戦国ベースボール伝

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初陣!越前吉崎の戦い

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出発して2~3時間たっただろうか。
5,000の軍が、道を埋め尽くして進んで行く。

先頭には景健・直澄、中盤には景固、そして後方には俺とカイト。
俺達の若干前には、渋々着いてきた景鏡の姿があった。

予定では、今日は吉崎御坊(越前吉崎)までは進まず、その手前の細呂木館に陣を構えることになっている。
ここは細江氏の血筋である細呂木氏の館とのこと。
そこで軍議を開き、明日吉崎御坊に到着。
つまりは、決戦を申し込む手筈となっている。

そう言えば、朝倉家の武将については、カイトからレクチャーも受けたし、タグで能力も確認できるが、他国の武将についてはほとんど無知の状態だ。(信長とか秀吉とかは、さすがにわかるけど)
今から戦おうとしている、一向一揆についての知識は全くのゼロ。
まぁ、今日の軍議で敵武将の事など話があるだろうから、そこで知識を詰め込むしかないな。

こちら側の戦力はある程度整った。
前回は大差での敗退だと聞いていたが、今回はそうはならないだろう。
しかも、前回の大敗の原因は失策が続いたからだと聞いている。
打ち取っても打ち取っても、味方が失策を連続する様子に、景固が煮えを切らしてしまったらしい。
しっかりと守ることができれば景固の実力なら、そうそう崩れはしないだろう。
これから戦が続く中で、投手は何枚あっても不足はしない。
正直腹立つし、あまり好きにはなれないが、景固には柱の1人になってもらう必要がある。

馬と歩兵の大軍が、道を進む。
もしかすると、敵軍からは偵察部隊が出ていて、すでに進軍の状況は把握されているかもしれない。

休憩を挟みながらだったこともあり、夕方頃にようやく全軍が細呂木館に辿り着いた。到着からさらに1時間後、軍議が開かれた。

「それでは、軍議を開きます。」

いつも軍議の進行役を務める吉延がいないため、今回は代役で吉家が務めている。

「では、吉野に構える敵軍の戦力についてですが・・・景固殿、お願いできますか。」

景固は、言葉を返すことはなく、黙って立ち上がり話し始めた。

「一向一揆側の総大将は、下間頼照だ。
頼照は越前先行軍を一手に任されている有能な武将だ。顕如の右腕といったところか。」

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下間頼照
越前における一向一揆軍の大将。
下間頼照は越前に赴任後、すぐに軍勢を率いて朝倉家の旧臣であり織田家の配下でもあった「朝倉景鏡」を攻めて敗死させ、織田家の残党を駆逐して越前を掌握する。
だが民に重税をかけたため民衆は彼に反発、一向一揆の中で、彼に対する一揆が起こったりもしている。
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・・・右腕か。
本体ではないとは言え、やはり一筋縄ではいかなそうだな。

その後も、景固からの敵軍についての説明が続く。
どうやら、吉野御坊は下間氏が居を構えているとのこと。
また、敵軍兵士総数は、同等の5,000程度。

頼照は、大将として戦略を練る一方、エースとしてマウンドに上がる大黒柱的存在のようだ。
他にも、気を付けるべき将は多く、頼旦・頼廉・頼竜は中心武将であり、要注意とのことだ。

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下間 頼旦
伊勢で起こった「長島一向一揆」で活躍し、一揆軍を幾度も勝利に導いた
本願寺の誇る武闘派僧侶の一人。
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下間 頼廉
法主・本願寺顕如の執事にして、本願寺が織田家を相手に対等以上に戦った原動力となった人物。
僧とは思えない卓越した戦術眼を持ち、織田家と敵対する以前から
一向一揆を指揮して各地で戦っていたと言う。
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下間 頼竜
本願寺 に仕える一族「下間家」の筆頭とも言える存在で、
本願寺家における重鎮のような存在だった。
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そして、もう1人・・・。
まだまだ若くて荒削りながら、軍の4番を務める仲孝という将。

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下間 仲孝
越中一向一揆の総大将「下間頼照」の子。
法主・本願寺顕如が「石山本願寺城」で篭城した時には、「下間頼廉」
「下間 頼竜」などの下間一族と共に、攻め寄せてくる織田家 の軍勢と戦った。
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総大将頼照の息子であり、その才能は顕如も一目置くほどとのこと。

景固の説明が進むにつれて・・・室内の緊張感が高まっていく。
本体でないからと、将たちの心にどこかしら余裕があったのかもしれない。

「軍師殿。ところで、明日はどういった策略で挑むおつもりか?」

説明を一通り終えた景固から、俺に質問が飛んできた。

「景固殿と頼照の投げ合いにより、序盤は膠着状態が続くと読んでいます。
将の皆さんに意識してほしいのは、早めから勝負に行かないということ。
球数を投げさせることで、頼照の体力を消耗させてほしい。
聞けば、敵軍の投手は頼照以外は、あまり有能な将はいないとのこと。
どんなに体力を消耗しようと、頼照は最後までマウンドに立ち続けるはずです。
だからこそ、序盤は試合が動かなくても辛抱。狙いは終盤です。」

「なるほど。確かに、我が軍は早い段階で勝負に出る将が多いからな。」

景健が、納得したように言葉を発した。

「ぜ、前回も、確かに頼照に90球程度で完投されてしまいましたし。」

いつもは静かな吉統が口を開いた。

「なるほど。」

景固も納得といった様子だが・・・何故かそれが逆に怖い。

「この作戦のカギは、景固殿の投球です。
要するに、景固殿と頼照の我慢比べ。どちらが先に捕まるか。」

「面白い。前回のようにはならん。」

景固はニヤリと微笑み、自信満々の様子。
まぁ、マウンドに立つ者、これくらいの度胸があってくれた方がいい。

「ふん。上手くいけばよいがのぅ。」

皆が納得したかと思った時・・・言葉を発したのは景鏡だ。
・・・いろいろ言いたい事はあるが、言ったところでこいつには無意味だろう。

「では、以上で軍議を終えようと思いますが、よろしいですか?」

吉家の言葉で、軍議は終了した。



ー景固(景固の寝室にて)ー

いよいよ明日に迫った。
あの軍師のことだから、自分が投げると言い出すかと思ったが、予想に反して、私のに先発が言い渡された。

いきなり出てきて、軍師に着任するなど、腹立たしい奴だし、正直気にくわぬ。
ただ、この10日の訓練や明日の戦略など・・・腕は確かなように思う。
前回のような無様な試合はするものか。

ーコンコンー

「景固よ。おるか?」

「?!」

この声は・・・景鏡殿か?

「はい。おります。」

そう返事をすると、戸が開き、景鏡殿が部屋に入ってきた。

「夜遅くにすまんかったな。」

「いえ。」

・・・何用だろうか?

「明日の戦についてじゃが・・・。いやはや、貴公が先陣で助かったな。」

「・・・と、言いますと?」

景鏡殿の言っている事の真意がわからぬ。
朝倉の姓をつぐ人間であるため、我が派に在を置いておるが、正直扱いに困る部分が多いお方だ。

「明日の戦・・・当然敗れるつもりよのぉ?」

「?!」

さすがの私も、この言葉に顔つきが渋った。

「おっしゃっている意味がよくわかりませぬが。」

「何を申しておる。あのような得体の知れぬ者に我が軍を乗っ取られて平気なのか?!昨日の軍議での、私への愚行・・・考えただけで忌々しい!」

「・・・。」

腹が煮えくり返るといたところであろうか。
どこまでも自己中心的な方だ。思い起こせば、前回の大敗も、景鏡殿の立て続けの失策がきっかけ。

「しかし、好都合な条件を義景が提案してきおった。明日、我が軍が敗れれば、あの新米はおさらば。
しかも、義景という目の上のたんこぶまで一緒に消えてくれると言うではないか。
後釜は・・・当然この私だろう。景固、共に新しい朝倉家をつくりあげようではないか!」

「・・・。」

敗戦・・・それは軍師、さらには義景様の退軍を意味する。
そうなれば、現時点で影響力の大きい我が派閥が一気に朝倉家を掌握できることは間違いない。・・・我らの意のままになる。明日、わざと負けるだけで。

「景固。この好機をつかまぬ訳にはいかんじゃろうて。」

満面の笑みで、そう当たりかけてくる。
自分の天下は目の前だ・・・と言わんばかりか。
私の答えは、無論決まっておる。私は短くこう答えた。

「・・・その期待にはお応えできかねますな。」

「?!」

私の言葉に驚きを隠せぬ様子か。

「か、景固!貴様、自分の申した事、理解しておるのか!」

景鏡殿のお顔が、激高に顔が赤らむのがわかる。

「勘違いされては困りますぞ。私とて、あの者を好いてはおりませぬ。
しかし・・・その感情は、景固個人の思い!朝倉家重臣としての思いはこうです。
彼ほど優秀な将を手放してはいけぬ!」

