは気づ居ているけれど何も言えない感じかしら?」
「そうでしょうね。オステンでもフレイアスの王子を婚約者にしたいというご令嬢はいらっしゃるのかしら?」
「それはどうでしょうか?高位貴族であれば考えたかもしれませんが、現状デビューしている令嬢たちは皆婚約者が居るから、憧れはあっても破棄までして婚約を狙う令嬢は居ないと思います。何より、フレイアスは自由恋愛の国というイメージがありますから。」
「それは間違いないわね。」
クスクスと会場の王族が座る場所に一番近いところで、顔を寄せ合って私達は会話をしている。
こちらの会話に入ってきたそうな令嬢達を何人か、視界に捉えるが基本的にどの国でも下位の者から上位の者へ声をかけるということはできない。
なので、彼女たちが話したければ私たちから話しかけなければいけない。
が、
レティをラザルート様から預かっている以上下手に動くことは躊躇われるし、何よりレティが話す気がなさそうなので、気にしないようにしておこうと思う。
「レティーシア。お待たせ。」
レティの後ろに立ち、抱き寄せたのはラザルート殿下でライはお父様とお話をしている。
「準備は出来たのですか?」
「勿論。」
「それなら、メリッサ様ライラック殿下が花冠を掲げたら、花冠を載せやすいよう少ししゃがんでくださいね。ライラック殿下と身長差はかなりあるのでさほど必要ないので、気持ち程度で構いません。」
「え?」
「後はライラック殿下に合わせていただければ大丈夫ですわ。もし、無茶を言われたら私を頼ってくださいね。」
と、レティが言い終わった所でお父様に呼ばれたので傍に行く。
私とライを左右に立たせると、お父様は会場へ向かって口を開いた。
「皆に知らせておきたいことがある。この度、第4王女であるメリッサとフレイアス王国第2王子であるライラック殿が婚約することとなった。これよりフレイアスの慣例となる、婚約の儀を行う。」
会場がシン、と静まると、ライラック様が優しい笑を浮べ一歩傍に近寄る。
左後ろには、ビロードのクッションの上に、青の濃淡二種類のバラを中心とし、白い小さな花で編まれた花冠が乗っていた。
その花冠を手に取ったライにレティの言葉を思い出し少しだけ屈む。
頭上に花冠が乗せられた重みと感触があり、姿勢を正す。
そしてそのまま左手を取られると、薬指にライと私の瞳の色の石がついた指輪をはめられ、流れるようにライの口元に寄せられた。
一連の動作に、耳まで赤くなるのが分かった。
「これからよろしくな。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
嬉しそうに笑うライに抱き寄せられ、そのまま会場へ向かって一礼をした。
チラリとレティの方を向けば、ラザルート殿下と共にニコニコと笑っていた。
会場からは予想外の出来事に驚いた貴族達がいたが、皆私たちの婚約に祝福の拍手を送ってくれた。
メリッサとライラックが婚姻を結ぶのは、この一年後。
婚約当初からちょくちょくオステンに遊びに来ていたライラックが、移動が面倒という理由でフレイアスとオステンの王城内に王族のみが利用できる転移陣を作ったのは婚約して半年してから。
叔父と兄と叔父の契約精霊と共に相談をしながら、作り上げた新しい魔法陣である。
これにより、両国の行き来が王族のみではあるが国交など様々な免で役にたった。
メリッサとライラックの間には、父譲りの瞳の色と、母譲りの髪色の王女が二人と、父そっくりの王子が一人産まれる。
その頃には兄夫婦の所に生まれた王子王女と共に賑やかな声が、フレイアス王宮から聞こえて居たという。
ラザルート殿下とライが少し離れている間、一緒に居るよう言われたらしい。
「お久しぶりですね。」
「一ヶ月ぶり。ドレス凄く似合ってるわ。」
「有難うございます。レティーシア様もお似合いです。同じデザインでも生地や色を変えるだけで違った印象になりますね。」
「ふふ、そうね。フレイアスでは今婚約者や婚約者とお揃いの色やデザインの服を着て舞踏会など社交界に出席するのが流行っているから。それに、違和感無いでしょう?」
違和感と言う言葉に、ライとのお揃いについて言っていると思った。
「確かにそうですわね。周りは気づ居ているけれど何も言えない感じかしら?」
「そうでしょうね。オステンでもフレイアスの王子を婚約者にしたいというご令嬢はいらっしゃるのかしら?」
