愚者の勲章

Canaan

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第3章 Long Way To The Hero

02.シラカ村の領主夫妻 2

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 はじめの数度こそ、ロイドは夢中でデボラの身体を貪っていたように思える。
 たぶん、かなり一方的だったのだろうけれど、当時のデボラはそういうものだと思っていたし、彼が自分との行為に集中しているのが分かったから、それでも嬉しかった。

 だが何度か交わって少しだけ慣れてくると、彼は試行錯誤を始めた。
 男性は吐精するときに激しい快感を覚えるらしいが、女のデボラでも、それと似たような感覚を味わうことができるはずだと彼は言うのだ。
 ロイドに胸や足の間を愛撫されるとデボラは充分に心地よかったし、彼を中に迎え入れて突かれていると、産毛が逆立つような不思議な感覚はあった。

「デボラ、いい?」
「はい……」
 彼はデボラが潤ったことを確認すると、ゆっくりと己を埋めてくる。
 深く受け入れるために、デボラは足を開いて、ぐっと腰を突き出す様な姿勢をとった。
 繋がった後は互いを抱きしめ合って、何度も口づけを交わす。
 いつもならばここでロイドが身体を動かし始めるのだが、今夜の彼はしつこく口づけを繰り返していたかと思うと、首筋に唇を滑らせ、そしてデボラの胸にもキスをした。
「あっ……」
 乳首を舌で転がされたかと思うと、今度は強弱をつけて吸い付かれ、デボラは喘いだ。足の間の疼きが強くなって、自分がさらに潤うのが分かる。

「うわ。すごい、締まる……。これ、気持ちいい?」
「ん。は、はい……あ、ああっ」
 彼は胸を吸いながら、時折優しく腰を揺らす。
 足の間が熱いような切ないような、何とも言えない気分になって、デボラはロイドにしがみ付いた。
 いつもの「気持ちいい、心地よい」という感覚よりも、もっと激しいものが自分の奥に眠っている。そんな気がした。

 ロイドの手がデボラの下腹部に伸びて、濡れた溝を擦った。潤った指で今度は小さな突起を撫でられる。
「あっ」
 瞬間的に強い快感を覚えたデボラは背中を仰け反らせる。
「デボラ、感じる?」
「は、はい……」
 訳もわからぬままに返事をしたが、確かに今、全身でロイドを感じている。指を使われるたびに、自分の中に力が入って、ぎゅっとロイドを締め付ける。
「あ、あ、ロイドさまっ……何か、あっ」
「もしかして、いけそう?」
 やっぱり彼の口にした言葉の意味は良く分からなかった。が。
 これまでとは違う段階に行けそう。このままどこかに飛んで行けそう。そういう意味ならばイエスであった。

「デボラ」
 デボラの大好きな、ロイドの掠れた声で名前を呼ばれた瞬間、自分の中で何かが大きく膨らんで、そして派手に弾けた。
「んっ……」
 ロイドの腕を強く掴みながら、デボラは身体を強張らせる。疼いていた部分が何かから解放されたように激しく収縮していた。

「あ……わ、私……?」
 激しい痙攣は収まったが、まだ小さく中が震えている。何が起こったのか分からずに、戸惑いながらロイドを見上げると、彼は満面の笑みを浮かべていた。
「めちゃくちゃ可愛かった……動いていい?」
「あ、はい……ん、ああっ」
 今のが絶頂というものだったのだろうか。
 彼は可愛かったと言うが……さっきの自分はすごく無防備で変な顔をしていた気がしてならない。そんな自分を彼がじっくり観察していたかと思うと恥ずかしくて仕方がなかったが、揺さぶられているうちに何も考えられなくなってくる。

 デボラの胸に、ロイドの汗がぽたぽたと落ちてきた。
 彼はデボラが絶頂を迎えるまで、かなり努力して自分を抑えていたに違いなかった。
 そして絶頂を迎えたせいか、繋がっている部分から響く音がいつもより遥かに淫らに聞こえた。
「あ……ロイド様……」
「デボラ」
 彼のざらざらした声は、本当にデボラの耳に心地よい。
 デボラは揺さぶられながらも、うっとりと瞳を閉じた。



「まあ。川で鱒を?」
「そうそう、こうやってじっと待ち構えてさ」

 二人で熱くなった後は、眠りにつくまでお互いのことを話している。
 今夜は、彼は貧しい暮らしをしていたこともあるのだと知った。

 小さい頃に母親が亡くなり、その後で父親も失ったという。両親を亡くしているのはデボラも同じだったが、ロイドの場合は父親の死後に彼の借金が発覚したらしい。
 住んでいた家を追われ、姉弟の三人、古くて狭い小屋で暮らしていた時期があったという。
 ロイドは少しでも食費を浮かせるため──と言うよりは、単に魚を捕まえるのが面白かっただけらしいのだが──小屋近くの川に入って、鱒を手づかみで獲っていたらしい。
 彼は都会育ちだから、山や川で食料を採取したことなど無いと思い込んでいた。

「ロイド様は、元気なお子様だったのでしょうね」
「うーん、元気っていうか……悪戯ばっかりして、しょっちゅう怒られてたかなあ」

 両親を亡くし姉弟三人で暮らしている時に王都に伯父がいることが判明し、ロイドたちは伯父を頼ることにして王都で学校に通わせてもらった。
 ちなみに、このルルザから王都への旅の様子はこれまでにも聞いたことがあった。ロイドと、彼の敬愛する義兄ランサムの出会いと旅を。ただ、この時のロイドたちが非常に困窮していたことは初めて耳にした。
 王都では伯父のレジナルドと、伯父の息子──ロイドとはやや年齢の離れた従兄になる──のヒューイが、ロイドたち双子の保護者となってくれた。

 王都での学校生活で、身に堪えた出来事の一つを彼は話してくれた。
「俺、先生にカンチョーしちゃったんだよ」
「カ、カンチョー……ですか?」
「そうそう。これ」
 そう言って両手の指を組み、人差し指だけを突き出して見せる。
 デボラも、領地の子供たちがやっているのを見たことはあった。

 なんでも、ロイドの通っていた学校にはとても怒りっぽい教師がいて、自分が言ったことを生徒が出来ないと、前に呼び出して他の生徒たちの前で罵倒するのが常だったそうだ。もちろんその教師は嫌われていた。
 ある時、ロイドと仲良くしていた子が憂き目にあった。ロイドの我慢は限界に達し、教師に向かってブスっとやってしまったらしい。
 教師は大激怒した。ただ、ロイドが怒られるだけでは済まなかった。

「従兄のヒューイが、学校まで謝りに来たんだ」
 自分がしでかしたことで、大嫌いな教師に保護者である従兄が頭を下げる……その光景に少年のロイドは衝撃を受けた。深く反省もした。
「教師のことは嫌いだったけど、ヒューイが謝ってるところを見たいわけじゃなかったからな……」
 そう語るロイドの表情は、いつもよりちょっと硬い。

「それで……ヒューイ様には叱られたのですか」
「それがさ、呆れられたけど、怒られなかった。ヒューイって普段はめちゃくちゃ厳しいんだけど、あの時は怒らなかったんだよなあ……」
 従兄のヒューイは叱らなかった。ロイドのしたことは悪いことだが、ロイドの行動で気が晴れた友人も多いだろうと言って。
「あと、俺が怪我したから、充分罰は受けただろうってさ」
「え? 怪我をしたのですか」
 教師に叩かれたのだろうかとデボラは思った。が、違った。
「うん。カンチョーした時に、グキッて。指の骨が折れたんだ」
「まあ……」
「騎士団のハードな稽古でも骨なんか折ったことないのに。俺が骨折したのは、今のところあれが最初で最後だな」
 我慢しようと思ったが、堪えきれなくなって、とうとうデボラは噴き出した。

 ロイドのしでかした事もおかしかったのだが、彼は少年の頃からあまり変わっていないのだ。成長していないという意味ではなく……持っている魂がそのままと言うか。
 それがたまらなく微笑ましいし、愛しいと思う。

「ロイド様」
 充分にくっつき合っていたが、デボラはさらに身体を寄せた。
「……お慕いしております」
「お、俺も……!」
 肩に腕を回され、ぎゅっと抱きしめられたかと思ったら、柔らかいキスが降ってきた。
 その後すぐに、デボラのお腹に彼の固くなったものが当たる。

 もう一度交わることになるだろう。
 口づけを続けながら、デボラもロイドの背中を抱きしめ返した。


*


 太陽が黄色い。

 朝帰りした先輩騎士がよくそう言っていたが、かつてのロイドはそれを聞き流していた。夕日なんかはともかくとして、太陽ってもともと黄色く見えるじゃん、そんな風に思いながら。

 だが非童貞となった今、ようやくその意味が分かった!
 色事に耽って夜更かしすると、やたらと太陽が眩しく感じられるのだ。
 うおー、太陽が黄色い! 黄色いぜ!!
 さっそく自虐風自慢を披露したいところだが生憎その相手がいない。

「やあ、ロイドくん!」
「あ、司祭殿」
 そんな時掃除用具を抱えたブラッドベリ司祭が通りかかった。
 さすがにこの人相手に太陽が黄色いと言ったところで、何の自慢にもなりはしないだろう。
「これから墓地の掃除に向かうんですが、どうです、ロイドくんも一緒に」
「墓地ですか」
「ええ。シラカ村の。まだ行ったこと、ないでしょう?」
 城の裏に墓地があることは知っていたが、確かにまだ行ってみたことはない。
 ロイドは勉強がてら司祭についていくことにした。

「で、どうなんですか。男になった感想は!」
「えっ?」
 墓地に向かう途中で、いきなり司祭がロイドの背中をバシッと叩いた。
「もう、分かりますよ、分かりますよ~。デボラ様と、ふと見つめ合っちゃったりして!」
「え……? ええと、」
 初夜を迎えて以来、司祭の言うようにデボラと目の合う機会が増えた。朝の食堂だったり、お互い別の仕事をしている時だったり、庭で一瞬すれ違う時だったり、状況は様々だ。
 昨夜は楽しかったね、とか、今夜も仲良くしようね、とか、そんなことを視線で伝え合っている気がして、デボラと目が合うたびにロイドは嬉しくて落ち着かなくなった。
 そんな二人に司祭は気づいていたようだ。