「き、貴様・・・。」

「何より、私は負けるのが好きませぬ。ましてや、わざと負けるような投球など、以ての外!
それに、そんな姑息な手を使わずとも、実力であやつめから軍師の座をもぎ取る所存!」

「そうか。そなたの思いはよくわかった。覚えておくがよい!」

ーガラッ、バタンッー

力に任せて障子戸を開けたかと思うと、何も言わず部屋を出て、勢いよく障子戸を閉めた。

「・・・。」

私は・・・何を申しておるのか。
一目見た時から、あやつのことはどうしても好きになれん。
宗滴様亡き後、朝倉家軍師になるべき人間はこの私だと信じて疑わなかった。
だからこそ、いきなり現れて軍師に任命されたあやつを・・・私は憎まずにはいられなかった。
だが、あやつの働きを見ていると・・・亡き宗滴様と重なるのだ。

いや、本当はずっと前からわかっていのだ・・・私の器では宗滴様にはなれぬ事を。ただ、私はそれを受け入れられなかったということか。

ーコンコンー

「?!」

何だ。景鏡殿が戻ってこられたか?

「し、翔です・・・・あ、ありがとうございました。」

「?!」

なっ?!聞かれておったのか?

「な、何を言っておる!わ、訳のわからん。そ、そなたに礼を言われる覚えなどないわ!」

い、いかん。動揺しておる。

「・・・あ、明日は任せますから!戦を・・・あなたに任せますから。
し、失礼します!」

ーダ、ダ、ダ、ダ、ダッー

そう言い残して、あやつは走り去りおった。
・・・一生の不覚。動揺が止まらぬ。

「・・・任せる・・・か。」

新参者が生意気に。
そんな事言われるまでもないわ!

誰もおらぬ部屋で、私はふと笑いを浮かべていたことに気付く。
決して、あやつの言葉などが理由ではないぞ。決して・・・。

戦前日、いつもは眠りにつけず苦しむというのに・・・なぜだか今日は、すっと眠りにつけそうだ。



ー翔(時を遡ること15分)ー

軍議が終わって、俺はカイトと寝室に向かった。

「・・・。」

どうしても気になる。

「・・・。」

ど、どうしよう。
こういう時、優柔不断な自分が嫌になる。

「行って来れば?」

「えっ?」

カイトの急な言葉に驚いた。

「景固さんと話がしたいんじゃないの?軍議終盤になって、チラチラと景固さんの姿を追っかけてたからさ。」

ニコニコしながらカイトが話す。

「いや、えっと・・・その・・・。」

「・・・初陣だよ。後悔だけはしないようにね。」

明日は初陣。一番迷ったのは投手だった。
自分が投げるべきか、景固に任せてもいいものか。
本当は怖い。何せ、対立派閥のボスだ。・・・わざと負けるんじゃないかって。
だけど、昨日までの訓練中の景固の姿を見て、彼に任せることに決めた。
いい人間かはわかんない。決して、好きなタイプでもない。
だけど、野球人としての彼は、この朝倉家の中でも1、2を争うほど愚直だ。
本当に野球が、そして朝倉家が好きなんだと感じた。

「ごめん、カイト。先に部屋に行ってて。」

俺は、カイトにそう伝えると、急いで景固の部屋に向かった。
景固の部屋が見えてきたその時、複数の声が室内から聞こえてくることに気が付いた。
・・・誰かいる。

障子戸になっているため、近づき過ぎては気づかれる。
俺は、辺りを見渡して、咄嗟に景固の部屋と隣部屋の隙間に身を隠した。

「明日の戦・・・当然敗れるつもりよのぉ?」

「?!」

この声は景鏡、同じ派閥だ。
不安的中か・・・。明日は、俺が投げなきゃだめか。
そう覚悟を決めた時だった。

「・・・その期待にはお応えできかねますな。」

・・・え?
俺は、景固の口から出てきた言葉に驚いた。予想外の言葉だ。
景固の言葉に、激怒した景鏡が捲し立てる。
そんな景鏡に、景固が返した言葉が俺の胸に突き刺さった。