「それはどうでしょうか?高位貴族であれば考えたかもしれませんが、現状デビューしている令嬢たちは皆婚約者が居るから、憧れはあっても破棄までして婚約を狙う令嬢は居ないと思います。何より、フレイアスは自由恋愛の国というイメージがありますから。」
「それは間違いないわね。」
クスクスと会場の王族が座る場所に一番近いところで、顔を寄せ合って私達は会話をしている。
こちらの会話に入ってきたそうな令嬢達を何人か、視界に捉えるが基本的にどの国でも下位の者から上位の者へ声をかけるということはできない。
なので、彼女たちが話したければ私たちから話しかけなければいけない。
が、
レティをラザルート様から預かっている以上下手に動くことは躊躇われるし、何よりレティが話す気がなさそうなので、気にしないようにしておこうと思う。
「レティーシア。お待たせ。」
レティの後ろに立ち、抱き寄せたのはラザルート殿下でライはお父様とお話をしている。
「準備は出来たのですか?」
「勿論。」
「それなら、メリッサ様ライラック殿下が花冠を掲げたら、花冠を載せやすいよう少ししゃがんでくださいね。ライラック殿下と身長差はかなりあるのでさほど必要ないので、気持ち程度で構いません。」
「え?」
「後はライラック殿下に合わせていただければ大丈夫ですわ。もし、無茶を言われたら私を頼ってくださいね。」
と、レティが言い終わった所でお父様に呼ばれたので傍に行く。
私とライを左右に立たせると、お父様は会場へ向かって口を開いた。
「皆に知らせておきたいことがある。この度、第4王女であるメリッサとフレイアス王国第2王子であるライラック殿が婚約することとなった。これよりフレイアスの慣例となる、婚約の儀を行う。」
会場がシン、と静まると、ライラック様が優しい笑を浮べ一歩傍に近寄る。
左後ろには、ビロードのクッションの上に、青の濃淡二種類のバラを中心とし、白い小さな花で編まれた花冠が乗っていた。
その花冠を手に取ったライにレティの言葉を思い出し少しだけ屈む。
頭上に花冠が乗せられた重みと感触があり、姿勢を正す。
そしてそのまま左手を取られると、薬指にライと私の瞳の色の石がついた指輪をはめられ、流れるようにライの口元に寄せられた。
一連の動作に、耳まで赤くなるのが分かった。
「これからよろしくな。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
嬉しそうに笑うライに抱き寄せられ、そのまま会場へ向かって一礼をした。
チラリとレティの方を向けば、ラザルート殿下と共にニコニコと笑っていた。
会場からは予想外の出来事に驚いた貴族達がいたが、皆私たちの婚約に祝福の拍手を送ってくれた。
メリッサとライラックが婚姻を結ぶのは、この一年後。
婚約当初からちょくちょくオステンに遊びに来ていたライラックが、移動が面倒という理由でフレイアスとオステンの王城内に王族のみが利用できる転移陣を作ったのは婚約して半年してから。
叔父と兄と叔父の契約精霊と共に相談をしながら、作り上げた新しい魔法陣である。
これにより、両国の行き来が王族のみではあるが国交など様々な免で役にたった。
メリッサとライラックの間には、父譲りの瞳の色と、母譲りの髪色の王女が二人と、父そっくりの王子が一人産まれる。
その頃には兄夫婦の所に生まれた王子王女と共に賑やかな声が、フレイアス王宮から聞こえて居たという。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
どんなあなたでも愛してる。
piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー
騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。
どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか?
※全四話+後日談一話。
※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。
※なろうにも投稿しています。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる