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第四章 アルフォンサ
第四話
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二日後、アルフォンサはカサレリア伯爵家の屋敷にようやく帰ってきた。夜行列車に揺られて、冬でも雪の積もらない渓谷地帯を眺めながらの旅を終え、ついに古都の佇まいと特産の林檎の香りを感じたとき、アルフォンサはやっと故郷に帰ってきた実感が湧いた。王都にいた半月の間を経ても故郷は何も変わらず、ライトベージュの城砦を抱えた広大な屋敷と使用人たち、そしてアルフォンサの父マレクは何も聞かず、アルフォンサを暖かく迎え入れた。
家族でよく集う談話室の暖炉の前で、安楽椅子に座った父の隣に立つとき、アルフォンサは少しばかり緊張したが、それだけだ。
「おかえり、アルフォンサ」
相変わらず、アルフォンサの父マレクは軍人らしい険しい顔に相応しい鋭い琥珀色の両目をしているが、愛娘へ向ける視線は穏やかなものだ。すでに何かあったと察してはいるだろうが、咎めるような口振りや態度は一切ない。
とはいえ、さすがにアルフォンサも、婚約を破棄してきた、などといきなり口にするのはためらわれた。
「ただいま、お父様。ねえ、聞きたいことが」
「ああ、ちょっと待ってくれ。その前に、お前に会わせたい人物がいる」
入ってくれ、とマレクは談話室の出入り口の扉へ向けて声を張る。
まさか婚約破棄がすでに父へと伝わっていて、別の婚約者を用意されているのか——と一瞬だけアルフォンサの顔が強張ったが、そうではなかった。
談話室の扉が開かれ、姿を現したのは、なんと王都で別れを告げたはずのベネディクトだ。しかも、鮮やかだった金髪は短く刈り込まれ、貴族らしからぬ簡素なシャツと乗馬用のパンツ姿で、王都で持っていた優雅な青年貴族の肩書きはどこかへ行ってしまったかのようだ。
何がどうなったのかさっぱり分からず、アルフォンサは混乱した頭を抱えて精一杯の疑問を口にする。
「ベネディクト? どうして、まだ何かあるの? 分かった、婚約破棄の慰謝料や賠償金のこと? それなら」
「違う違う、アルフォンサ、落ち着け。ほら、彼が話したがっている」
父になだめられ、アルフォンサはやっと我に返った。そして、ちょうどいい頃合いを見計らい、ベネディクトが真面目くさった顔で、爆弾発言をした。
「トカイリナ伯爵家には、俺の廃嫡と絶縁を頼んである。まだ返事は来ていないが、多分問題はないはず」
廃嫡、絶縁。まさかベネディクトの口からそんな言葉を聞こうとは、アルフォンサは夢にも思わなかった。いや、ありえない。そんなことばかりで、ベネディクトが一歩進んで目の前にやってきていることにさえ気付かなかった。
ベネディクトは、真剣にアルフォンサを正面から見つめ、吹っ切れたかのように溌剌とした提案、もとい申し入れた。
「これからはカサレリア伯爵家の私兵団に入れてもらって、頑張ってみようと思う。それでもし、君に許しを得られるなら……その、君や君の子どもを守れると胸を張って言えるようになったのなら、もう貴族でもなくなってしまったが、俺との結婚を考えてくれないか」
そうして、片膝を床に突き、アルフォンサの左手を取って、ベネディクトは見上げてくる。
それはもう、プロポーズ以外の何ものでもない。事情はまだ飲み込めないものの、これはまさしく、ベネディクトが——いかに真剣か、人生を懸けてこの場にいることの証左だ。
であれば、細かいことはさておき、アルフォンサも相応の態度を取らねばならない。しかしだ、婚約を破棄してきたアルフォンサが、今更ベネディクトの婚約の申し入れを受け入れていいものだろうか。
ありとあらゆる悩みと思考が渦巻いて突っ立っているアルフォンサへ、父らしくマレクが助言する。
「さて、どうする? アルフォンサ、お前が決めなさい。家のことは考えなくていい」
「そんな、私が勝手なことをこれ以上して、間違ってしまったらどうするの?」
「お前はこの私の子だ。この国の貴族でも、カサレリア伯爵家の後継でもなく、マレクの子アルフォンサという一人の人間としてどうすることが正しいのかを判断しなさい」
一見、突っぱねた無責任な形のようにも思えるその言葉は、アルフォンサの目を醒させるには十分すぎる意味を持っていた。
婚約破棄は今更どうでもいいことなのだ。いや、どうでもいいは言い過ぎだが、さして問題ではないのだ。ただ、これからを考えたとき——アルフォンサ個人のこと、カサレリア伯爵家のこと、この国のこと、そして世界のこと、ありとあらゆる未来のこと——貴族としての婚約とは、どういう形を取るべきかを改めて見直す必要があった。
おそらく、これから先の時代は、とてつもない変化と混迷の中で生きていくことになる。それはこの国が存在するか否か、貴族が存続するか否かから始まり、アルフォンサという一人の令嬢がたかが令嬢の枠組みを飛び越えていく未来が最良の結果となりうるかもしれない事態が起きるだろう。金髪碧眼にこだわる古い伝統も、繋がってしまった鉄道の線路も、新旧の激しい潮流となってぶつかり、やがて潮目は変わる。安穏と、貴族でいられる時代は終わるだろう。
つまり、今、カサレリア伯爵家屋敷で、プロポーズされたアルフォンサは、その流れのほんの一部に過ぎず——アルフォンサはそれらを見越して、これからを考えるべきだという重荷を背負わされた。
いや、今こそ、自ら望んで背負うのだ。
アルフォンサは、ベネディクトの手を、もう離すまいと両手で包む。
「お父様」
「うむ」
「それも含めて、お話があります。ベネディクトも一緒に、聞いてもらえる?」
プロポーズの返事かと思いきや、別の話になってしまったものの、ベネディクトは神妙に頷く。マレクとベネディクトに見つめられ、アルフォンサはすう、と一つ深呼吸をしたのち、こう宣言した。
「私、貴族の令嬢なんてできそうにないから、英雄になるわ! ベネディクト、それでもよければ結婚してちょうだい!」
とんでもないプロポーズである。マレクもベネディクトも、ただただ目を丸くするばかりだ。
でも、そんなことは問題ではない、アルフォンサはすでに未来を見据えている。
カサレリア伯爵家の最後の女当主、オッドアイのアルフォンサは、それからどうなったか。
残念ながら、もう英雄が輝く時代は過ぎ去った。剣は銃に、戦場は塹壕だらけに、馬よりもはるかに速い列車や船が世界中を駆け巡り、文字の情報は瞬く間に離れた大陸へと渡っていく。
ならば、とアルフォンサは『鋼鉄』を支配することにした。夫のベネディクトとともに、カサレリア製鉄会社を立ち上げ、各国を渡り歩いて売り捌き、たちまち引も切らない急成長を遂げていく。
元々良質な鉄鉱石の産地として知られたカサレリアで作られた鉄は、世界のいたるところで求められ、文字どおりその時代の基礎となる。最新鋭の武器に、電話の線に、摩天楼の建材に、そして一般家庭で使われるスプーン一本さえもカサレリアの鉄が使われ、必要とされるようになる。
カサレリアの鉄をどれほど多く仕入れられるかが国家の盛衰、戦争の勝敗さえも分つ、などと謳われるほどに。
ところで、アルフォンサはこうも呼ばれた。
『カフェ・ロワイヤルの貴婦人』。
カフェ・ロワイヤルを美味しく、楽しんで飲むためのスプーンを作るために、他国から職人を招き、ロワイヤルスプーンに改良を重ね、カフェ・ロワイヤルのためのブランデーを求めて夫と旅をするほどにこだわったことから、彼女が派手好きのように思われがちだが、実際のところ彼女は堅実かつ地道な性分をしている。
何せ——そのための道のりをひとつひとつ作っていき、新しい時代の基礎まで作り出してしまったのだから。
とっくの昔に、彼女はかつての皇帝よりも古の英雄よりも広い世界を踏破していて、もう金髪碧眼のみが貴族だなどという古びた国の伝統は書物の中にしかない。混沌の世界を生き抜くすべは、髪や目の色になど因らない。
アルフォンサ・カサレリア。英雄にはまだなれていないが、もうすでに稀代の大商人として十分に名を馳せていた。
おしまい。
家族でよく集う談話室の暖炉の前で、安楽椅子に座った父の隣に立つとき、アルフォンサは少しばかり緊張したが、それだけだ。
「おかえり、アルフォンサ」
相変わらず、アルフォンサの父マレクは軍人らしい険しい顔に相応しい鋭い琥珀色の両目をしているが、愛娘へ向ける視線は穏やかなものだ。すでに何かあったと察してはいるだろうが、咎めるような口振りや態度は一切ない。
とはいえ、さすがにアルフォンサも、婚約を破棄してきた、などといきなり口にするのはためらわれた。
「ただいま、お父様。ねえ、聞きたいことが」
「ああ、ちょっと待ってくれ。その前に、お前に会わせたい人物がいる」
入ってくれ、とマレクは談話室の出入り口の扉へ向けて声を張る。
まさか婚約破棄がすでに父へと伝わっていて、別の婚約者を用意されているのか——と一瞬だけアルフォンサの顔が強張ったが、そうではなかった。
談話室の扉が開かれ、姿を現したのは、なんと王都で別れを告げたはずのベネディクトだ。しかも、鮮やかだった金髪は短く刈り込まれ、貴族らしからぬ簡素なシャツと乗馬用のパンツ姿で、王都で持っていた優雅な青年貴族の肩書きはどこかへ行ってしまったかのようだ。
何がどうなったのかさっぱり分からず、アルフォンサは混乱した頭を抱えて精一杯の疑問を口にする。
「ベネディクト? どうして、まだ何かあるの? 分かった、婚約破棄の慰謝料や賠償金のこと? それなら」
「違う違う、アルフォンサ、落ち着け。ほら、彼が話したがっている」
父になだめられ、アルフォンサはやっと我に返った。そして、ちょうどいい頃合いを見計らい、ベネディクトが真面目くさった顔で、爆弾発言をした。
「トカイリナ伯爵家には、俺の廃嫡と絶縁を頼んである。まだ返事は来ていないが、多分問題はないはず」
廃嫡、絶縁。まさかベネディクトの口からそんな言葉を聞こうとは、アルフォンサは夢にも思わなかった。いや、ありえない。そんなことばかりで、ベネディクトが一歩進んで目の前にやってきていることにさえ気付かなかった。
ベネディクトは、真剣にアルフォンサを正面から見つめ、吹っ切れたかのように溌剌とした提案、もとい申し入れた。
「これからはカサレリア伯爵家の私兵団に入れてもらって、頑張ってみようと思う。それでもし、君に許しを得られるなら……その、君や君の子どもを守れると胸を張って言えるようになったのなら、もう貴族でもなくなってしまったが、俺との結婚を考えてくれないか」
そうして、片膝を床に突き、アルフォンサの左手を取って、ベネディクトは見上げてくる。
それはもう、プロポーズ以外の何ものでもない。事情はまだ飲み込めないものの、これはまさしく、ベネディクトが——いかに真剣か、人生を懸けてこの場にいることの証左だ。
であれば、細かいことはさておき、アルフォンサも相応の態度を取らねばならない。しかしだ、婚約を破棄してきたアルフォンサが、今更ベネディクトの婚約の申し入れを受け入れていいものだろうか。
ありとあらゆる悩みと思考が渦巻いて突っ立っているアルフォンサへ、父らしくマレクが助言する。
「さて、どうする? アルフォンサ、お前が決めなさい。家のことは考えなくていい」
「そんな、私が勝手なことをこれ以上して、間違ってしまったらどうするの?」
「お前はこの私の子だ。この国の貴族でも、カサレリア伯爵家の後継でもなく、マレクの子アルフォンサという一人の人間としてどうすることが正しいのかを判断しなさい」
一見、突っぱねた無責任な形のようにも思えるその言葉は、アルフォンサの目を醒させるには十分すぎる意味を持っていた。
婚約破棄は今更どうでもいいことなのだ。いや、どうでもいいは言い過ぎだが、さして問題ではないのだ。ただ、これからを考えたとき——アルフォンサ個人のこと、カサレリア伯爵家のこと、この国のこと、そして世界のこと、ありとあらゆる未来のこと——貴族としての婚約とは、どういう形を取るべきかを改めて見直す必要があった。
おそらく、これから先の時代は、とてつもない変化と混迷の中で生きていくことになる。それはこの国が存在するか否か、貴族が存続するか否かから始まり、アルフォンサという一人の令嬢がたかが令嬢の枠組みを飛び越えていく未来が最良の結果となりうるかもしれない事態が起きるだろう。金髪碧眼にこだわる古い伝統も、繋がってしまった鉄道の線路も、新旧の激しい潮流となってぶつかり、やがて潮目は変わる。安穏と、貴族でいられる時代は終わるだろう。
つまり、今、カサレリア伯爵家屋敷で、プロポーズされたアルフォンサは、その流れのほんの一部に過ぎず——アルフォンサはそれらを見越して、これからを考えるべきだという重荷を背負わされた。
いや、今こそ、自ら望んで背負うのだ。
アルフォンサは、ベネディクトの手を、もう離すまいと両手で包む。
「お父様」
「うむ」
「それも含めて、お話があります。ベネディクトも一緒に、聞いてもらえる?」
プロポーズの返事かと思いきや、別の話になってしまったものの、ベネディクトは神妙に頷く。マレクとベネディクトに見つめられ、アルフォンサはすう、と一つ深呼吸をしたのち、こう宣言した。
「私、貴族の令嬢なんてできそうにないから、英雄になるわ! ベネディクト、それでもよければ結婚してちょうだい!」
とんでもないプロポーズである。マレクもベネディクトも、ただただ目を丸くするばかりだ。
でも、そんなことは問題ではない、アルフォンサはすでに未来を見据えている。
カサレリア伯爵家の最後の女当主、オッドアイのアルフォンサは、それからどうなったか。
残念ながら、もう英雄が輝く時代は過ぎ去った。剣は銃に、戦場は塹壕だらけに、馬よりもはるかに速い列車や船が世界中を駆け巡り、文字の情報は瞬く間に離れた大陸へと渡っていく。
ならば、とアルフォンサは『鋼鉄』を支配することにした。夫のベネディクトとともに、カサレリア製鉄会社を立ち上げ、各国を渡り歩いて売り捌き、たちまち引も切らない急成長を遂げていく。
元々良質な鉄鉱石の産地として知られたカサレリアで作られた鉄は、世界のいたるところで求められ、文字どおりその時代の基礎となる。最新鋭の武器に、電話の線に、摩天楼の建材に、そして一般家庭で使われるスプーン一本さえもカサレリアの鉄が使われ、必要とされるようになる。
カサレリアの鉄をどれほど多く仕入れられるかが国家の盛衰、戦争の勝敗さえも分つ、などと謳われるほどに。
ところで、アルフォンサはこうも呼ばれた。
『カフェ・ロワイヤルの貴婦人』。
カフェ・ロワイヤルを美味しく、楽しんで飲むためのスプーンを作るために、他国から職人を招き、ロワイヤルスプーンに改良を重ね、カフェ・ロワイヤルのためのブランデーを求めて夫と旅をするほどにこだわったことから、彼女が派手好きのように思われがちだが、実際のところ彼女は堅実かつ地道な性分をしている。
何せ——そのための道のりをひとつひとつ作っていき、新しい時代の基礎まで作り出してしまったのだから。
とっくの昔に、彼女はかつての皇帝よりも古の英雄よりも広い世界を踏破していて、もう金髪碧眼のみが貴族だなどという古びた国の伝統は書物の中にしかない。混沌の世界を生き抜くすべは、髪や目の色になど因らない。
アルフォンサ・カサレリア。英雄にはまだなれていないが、もうすでに稀代の大商人として十分に名を馳せていた。
おしまい。
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このシリーズがとても好きです。ホッとする飲み物と、気兼ねせず話せるような気がするマスターの存在が素敵です。
悲しい思いをしたお嬢さんたちが、それぞれの形で幸せになるのもホッコリします。
ぜひ私の前にも屋台が来てくれないかなぁ。
ちょっぴりオシャレな香り。私の前にも現れてくれないかしらん
読み切りショートショート集みたいな感じでシリーズ化希望です☕
現代バージョンがあったらTVの深夜ショートドラマって感じでしょうし
異世界のままだったらショートアニメにぴったりだと思います