「彼ほど優秀な将を手放してはいけぬ!」

その前に、個人的には好きではないとか聞こえたような気がしたが・・・そんなことはどうでもよかった。

俺も景固は不得意だ。
でも、僅か10日程の付き合いながら、お互いがお互いの力を認め合った。
それがたまらなく嬉しかった。

「そなたの思いはよくわかった。覚えておくがよい!」

怒りがおさまらない景鏡が、怒鳴りつけるように言い放つと、障子戸が勢いよく開いた。
俺は、隙間に隠れてはいたものの、さらに身を隠す様に縮こまった。

目の前を足早に過ぎて行った景鏡。
怒りで周囲が見えていないのか、こちらに気付く様子もなく去って行った。

「・・・。」

景鏡が去り、静けさを取り戻した。
伝える事もまとまらないまま、俺は障子戸を軽くノックした。
そして、無意識に口から言葉が出た。

「し、翔です・・・・あ、ありがとうございました。」

な、何言ってんだ俺は?!
これじゃあ、立ち聞きしてたのがバレバレだ。
慌てて次の言葉を探そうとした瞬間。

「な、何を言っておる!わ、訳のわからん。そ、そなたに礼を言われる覚えなどないわ!」

景固には珍しく、動揺したような口調だった。

「・・・あ、明日は任せますから!戦を・・・あなたに任せますから。
し、失礼します!」

俺は、そんな言葉を続けて、慌ててその場を去った。

明日は大一番だし、心配事を挙げたら切りがないはずなのに。
俺の顔には、なぜだか笑みが浮かんでいた。


翌朝、俺たちは細呂木館を早々と出発し、目的地である越前吉崎の地を目指した。
決戦の地は、越前吉崎にある吉崎御坊球場とのこと。

細呂木館から吉崎御坊まではそう遠くはないと聞いていたが、それでも5,000の兵を連れ立っての進軍であったため、到着したのは昼過ぎになっていた。

「見えてきました。」

吉家が、指さした方向に大きな建物が見えてきた。あれが決戦の地。
馬の手綱を掴む手が、異様に汗ばんできた。
大きな建物がどんどん近いてきて、それが球場だと理解するのに時間はかからなかった。

「?!」

球場の外に1人、ポツンと人が立っている。
待っていましたというところだろうか?
やはり、俺たちの進軍は察していたみたいだな。
さらに近づいていき、その人物の目前までたどり着いた。

「お待ちしておりましたよ。」

その男は、こちらに向かって、薄気味悪い笑みを浮かべている。
しかし、この男からは特別オーラというか、圧を感じなかった。
それにも関わらず、5,000の兵を目にしながらこの笑み・・・。
自軍に相当の自信があるのだろうか。

「朝倉軍の陣営はあちらでございます。」

その男は、球場の左手を指し示し、そちらへ進むよう促した。

「奇襲をかけられれば有利かと思っていたが・・・準備万端ってところだな。
気を付けようぜ。」

景健がそう言って、ポンと俺の肩をたたいた。

案内通りに、武将は陣営へ続く通路を進み、兵士たちは応援席へと別れて進んだ。
暗い通路を進むと、明かりが見えてきた。
通路を通り終えた瞬間だった。

「うおぉ~~~~~!」

爆音が響き渡るほどの叫び声が球場を包み込んだ。

「くたばりやがれ!」
「尻尾巻いて帰れ~!」
「お前らなんか相手じゃねぇんだよ!」

すぐにその爆音が、姿を現した俺たちへの洗礼であることに気が付いた。

「すごい野次だね。まぁ、本願寺とか一向宗とか言ってるけど、引き連れている兵は、農民や野盗だった連中が多いから無理もないか。」

そうなんだ・・・。
俺は、お坊さんも汚い言葉を叫ぶんだなと違和感を感じていたが、それなら納得できる。

やがて朝倉軍の兵士も応援席に姿を現し、兵士同士が一触即発の雰囲気を醸し出す。
そんな雰囲気の中、敵陣営から1人の男がこちらに向かってくるのがわかった。

「おら。お前も行かねえか!」

そう言って俺の背中をドンと押す直澄。
相変わらずの馬鹿力で、押された背中がジーンとする。

俺は、背中に走る若干の痛みを堪えつつ、足取りを前に進めた。
その男とは、ちょうどホームベース付近で向かい合うこととなった。

「進軍ご苦労様でした。」

丁寧な言葉遣いながら、表情は決して気を許さぬ、張りつめたものだった。

「私は、顕如様よりこの軍を預かっています、下間頼照と申します。」

「俺は・・・いや、私は、朝倉軍軍師を任されてます、翔と言います。
宜しくお願いします。」

これが、一向一揆の越前侵略を任されている下間頼照という人物。
景健や直隆と相対した時も凄まじいオーラというか圧を感じたが、この男も勝るとも劣らぬ雰囲気を醸し出す。

