王子の生涯物語

1.ある国の王子様の誕生

ある国でこの国の跡継ぎ候補となる王子が生まれた。
名は、グスタフと付けられた…。
ここから、彼の波乱万丈の人生が始まる。

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―オギゃぁーオギゃぁーオギゃぁー

「王様！産まれましたよ！男の子です！」

「おぉ、妻よ、良くやった。良くやったぞ。三人目でようやく跡継ぎになる男の子が生まれたか。うぬの名前はもう決めてあるぞ。グスタフ。グスタフ・アドルフじゃ。」

「グスタフ…良い名前ですね。グスタフよ。この国の中心となる人物に育つのですよ…。」

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「グスタフー！グスタフー。グスタフやーい。」

「王女様、どうかなさいましたか？」

「あぁ、アナや。グスタフを見てはいないかい？」

「グスタフぼっちゃまなら、ウィリアム様とお外で遊んでおられますよ。」

「ウィリアムと遊んでいるのですね。折角、クッキーを焼いたから食べてもらおうと思ったのですが…」

「王女様！お身体悪いのに、また、お料理など…。いつ発作が起こるかわからないのですから、安静にしておいてください。」

「ごめんなさいね。でも、大丈夫。今日は体調がいいから。」

―グスタフの母(王女)は元々体が弱かった。そのため、主治医が付いていたが、すぐに部屋を抜け出し、アドルフに会いに行くため、使用人たちは困り果てていた。

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「ウィル！早く！こっちだよ！さっきクワガタが居たんだ！」

「待ってくださいよ。グスタフ王子様。僕そんなに早く走れませんから。」

「ウィル！前にも言ったじゃないか！敬語は禁止！あと、僕のことは呼び捨てで呼ぶこと！僕達は友達なんだからね！」

「でも…いくら同い年だからって言って、王家と貴族だから、使わないとお父さんに怒られるんだもん。」

「うーん。じゃあ、敬語は少しくらいならいいけど、王子様はやめて！」

「わかりました。グスタフ君…？」

「…！それでいいよ！ウィル！よし！早くクワガタを取りに行こう！お母様に見せるんだ！」

「待ってくださいよぉ…グスタフぼっ…君！」