「そりゃ気づきますよ~。何ですか、あのお互いを裸に剥いて舐めまわしてるようなあの目つきは!」
「えっ? うわ……ちょ、ちょっと、司祭殿……」
 司祭は大きな声で開けっぴろげなことを喋るものだから、ロイドは焦った。
「あれはね、目でセックスしてるようなものですよ! 私に言わせれば!」
「ちょ、ちょっ……司祭殿! ここ、墓地です、墓地!」
 厳かな場所で、こんな会話はいけませんよと諭したつもりだった。
 しかし、
「墓地って言ったって、地面の下に骨があるだけじゃないですか。骨には何も聞こえません」
 またまた聖職者とは思えぬ科白が飛び出して、ロイドは絶句した。
 口をパクパクさせるロイドをよそに、司祭は淡々と落ち葉を掃き集めている。
「……葬儀やお墓って、生きている人間のためにあるんじゃないかと、私は思うんですよ」
「生きてる人間、ですか」
「ええ。死者を弔うよりも、残された人間が心に区切りをつける……或いは、心の拠り所にするために」
 そう口にした司祭の視線の先には、花が添えられた小さな墓石があった。
 花は庭に咲いていたものと同じで、その状態から今朝摘んだばかりのものに見える。
 墓石には『ジョシュ エリザベスの愛した男、ここに眠る』と彫ってあった。
 現在いる領民に、エリザベスなんて名前の女性はいただろうかとロイドは考えた。

「ベティさんの旦那さんですよ」
「ええっ」
 確かにベティはエリザベスの愛称の一つなのだが……ずんぐりした体形で顎が二つに割れかけている女性と、エリザベスという名前がロイドの中ではなかなか繋がらなかったのだ。
 没年月日を確認すると、それはロイドが生まれるよりも前だった。
「気の毒なことに、結婚して間もなく亡くなったらしいです」
「そうだったんですか……」

 ベティはデボラの両親の代からこの城に仕えていると、話には聞いていた。
 先代の領主夫妻に誠心誠意仕え、デボラのことも非常に大事にしている。彼女はロイドのことを、デボラについた悪い虫か何かのように考えているようだが。
「まあ……デボラ様の夫としてベティさんが気に入る男性って、いないんじゃないかと私は思いますよ」
 誰が相手でも、ベティは悪態をついただろうと司祭は言った。
 ロイドは特に初対面時に変質者かマキシムの手先だと思われたため、ベティの目は厳しかった。
 これから少しずつでも彼女の態度が和らぐよう、デボラの夫としてシラカのために尽くしていかなくては。
 墓石を見つめながら、ロイドはそんなことを思った。



 領地の管理をしながら、王都からの使者を待つ……そんな状態が覆ったのは、司祭との墓地掃除のあと、さらに家畜小屋の掃除を終え、城に戻ってすぐのことだった。
 階段下のホールで、ベティが手を揉み絞りながらうろうろしており、ロイドの姿が目に入ると今にも泣きそうな顔で飛びついてきた。

「ちょっと、ロイドさん! デボラ様が!」
「え?」
「デボラ様が、林に行ったまま帰って来ないんですよ!」

 ベティの話では、デボラは野生のハーブを摘みに林へ行ったまま戻って来ず、もちろんベティは探しに行ったが、いつも採取している場所に彼女はいなかったそうなのだ。
「もうすぐ日が暮れちまいます。ロイドさん、あたしは……」
「わ、わかりました。俺が探しに行きます」
「あたしももう一回行きますよ!」

 松明の用意をし、ロイドとベティは林に入った。
 まずは、いつもハーブを採取しているらしい場所へ案内してもらう。
 火を近づけて足元を照らす。
「摘んだ跡はあるんですよ」
 ベティの言う通り、葉っぱをちぎったような形跡があった。
「奥の方まで行っちまったんでしょうかね……」
 採取に夢中になると、足元ばかりを見て歩くことになるから、気が付くと思わぬ場所に迷い込んでいたりするらしい。

 考えたくはないが、デボラは迷った挙句、どこかで怪我をして動けなくなっているのかもしれない。
「デボラ!」
「デボラ様ー!」
 ベティと二人でデボラの名を叫びながらその辺を歩き回ったが、返事も、呻き声すらも聞こえなかった。

 ひょっとしたらすれ違っていて、今頃デボラは城に戻っている、そんな可能性もある。
 それから、彼女が本格的に迷子になっているのだとしたら、もっと多くの人手が必要である。
 ロイドとベティは話し合い、デボラの存在の確認と、領民たちに知らせるために城へ戻ることにした。
 その時、
「あっ、ロイドさん、あれ!」
 ベティが茂みの向こう側を指さした。
 日が落ちてきて林の中は暗いが、自然のものではない何かが落ちているのが分かった。
 近づいて、松明で照らす。

「これは……」
「デボラ様のですよ!」

 落ちていたのは、取っ手の付いたカゴだった。
 ベティはそれをデボラのものだと言った。


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