「しばしお待ちを。」

そんな対峙する2人に声をかけながら近づいてくる3人の男たち。

「我らは、将軍足利義輝様より派遣されし審判団でございます。」

なるほど。この間、タグで説明があった、審判とはこのことか。
要するに、戦国大名同士の戦いを見届ける役目として、その時代の将軍家に目をつけたと言うことか。

「互いの挨拶も終えたかと思われますので、この後出陣武将を報告願います。
また特別手当ですが、朝倉軍5,000・本願寺軍5,500の兵士数のため、今回はなしとなります。」

特別手当・・・。
あ!確か兵力によってアイテムがもらえると言っていたやつか?
ほとんど同数であったから、今回はどちらも獲得なしってことか。

「他に質問なければ、出陣武将の報告をいただき、さっそく決戦開始とさせていただきます。」

お互いに、用意された用紙にメンバー表を記入する。
・・・筆ってこんなに書きにくいんだと、用意された筆に四苦八苦しながら、何とか書き終えた。

いよいよ初陣だ。頼照と握手を行い、俺は自軍へと戻る。
そして、静かに審判のコールを待った。

【報告武将】

◆朝倉軍
≪先発≫
①河合吉統 CF
②堀江景忠 SS
③真柄直澄 1B
④朝倉景健 3B
⑤印牧能信 RF
⑥前波吉継 LF
⑦小泉長利 2B
⑧山崎吉家 C
⑨魚住景固 P

≪控え≫
朝倉景鏡、富田長繁、小林吉隆、中村吉富、高橋景業、翔

◆本願寺軍
≪先発≫
①鈴木重泰 RF
②下間頼廉 SS
③下間頼旦 3B
④下間仲考 CF
⑤下間頼竜 C
⑥窪田経忠 LF
⑦下間頼宗 1B
⑧下間頼慶 2B
⑨下間頼照 P

≪控え≫
下間頼純、下間光頼、下間頼成、下間頼次、服部友貞

※メンバー発表で初登場した本願寺軍武将紹介※

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴木 重泰
一向宗門徒が多く、本願寺家と友好関係にあった、
紀伊半島南部を支配した職人集団「雑賀衆」を束ねる家柄「鈴木家」の一族の一人。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
服部 友貞
尾張南部の豪族であり、一向宗門徒でもあった「服部党」を率いる頭目。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
窪田 経忠
加賀の国人であり、元は加賀の豪族である「安吉家」の家臣だったのだが、
その安吉家から城を譲られて、その地方の頭領となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 頼純
「加賀」の国で、一向宗の内乱が発生した時、その事態収拾のため本願寺より派遣された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 光頼
「下間仲考」の祖父。「坊官」として伊勢や加賀など、一向宗が勢力を持っていた
地域に派遣され、その土地の代官を務めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 頼宗
通称「下間丹後」で、「下間兵庫」の弟。
法主・本願寺顕如が織田信長に最初に送った使者である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 頼成
代々、本願寺で様々な事務・俗事などを務めた「下間家」の一人。
「下間頼旦」と共に、伊勢に侵攻してきた織田家の軍勢と戦って
織田信長の弟「織田信興」を敗死させた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 頼慶
願寺顕如の祖父の代から本願寺の重臣として活躍していた有能な坊官。
美濃の「土岐家」、近江の「六角家」などの交渉にあたるなど、外交面で活躍している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下間 兵庫
「下間頼宗)」の兄。
僧兵部隊の指揮官として活躍した坊官で、実戦で活躍した僧兵であると同時に、
茶の湯に通じた茶人でもあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それでは両軍集合!」

審判団の合図が球場に響いた。

準備は万端だ。
若干の違和感は、俺達の時代のユニフォームより厚手の生地で作られているユニフォーム。でもまぁ、これくらいの違和感ならすぐ消え去るだろう。
ユニフォームは、上下淡い紺の生地で、背中には朝倉家の家紋が描かれている。

「では決戦を開始する!先行は朝倉軍、後攻は本願寺軍!お互いに礼っ!」

両軍挨拶を終え、俺達は自陣へと戻った。

いよいよ試合開始!
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焔と華 ―信長と帰蝶の恋―

歴史・時代
うつけと呼ばれた男――織田信長。 政略の華とされた女――帰蝶(濃姫)。 冷えた政略結婚から始まったふたりの関係は、やがて本物の愛へと変わっていく。 戦乱の世を駆け抜けた「焔」と「華」の、儚くも燃え上がる恋の物語。 ※全編チャットGPTにて生成しています 加筆修正しています

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